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「愛されたい」と願う、元少年・少女へ。

「愛されたい」というきもちは、「愛されなかった痛み」が、そのまま真っ黒なアザになってできている。

「あのとき、誰かに愛されてさえいれば...」というきもちほど、アトに残るものはない。そして、オトナになっても、それを追いかけ続けて、またアザを増やしてしまうひとが沢山いる。

そして、残酷なことに、アザだらけのひとは愛されづらい。

アザのないひとが、アザのないひと同士で愛し合うのが「ふつう」だ。

だから、愛されなかった、アザのあるひとは「ふつう」に憧れる。でも、皮肉にも、ひとは憧れたものから、どんどん遠ざかってしまう。あなたが憧れるのは、あなたと違うものだからだ。

だから、アザのあるひとは、オトナになるにつれ、「アザだらけ」で「ふつうから程遠く」「もっともっと、愛に憧れる」ような存在になっていく。そして、その傾向は加速していく。

「愛される」とは、なんだろう?


こどものとき、「愛されていない」と思ったのは、どんなときだろう?

オトナになって、「愛されていない」と思ったのは、相手のどんな仕草からだろう?

ぼくはこれを「わたしの話は、聞いてもらえない」という体験だと思う。愛されるとは、わたしの話を聞いてもらえることだ。


自己肯定感がない。

よく「わたしは自信がない」という意味で、オトナの間で使われる言葉だ。じぶんのことを肯定できない、愛せない。だから、だれかに愛されなくてはいけない。そういう「アザだらけのオトナ」が増えている。

それは「愛される」という体験が、つまり「わたしの話を聞いてもらえる」という体験が、不足してきたからなんだと思う。多くのひとが「わたしの話を聞いてもらう」ために生きている、と言ってもいい。

「愛されなかった」というアザが、「わたしの話を聞いてもらう」という体験に執着させる。それは、夜の街で、いい歳をしたおじさんが、「わたしの話を聞いてくれるお姉さん」に、マズくて高価なお酒を、まるで水のように振る舞う映像からも理解できると思う。それだけ、ひとは愛に飢えているのだ。

つまりきっと、愛されたいひとは「わたしの話を聞いてもらえなかった」ひとだ。そのアザは、「わたしの話を聞いてもらえなかった」という体験のスタンプラリーだ。

だれが「愛さないオトナ」になるのか?

いつからか、オトナはすごく忙しくなった。だから、「わたしの話を聞いてくれるオトナ」も、少なくなっている。

そして、アザのある少年・少女は増えた。いまも増えている。そして彼らが、「愛されることに忙しいオトナ」に成長する。どうしてオトナは話を聞いてくれないんだ、と思って育った少年・少女もまた、話を聞かない、いや、聞いてもらうことに必死で、聞く余裕なんてないオトナに成長する。あなたが憎んだ「アザだらけのオトナ」に、あなたがなるのだ。いつか憎んだ「すべてを喰らう巨人」のような存在に、あなた自身が、なるのだ。


これからの社会は?

「愛されることに忙しくて、愛す余裕のないオトナ」が溢れるのが、いまの社会だ。みんな、元々はアザのある少年・少女だ。

これから、どんどん愛されるのが難しい社会になっていくと思う。みんなが「愛されたい」と思い、そして「わたしの話を聞いてもらいたい」と思う。話したいひとが多くなりすぎて、聞くひとが足りないからだ。

「わたしの話を聞いてもらえる」のは、どんどん貴重になる。キャバクラに行って大金を払っても、どこか心の底では「聞いてもらえていない」「結局、わたしは孤独だ」というきもちに襲われてしまう。わたしの話を聞いてもらうのは、とても難しい。みんな、わたしの話を聞いてほしい。

だから、これからは「わたしの話」を聞ける人が活躍すると思う。そして、僕にはそれができる。これまで4000人に奢られて、興味津々に「わたしの話」を聞いてきた。

また、生配信でも、たくさんの「わたしの話」をリスナーから聞いてきた。

今後も、そうしていくと思う。そして、この「わたしの話を聞く」活動は、より社会的に価値を持ったものになっていくんだろうし、また、こうした活動をする人が、もっと増えていくんだと思う。

あなたは「わたしの話を聞いてくれる人」になることができますか?あなたは、あなたの「アザ」を克服することができますか?愛されなかった少年・少女から、愛すことができるオトナになれますか?

「わたしの話を聞いてくれる人」に出会うことで、あなたもきっと「アザの痛み」から抜け出せると思います。だれが「アザだらけのあなた」の話を聞いてくれるでしょうか。それは、きっとあなたのいちばん近くにいる人、そう、あなた自身ですよ。

大勢のひとが褒め称えたり、憧れたりする人生というのは、無限のグラデーションの中に存在する人生の在り方のひとつにすぎない。

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