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末寺の末事 83

 これまでも、こういった実験的挑戦で自分がどう変化するのか、試してみたことは幾度となくあって、試行錯誤を繰り返し、多少の我慢や習慣化を工夫することには、些か自信もある。

 ただ今回は、日常的快楽習慣を断ち切り、そこへ人生最大級のストレスでもある大仕事のラストスパート1ヶ月。つまり、人生から楽だけ取り除き、苦だけの一色染めにしてみるというチャレンジ。

 が、結果は1ヶ月待たずとも明らかだった。どこかを抑えても、反対側が膨らんだりして、欲望は消え去らない。快楽を求めて、代替えを貪るだけだ。そんなこと知っていたとはいえ…

 「こんな挑戦には何の価値もない」

 というトラップが早々に発動し、「快楽に身を委ねよ」との指令が、電気信号となって脳内に駆け巡るのを俯瞰で観じる僕。

 哀れ憐れ、僕は自分すら見捨てて先に進む。価値や意味など些末なこと「なんちゃって」。その先の心が知りたい。

to be continued





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