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【手羽先+(バナナ+中濃ソース+ニンニク+七味)=?】食の錬金術、サルベージ・パーティの思い出

手羽先+(バナナ+中濃ソース+ニンニク+七味)=

【問題】
あなたの手元にはこちらの食材と、基本的な調味料があります。
柔軟な発想でメニューを考えてみてください。

【解答例】
・手羽先のピリ辛マリネ焼
(手羽先、バナナ、中濃ソース、ニンニク、七味唐辛子)
・鯖缶とズッキーニ、大根のトマト味噌パスタ
(スパゲッティ、カットトマト、味噌、鯖缶、ズッキーニ、大根、小松菜、バジル、ニンニク)

頭を柔らかくして、目の前の食材と向き合う時間。廃棄処分になっていたかもしれない食材を、料理に昇華させて救い出す(サルベージ)のがこのイベント、サルベージ・パーティです。

サルベージ・パーティとは

僕の料理人としての活動の中で、一番好きなコンテンツ。

“サルベージ・パーティとは何なのか?
「サルベージ・パーティ」は、2013年にスタートしたクッキング型イベントです。略して「サルパ」と呼んでいます。

食べごろギリギリの野菜、海外土産の調味料、買いすぎた加工品など、“家でもてあましている食材” を持ち寄って、みんなで料理をつくります。具体的には、シェフがその場で考え調理した料理を、みんなでシェアする基本のスタイルのほか、参加者みんなで調理をすることもできます。”

それぞれの参加者が、家にある賞味期限が近くなった食材や、もらったけれど使い方がわからないお土産、そもそもなんて書いてあるかわからない海外の缶詰などを持ち寄ります。

そこに偶然集まった食材を見て、即興でレシピを組み立て、僕が作ったり、グループに分かれて協力して作ったりしながら、楽しくフードロスに向き合おう。というのがイベントの始まりでした。

SDGsの波に乗るまで

活動開始が2013年。10年前、「フードロス」という言葉を耳にする機会はほとんどなかったと思います。
国連がSDGs(持続可能な開発目標)として17項目を掲げたのは2018年。
そこから企業・自治体が取り組み始めたので、フードロスの熱が上がってきたのはここ4,5年の話ではないのでしょうか?

この時点で5年活動していたサルパは、2016年頃から、企業や行政と一緒にイベントを開く機会が増えていきました。

偉そうに書いていますが、僕はサルベージシェフとして料理を担当しているだけ。上のnoteを書いている、honshokuの平井さんとそのチームが企画・運営しています。


サルパの面白さ

どんな食材がくるかわからない

参加者はわざわざ何かを購入して持ち寄る、ということはありません。
家に眠っている食材が集まるので、僕が普段手にすることのないものも。
参加者は前日までに、冷蔵庫の中、乾物や缶詰の棚、お土産でもらったものなどを見直します。
そこから賞味期限が近いもの、自分では使えない・使い方がわからない、外国語で読めないお土産などを選び持ってきます。サルパは家の食材と向き合う時から始まります。

毎回変わる食材たち

参加者の年齢層、地域、時期によって、集まるものは傾向があります。
夏を過ぎればそうめん・ひやむぎ。
年明けの会では餅が。
地方に行けば「ウチで採れた野菜」が集まります。
ピーマンをカゴいっぱいに持ってくる人が4,5人いたことも。

脳の普段眠っている場所を活性化

イベント当日、受付が始まり目の前に並ぶ食材を見て、30分で多い時は10〜12品組み立てていきます。
料理人としての即興スキル。普段使わない脳の分野が活性化されている感覚になるんです。

こんなことを考えながらメニューを組み立てます

参加者が楽しそう

普段作ることのない料理に挑戦する時は、ワクワクと不安が入り混じっているのが伝わります。
特に地方だと、主婦歴40年以上のベテランの方々はレパートリーや調理法が型として出来上がっています。
そんな方々の殻をどう破るか。サルベージシェフの腕が試されます。

また、親子参加の会では、子どもが苦手な食材を自分で調理すると、美味しいと言って食べられるようになった、という光景を見ることもよくあります。

非日常の楽しさを日常の中で楽しむ

冒頭の手羽先はとある個人宅で撮影したもの。
家にある調味料と、近所のスーパーで買った見切り品を購入して作りました。

サルパが再始動します

ここまでお読みいただいた方は、かなり興味を持っていただけたと思います。

コロナ禍で中止を余儀なくされて約3年。いよいよ活動再開との連絡をもらい、喜びのままにつらつらと書いてしまいました。

気になる方は是非下記をチェックしてみてください。

僕からもお知らせするので、よろしければフォローも是非。

いつも通りの料理もいいですが、ちょっと背伸びをして楽しみながら挑戦してみませんか?


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