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【TCA第7講/企画】梅雨寒に 学ぶ企画に 素数あり

今回の内容は、先日受講したTCA第7講の備忘録です。
講義のテーマは「企画」。
講師は毎日放送のプロデューサーであり、「プレバト!!」や「日曜日の初耳学」の企画を担当された、水野雅之さんでした。

個人的にもめちゃくちゃ楽しみな回。その濃密な講義内容に、外発的な「学び」と内発的な「気付き」の連続だったので、僕の脳みそもご満悦。

で、講義の流れとしては主要な6つのトピックスを、下記の流れで進んでいきました。

①良い企画を知る
②企画会議への下準備
③企画の作り方
④企画を通す
⑤企画をヒットさせる
⑥企画したコンテンツの習慣化

今回はその中でも、②③④の内容をメインにまとめていきます。

そして、まずは、自分自身ハッとさせられた、講義冒頭の部分についてみていきます。

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結論から書きますと、水野さん曰く、良い企画とは「論理的に練りつくして、感情を動かす起爆剤になるもの」でした。

そんな「企画」を取り巻く現状としては、プラットフォームの多様化により、企画のボーダレス化が加速しているというものがあります。
僕自身の肌感としても、メディアを横断した企画はここ数年ですっごく増えたなぁと思います。

そんな複雑でハイスピードな今こそ、自分は「何をやりたいか?」あるいは「何になりたいか?」というクリエイティブに携わる上での根っこの部分が問われており、そこに確固たる答えがあるか否か、が大切です。

で、所謂「凡人」に分類される人は、その答えが往々にして「名詞」であると学びました。
これには正直、「うっ・・・!」となりました。

というのも僕自身、両腕にギュッと抱えていた、「何になりたいか?」の問いに対する答えは、「コピーライターになりたい」であり、それはしっかり名詞でした。
もちろん、「なぜなりたいのか?」という理由は明確に言語化できています。しかし、より大切なのは「それになって何を成し遂げたいか?」の部分であり、それについては今一度、熟考しようと思いました。

確かに、仕事とか職種はあくまでも「乗り物」であり、それに乗ってどこへ行きたいか?とかどんな景色を見たいか?が大事ですよね。
講義冒頭でいきなりド級の気付きを得ることができました。ハイカロリー。

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企画会議への下準備

水野さん曰く、企画会議とはマウンティングの場です。
もう少し具体的に言うと、企画会議においては、総合力の高い人が勝ちます。この総合力とは、ひらめき、読書、人付き合い、街ぶら、ネット情報、映画、失敗の経験、等々・・・。

ちなみに僕は筋金入りの街ぶらホリックです。子供の頃はチャリンコで知らない街に行っては、ニヤニヤしながら練り歩き、大人になってからもインドの路地裏などを練り歩いてニヤニヤしている始末。
でも、こういう意味のなさそうな癖が仕事に活きてくるんだから最高です。
#ニヤニヤはしなくていい

つまり、日頃から色んなインプットを大量に行うことが超大切というわけです。が、ただインプットするだけではもちろんダメで、インプットによる自分の総合力から、最適な要素を抽出する必要があります。

より具体的に言うと、「インプット」と「容量」と「抽出」が大切。

この「容量」が意外と見過ごされてるよね、という話が講義中に上がっていました。
自戒も込めてですが、けっこうみんな「何からインプットすればいいのか?」とか「どういう方法でインプットすればいいのか?」というソフトウェア的な話ばかりしがちです。ですが、それらのインストール先である自分というハードウェア的な話があまりできていない。
つまり、アプリのアップデートは後でいいから、まずはOSのアップデートをしようぜって話です。耳が痛い。

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企画の作り方

次に企画の作り方についてみていきます。
このトピックスの冒頭では、中々刺激的な事実が提示されました。

クリエイティブの場には
95%の「凡人」と5%の「才能アリ」がいる。

これは是非とも5%に入りたい・・・!
では、両者にはどういった違いがあるのでしょうか。

その違いとは、企画の考え方が、「演繹的であるか、帰納的であるか」です。凡人は企画を演繹的に考えます。これは、フレームありきで、そこから要素を詰めていくイメージ。しかし、才能アリな人は企画を帰納的に考えます。こちらは、いくつかの要素から、大枠のフレームへと展開させていくイメージ。

