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円高トレンドへの移行がはじまりそうな予感

1ドル150円台を一時付け、出口が見えなかった円安であるが、徐々に終わりの兆しが見え始めた。

為替レートに影響を及ぼす指標である、雇用統計ならびに失業率が、11月3日にアメリカの10月の米労働省により発表された。

米国の雇用統計によれば、非農業雇用者数は予想の19万人から大きく下回り、15万人となった。 失業率は予想の3.8%から0.1ポイント上回り、3.9%となった。

これらの数字より、アメリカの経済が市場の予想よりも速いスピードで減速していることが示唆される。この結果をうけて、今後中央銀行が利上げから利下げへと転じる予測が高まった。

米国債の金利は10月31日には4.9%をつけていたが、11月3日現在、4.5%まで低下した。

さて、長期的に続いたアメリカの好景気を受け、日本は引き続き2%のインフレ目標達成のために、金融緩和政策を続けてきた。

政策金利はマイナスを維持しているうえに、日本の10年国債も1%未満の水準を維持している。

金利差がコロナ後に円安が拡大した大きな要因であると考えられている。アメリカと日本の金利が小さくなれば、近年の円安傾向は終わり、円高トレンドへと移行する可能性が高い。

そして今回の発表で、アメリカの雇用統計における就業者数が予想を下回ったことで、アメリカの景気が減速してきたという見方や、国債の金利の低下を受けて、円高が進行した。1日で150円台前半から149円台前半になった。

今後の見通しであるが、現在アメリカの政策金利は5.25%から5.5%の水準で設定されているが、2回連続で金利が据え置かれている。

FRBは今後も利上げを継続する可能性を排除してはいないものの、来年6月までに利下げを実施することが予想されている。


為替変動には様々な要素があるとはいうものの、全体的な印象としては、アメリカの経済の減速と、金利の低下により、円安トレンドは一旦落ち着き、円高トレンドへ移行していくという見方が強まった今回の発表ではないかと思う。

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