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能登震災被災地入り帰還後の報告

復興の拠点となる七尾市の和倉温泉街で、「市」を開催できないか模索中の「株式会社ムサシ」代表(また「LUMBERJACKS自然学校」代表)岡本さんの記事をまずお読みください。
市開催への道のりは険しいですが、その過程で様々なことを自ら調べ、見聞きし、考察している内容が、とても興味深いです。
参考: ムサシの朝市が和倉温泉に協力できないか

野良(民間)ボランティアの話

岡本さんは震災直後現地入りしてこれまで、彼の人脈を活かした炊き出しのマッチングや、センサーライトのメーカーを経営しているのでその配布などを行ってきました。
先日まで僕も彼の築いた七尾の拠点でお世話になっており、直接お話を聞きました。

同時に、別途合流した「ふくい美山きときとき隊」代表の宮田さんも、輪島市三井で拠点作りをしており、「災害用お風呂システム」の設営を少し手伝わせていただきながら、お話を聞くことができました。

彼らはボランティアの中でも、行政ではなく民間団体であることから「野良ボランティア」と呼ばれ、今回は被災地入りを咎められるような場面や、地元住民に警戒されるようなことも多々あったようです。

しかし実情は、行政よりもかなり先手を打って動いており、例えば、ある程度の規模の拠点まで支援物資が届いても、その先の孤立集落などへはなかなか物資が届かない中、独自に車を走らせて物資を届けに行ったり、独自に持ち込んだ重機を動かして活躍されていたそうです。

「被災地に来るな。」は事実どうなのか

これも1つの主観ですが、「被災地に来るな。」という世論はだいぶ偏った情報かと思われます。少なくとも僕が見てきた交通渋滞の事実としては、交通しているほとんどは石川、金沢ナンバーの車であり、それ以外に災害復旧車両が多く走っています。推論ではありますが、ほとんどは地元民・避難民の方が情報や物資を求めてウロウロと彷徨っているものと思われます。

交通渋滞が復旧の妨げになっているのも事実かも知れませんが、震災から4週間経過したあの頃においては、道路の復旧スピードは驚異的で、一方、倒壊したブロック塀の片付けなど人海戦術を要する部分で、とても人手が足りないように思われました。

それよりもそろそろ懸念すべきことは、このまま半年なり時間が経過すると、震災のことが人々から忘れ去られ、能登に関心が薄れ、能登に人が戻ってくることさえできなくなってしまうのではないかという、復興まで視野に入れた長期的ビジョンです。

自らの言葉で被災地を語ること

同時に、彼ら民間ボランティアのリーダー達が口を揃えて言うのは、被災地を見て回り、見たことや聞いたこと、感じたことを発信していくことの重要性です。
被災地ボランティアといえば、瓦礫の撤去など力仕事のイメージが強いですが、住民の方とおしゃべりしたり、ニーズや情報収集も重要な仕事だと言います。
何よりも、いつか起こるであろう東京など都市部での震災において、個々人のその経験や関係性こそが、必ず活かされるであろうということを語っています。

義援金とボランティアの受付窓口

義援金寄付やボランティア活動を検討されている方達には、ぜひとも行政でなく、彼らの団体へ接触してみることをお勧めします。
参考: 株式会社ムサシ
参考: ふくい美山きときとき隊

被災地へ赴くときの荷物のリスト(参考)

最後に、記憶の新しいうちに、被災地へ赴くとき、持っていくべき荷物のリストをアップデートしておきます。

【寝具・衣料】

  • 寝袋、毛布、マットなど(春秋用の寝袋だけだと寒かった)

  • 着替え(下着や靴下多め)、タオル

  • 防寒具

  • 雨具

【食事・生活用品】

  • ヘッドライト

  • シェラカップ

  • スプーン、フォーク、箸

  • 歯磨き

  • 常備薬

  • 携帯食(チョコとかカロリーメイトとか。喉乾くけど。)

【消耗品】

  • 食料(すぐ食べられる系がいいけど、続くと飽きるので、ちょっとお楽しみ系があってもいいかも。)

  • ティッシュペーパー

  • キッチンペーパー(水が無い環境でとっても便利)

  • 着替え袋、ゴミ袋とかに使うビニール袋

【備品】

  • 工具類(十徳ナイフだけでも)

  • 水タンク

  • ガソリン入り携行缶

  • PC(記録、情報収集・発信のため、あるに越したことはない。)

  • モバイルバッテリーまたはポータブル電源

こんなところでしょうか。もちろん詳細は、受け入れ先組織にきちんと問い合わせて準備してください。


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