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フレンチのトップシェフが教える 「リゾット」 / 生米から炊き上げる方法

今回はリゾットの作り方を紹介します。

このリゾットという料理は
作り手によって仕上がりに大きく差が出る料理です。

既に炊いてある米から煮るやり方もあるのですが、
生米から炊き上げる本格的なリゾットとは
天と地程もその美味しさに違いがあります。

今回は、玉葱、米、ブイヨン、チーズのみの非常にシンプルなものをお教えします。

後入れの具材は使いませんので誤魔化しが効ききません。

逆にシンプルだからこそ「リゾット」という料理に必要な技術と知識が分かりやすく覚えられる内容になっています。


「美味しい」を作る「理由」から学ぶ。

早速勉強していきましょう。

■作り方


1. ブイヨンの用意


ブイヨンを一度沸かし切り、灰汁を引き、味を確かめる。
このブイヨンの塩気はかなり薄めで大丈夫です。
ごく弱火に落とし、蒸発しないよう蓋をして温度をキープしておく。


2.玉ねぎのみじん切り


粗目で構いませんのでみじん切りにしておきます。

 

3. チーズを擦り下ろしておく


粉チーズではなく固形のチーズを使用する場合、
事前に擦り下ろしておきましょう。


粉チーズの方が使い勝手は良いように感じますが、
やはり固形チーズのものの方が味も美味しいですし、
g単価も安いものが多いのでオススメします。

擦り下ろしたチーズはラップして冷蔵庫にしまっておきましょう。


4. 加熱スタート


サラダ油を半量入れて温め中火を保ちます。
フライパンが温まったら、玉ねぎを入れます。


ちなみにこの時は手鍋ではなく底が平坦なフライパン。
かつテフロン加工のものが断然作りやすいです。

この理由については後述させて頂きます。

玉ねぎ全体に油が回ったら塩を振る。


このタイミングでの塩は極めて重要です。
味付けの意味もありますが、この塩は玉ねぎの水分と旨味を引き出す効果が有ります。

浸透圧の作用で玉ねぎから水分が出て、
その水分とともに中弱火くらいで加熱することで、焦げづらくなり玉ねぎの甘みが引き上がります。

この技法をフランス料理の世界では
(スュエ / 汗をかく)と言い、
基礎技法の一つに数えられています。


玉ねぎがしんなりして、火が入ったら生米を投入する。


残りのサラダ油も加え、米全体に馴染ませる。

油はなぜ2回に分けて加えたのか、これも後述させて頂きます。

ちなみに米は油を馴染ませて、温める程度の加熱にしてください。
米を炒める必要はありません。

ブイヨンの1/3を加える。


この時火加減は中火を保ちましょう


この時、米はできるだけ混ぜない様に注意しましょう。
底が焦げないように、たまに混ぜるだけにしましょう。


写真の様に水分が飛んだら再度1/3ブイヨンを加える。

このブイヨンを加えて、加熱してという工程を合計3回繰り返していきます。



3回目のブイヨンを加えた際は焦げやすいので、
1,2回目より混ぜる頻度を増やしましょう。

また二回目に加えたブイヨンの水分が飛んだ段階から味見を始めましょう。ここでの味見は「味」そのものよりも

「米の硬さ」を確かめていきます。

ここで米の硬さによって3回目のブイヨンで煮る際の火加減が大きく変わってきます。

これも後述させて頂きます。

3回目のブイヨンの水分が飛んできました。
水分がある程度残っている状態まできたら、、、


火を止めてチーズを加えます。
ここで味見して、必要であれば塩を加え味を調整しましょう。


仕上がりは流動性がありつつも、
水分と米が分離していない状態が理想です。

写真の様に木べらでかき分ける様にしてチェックしましょう。
こうしたときにシャバシャバな水分が滲まずに、
米全体に光沢があれば完璧です。

米の硬さはポキポキと歯切れの良い食感がある
アルデンテが理想です。


■完成


窪みのあるお皿に盛り、
皿の底を叩いて平らに盛り付ければレストランっぽい盛り付けになります。


このリゾットは具材を加えない
非常にナチュラルな味わいです。

なのでオリーブオイルをたっぷりかけて食べると
とっても美味しいですよ。


■この料理を作る上で抑えるべき知識


・なぜブイヨンを弱火で温めて置く必要があるのか



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