つまり言い換えると、凡人の思考のベクトルは「抽象→具体」で、才能アリな人の思考のベクトルは「具体→抽象」となります。真逆ですね。

よって、企画を作る順番は、「帰納(=具体)→フレーム→演繹(=抽象)」が理想的です。

また他には、より具体的な方法論として、「意外なものをかけ合わせて企画を生み出す」と学びました。この時、コントラストの強いものをかけ合わせるとより効果的です。
テレビ番組の例で言うと、林修先生の「日曜日の初耳学」とか「マツコの知らない世界」とかが分かりやすいです。
林先生もマツコさんも博識で何でも知ってるイメージですが、そこにあえて2人の「知らないもの」をぶつけることでコントラストを生み出し、人気の企画へと昇華させています。

また、その「かけ合わせ」に関連して、「企画は3つの要素をかけ合わせると特色が出てくる」とも学びました。
これは「アメトーーク!」の例が分かりやすいです。この番組は「芸人×ひな壇×くくり」という3要素のかけ合わせによって、その特色が遺憾なく発揮されています。大好きです。

そして、かけ合わせる「要素」について、そのそれぞれが「素数でなければならない」というのは目から鱗でした。
素数であるとはつまり、それ以上分割できない、普遍的で本質的なモノであるということ。
なので、「かけ合わせた要素は全て本質的なものか?」と自分に問いかけるクセをつけようと思いました。

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企画を通す

では最後に、作った企画を通すことについてみていきます。
ここでは、企画書にオリジナリティって必要だっけ?という文脈から、企画書の目的について掘り下げていきます。

企画書の目的をどう捉えているか?

ここにも凡人と才能アリな人との間には違いがあります。
その違いとは、「凡人はオリジナリティが目的であり、才能アリな人は多くの人を楽しませるのが目的である」というものです。
つまり、凡人は手段が目的化してしまっているわけです。

これについて、講義の中で挙げられていた例に膝を打ったのでご紹介します。野球におけるバッティングフォームの話です。

野球のバッティングフォームって、選手によって違いはあれど、大まかな「型」みたいなものはありますよね。
そして、その選手ごとの違いは微々たるものなんですが、それでも十分その選手のオリジナリティになっています。細かすぎて伝わらないモノマネ選手権でしっかり再現される、その微差に笑えるほどに。大好きです。
ですが、そこで逆立ちして打とうとする、みたいなオリジナリティの出し方をしちゃうと、それはもうヒットやホームランを打つという結果をみておらず、ただオリジナリティを出すことが目的となってしまっている。こういう風に手段が目的化してしまうのが凡人というわけです。

なので、明確な目的を持ったうえで、そこに向かうエンパワーの手段としてオリジナリティを機能させるのが大事なんですね。

じゃあ、自分なりにオリジナリティのある企画を通したとしましょう。
ですが、往々にして似たような企画というのが他から出てきます。
この場合、クリエイティブの世界では「No.1以外は類似コンテンツに成り下がる」という極めてマッチョな現実があります。殺るか殺られるかです。

この戦いを勝ち抜くためにやりがちなのが、「できる+やりたい」をまずやる、ということです。自分が得意かつ自分のやりたいことで勝とうとする。

しかし、講義では「できる+やりたくない」をまずやってみた方がいいかもね、と主張されていました。
というのも、往々にして現状の「やりたいこと」は自分の限りある知識の中から生まれた感情であり、知らないことに関しては「やりたい」とは思えません。
なので、まずは「できる+やりたくない」をやってみて、自分の視野を広げてみて、今まで気付かずにいた自分の欲望を探しに行くことが後々大きな財産になるんだなぁと思いました。

実際水野さんも、「プレバト!!」で、特に俳句の企画をやりたかったわけではないけど、ロジックに沿ってやってみたら、それが思わぬヒットとなったみたいな話もされていました。

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というわけで

水野さんによる「企画」の講義内容を編集してまとめました。

今回の内容を受けて、初回の講義でGOの三浦さんが仰っていた「アイデアは体質で、企画は技術」という言葉をより腹落ちさせることができました。

やはり企画にはその核となるアイデアが不可欠。そして、そのアイデアは一朝一夕に生まれるものではなく、日頃のインプットも不可欠。
それに加えて、インプット先である自分というOSのアップデートと、獲得したインプットを適切に抽出する審美眼の醸成がこれまた不可欠。
#不可欠春のパン祭り

そんな中で生まれたアイデアを、人々の感情を動かす企画へ昇華させるために、今回学んだ種々のロジックを現場で試行錯誤して体得していきたいです。

最後までお読み頂きありがとうございました!

#広告 #クリエイティブ #企画

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