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転がる瓶のように

夜道、何かに足を取られて転びそうになる。
よく見たら割れた瓶が転がっていて、どうやらこれを踏んだらしい。

とりあえず、道路の端に置いておく。片すほどの男気はないけれど、誰かが踏んで転ぶことのない様に、と。

瓶を捨てた人に怒りを向けるならば、瓶を片すことにカロリーを消費したい。解決策としては消極的だけど。

ところで、最近のSNSは大勢の人が怒っていて、不謹慎だけど少し辟易する。震災への対応不足や不手際、政界の裏金疑惑、ダウンタウンの松ちゃんのこと、諸々と。

「怒る」ことも対話の一つだし、コミニュケーションの一要素だとも思う。それが社会を変化させることが往々にしてあることも知っている。
でも、よくよく考えてみれば、カタストロフィを言語化する術は他にもあるんじゃない?

少なくとも、この瓶を捨てた人に怒りをぶつけたところで、僕の頭の中の「次の人が転ぶかも」という不安は消えたりしない。

だから、その怒りをもって社会を変えたいと願うのならば、怒りではなく、別の行動にカロリーを費やしてみなよと、転びかけた冬の夜道で顔もわからないSNSの皆々に向けて、ふと想った。

今日はやけに冷える。初雪が降るという話もある。こりゃあ歩いて帰るのはやめだ、電車で帰ろうとか考えてたら、何となく年の瀬の気分が蘇り、不思議と笑けてくる。

しかし、殺伐としたXのタイムラインを埋める、顔も人も大して知らぬ方々の、怒り、怒り、怒り。

独りぼっちで帰るあてすらなく、知り合いすらいない。どんな気分だい?なんてね😑

〆はディランではなく、昨年のAwichのアルバム「THE UNION」収録曲「Burn Down」。
このアルバムの特に後半5曲の展開が最高。YZERRの悪魔の囁きによって自身を見失った「Queendom」の500倍はかっこいい。

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