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末寺の末事 178

 どこまでも突き抜けて悲しみがある。また、おかしみ、愚かしみがある。ユーモラスでありチャーミング。そんな人間を尊敬する。

 敬愛なる人間よ。僕が求める見返りは、師であり友です。この刹那の末事を共に過ごす久遠の存在です。慈悲などはない。どこどこまでも突き抜けて悲しい存在がある。それだけ。罪悪深重の凡夫がいるだけ。慈しんでも愛しているにすぎない。見返りが欲しいし、きっとあると疑わない、傲慢な重罪人。なのに、自分は善人であるという錯覚。故に師も友も遠い。

 子供の頃は、こういう面倒くさい感覚がないから、学校にいけば先生もいたし友達もいた。無くなったのは素直さだろう。捻くれて千切れて傷だらけでボサボサのモサモサで、これじゃ誰も相手にはしてくれない。

 だから複雑なのは嫌いだ。なるべくシンプルでいたい。見返りとかもういい。なのに世の中がどんどん複雑化する。ただ…慈しみ悲しむ。

to be continued



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