末寺の末事 198
時代の流れ、変化って、色々あったと思う。でも、この人の距離感の変化は、かなりの速度で浸透し、かなりの影響を及ぼしているのではないだろうか、我々の文化に。
そのなかでも大きな影響があったと感じるのは、生老病死が他人事になってしまったこと。
その昔、人は当たり前のように家で生まれ、老いて病んで死んでいった。家族に囲まれて、親族に見守られ、ご近所にも寄り添われ、生涯を送った。けど、今はそれらが遠くなった。
生老病死の四苦は、お釈迦さまが出家されるキッカケ。我々人間の命の根幹に訴えられた問だが、それが遠い。
それらの根本的苦悩が、家族や親族、ご近所などの親しい、近しい人間の生涯を通じ、擬似体験的に自分の人生観に投影される機会というのは、限りなく取り除かれつつある。というか既にほぼない。
この影響はデカい…し、かなり重いと思う。ギリギリまで、この苦悩を見ないのだから。
to be continued
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