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【TCA第2講/広告】ロジックよりもマジックを!

昨日は「THE CREATIVE ACADEMY」の第2講を受けてきましたので
そこでの気付きや学びを綴ります。

今回の講師は電通の東畑さんで、テーマは「広告」でした。

東畑さんが過去に手掛けてきた、4つの広告に即して講義内容が展開されていきましたが
そのすべてに通底しているのが今回の主題である「more magic, less logic」でした。ロジックよりもマジックを。
そして、優れたアイデアには「!」と「♡」があること。

東畑さん曰く、良い広告は論理的であることに加えて、人の感情に届き揺さぶります。
脳科学的に言うと、人間の脳の外側で理性や論理を司っている「大脳新皮質」を通過して、脳の内側で感情を司っている「大脳辺縁系」にまで届くのが良い広告ということです。
逆に、ありきたりな広告は大脳新皮質止まりです。

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僕たち人間は感情で動くので、そこに働きかけるCMは強い。
確かに、自分が好きなCMを振り返ってみても、感情を揺さぶるようなエモいCMが多いように思います。

そんな講義内容の中でも特に印象に残った、「HONDA」と「JR九州」の事例をピックアップして、今回の主題について考えていきます。

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▼事例①:HONDA 『Go, Vantage Point.』
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1つ目は2017年に公開されたHONDAのCM。
CMのキャッチコピーは「自分を、もっともっと連れ出すんだ。」

↓これです。かっけー。

このCMのキャッチコピーである「自分を、もっともっと連れ出すんだ。」に至るにはどういう思考のプロセスがあったのか。
そして、どういった想いでこのCMは完成し、世間とのコミュニケーションに至ったのか。
この一連のプロセスはほんとに学びの宝庫でした。
鼻くそをほじりながらボケーっとこのCMを見ていた当時の僕を2.3発ぶん殴りたい。

まず、キャッチコピーの原則に「何を言うか、どう言うか」というものがあります。
このCMにおける「何を言うか」を考えるにあたって、東畑さんは「時代性と普遍性」からアプローチしていきました。

このCMが作られる2017年当時はトランプ元大統領が就任するかどうかという時期で、世間には「分断」というワードが蔓延っていました。
東畑さんは、その「分断」に着目しました。

スマホの中にはその人に最適化された情報しか並ばず、個人の考えは固定されて、それがさらに分断に拍車をかけます。

そんな世の中にこそ「こっち側を疑って、あっち側を想像する」ことが大事なんじゃないかと考えます。

そこで、車を「自分がまだ知らない世界や価値観に出会うための移動手段」という風に定義するわけです。
この移動は物理的であり精神的なものでもあります。

そして、そういったものがよく見える場所(=Vantage Point)へ行こう!というメッセージが生まれます。
「自分を、もっともっと連れ出すんだ。」



次にそれを「どう言うか」ですが、HONDAという企業がただただそのことを伝えるのはあまり効果的ではないと考えて
実際にそのメッセージを体現している人をキャストに起用しようとなりました。それがワンオクであり、庵野さんであるわけですね。

また、このCMに絡めて東畑さんが仰っていた「本当のことは、自分の身を晒してしか分からない」という言葉が印象的でした。

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▼事例②:JR九州『九州新幹線全線開通CM』
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そして、2つ目は2011年に公開されたJR九州のCM。
CMのキャッチコピーは「祝!九州」

↓これです。泣ける。

この事例の中で話されていた、「企画ではなくて、記憶を持ち寄る」という言葉が印象に残りました。

このCMの「沿線の人々がウェーブする様を新幹線の車窓内から撮影する」というアイデアは、クリエイティブメンバーの「好きなモノの記憶」から生まれたものでした。

それは、メンバーが昔見た写真集で、ジョン・F・ケネディの弟のロバート・F・ケネディが暗殺された際
その遺体を運ぶ列車から外の風景を撮影し続けたものでした。

↓これ。いい値段する。

こんな風に自分の「好き」は、そこにロジックが加わると人の心を動かすアイデアに昇華します。なので、常日頃から自分が感動したもモノやコトに意識を向けて、それを言語化する習慣を継続していきたいなと思いました。
それと同時に、まだ知らないモノやコトをどんどん自分の中にインストールして、感性をもっともっと研ぎ澄ませていきたいです。

そして、このCMは沿線住民を含めた多くの人の力によって完成しました。
色んな人が本気で作ったからこそ、制作の現場にどこか祝祭的な雰囲気が漂い、それが人々の「本物の笑顔」を引き出しています。
その笑顔があるからこそ、僕はこのCMに心揺さぶられたんだと思いました。

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▼最後に・・・
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「一人じゃできないことをやってのけれるのが仕事」
東畑さんは講義終盤にこうも言っていました。

そして、このことは中島みゆきさんの「糸」で表現されていると。

縦の糸はあなた
横の糸は私
織りなす布は
いつか誰かを
暖めうるかも知れない

僕も近い将来、コピーライターとして
この人たちには敵わねぇや!ってリスペクトできる人たちと一緒に
どこかの誰かの心を揺さぶる、そんなエモくてアツい広告制作に携わりたいな、と強く思いました。

最後までお読み頂きありがとうございました!

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▼おまけ
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おまけとして僕が個人的に好きなCMをいくつか貼っておきます。
どれも理屈を超えて心を揺さぶられる素敵なCMです。

↓民放連:CMのCMキャンペーン『キミをふりむかせたい』

↓大塚製薬:ポカリスエット『Jump』

↓ANA:マッタリーナホッコリーナOKINAWA『いい冬だな』

#毎日note #日記 #広告 #クリエイティブ

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