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男子バレーボール日本代表チームの試合をみて黄泉の国をおもう

確かにテレビ中継のカメラワークなどの技術も高くなった。
競技場の天井から、ネット中央から、規格外の選手たちの空中プレーを映し出し、高性能マイクはスパイカーがボールを叩きつけるズドン、ベキッ、グシャっというバレーの試合とは思えないありえない音を拾う。

これまでにバレーボールはサーブ権が無くなり、ネットインOK、足OKなど、えげつないほど体格有利なルール改定がされてきた。結果日本男子バレーは20年近く自力でオリンピックに出ることができず、テレビ中継から消えた。

僕はこりゃ自分が生きている間に日本の男子バレーチームをオリンピックで見ることはなかろうなと思ったが違った。こんなことになっていたなんて。どんな過酷なトレーニングをやってきたのか想像すらできない。

今回のオリンピック予選を見終わって、日本バレーのスピード、テクニックは世界トップクラスであり、プレーヤーひとりひとりのスター性は世界一だと感じる。8番、セッター関田の真上に低いレシーブが上がった瞬間、日本コートの時間だけがスローになる。関田のジャンプトスに合わせて宙高く舞う4人のスパイカー。相手ブロッカーに的を絞らせず、3秒後、相手コートで倒れこむレシーバーのはるか後方に相手コート内で大きく弾んだボールが消える。大歓声で主審の笛の音は聞こえない。

正直ね、僕はオリンピック出場を決めるスロベニア戦が始まる少し前18時ごろにしんじゃったんじゃないかと思ったんですよ。生きているうちに見たかった光景を神様が見せてくれたんではなかろうかと。これが本当なら僕は彼らが笑顔でパリオリンピック表彰台の真ん中に立つ姿を見ることになるでしょう、確実に、現地で。