セカンドハーフ通信 第68話 小布施ワイナリー

小布施ワイナリー

長野県にはたくさんのワイナリーが点在する。標高が比較的高いので気温の寒暖差があり、気候条件もワイン栽培には適している。本場ヨーロッパにならい、高級ワイン品種であるカベルネソビニオンやメルロー、シャルドネといったものを作っている。

ただ、外国産の同等レベルのワインと比べるとやはり割高な印象を受ける。なんとか国産ワインに頑張ってもらいたいと思うが、世界を相手に競うのは簡単ではない。

ワイン製造はデリケートな仕事で、日本人に向いていると思う。それを裏付けるかのように、最近は国産ワインの品質が急速に向上しているといわれ、日本人醸造家の海外での活躍も聞くようになった。

ただワイン製造に適する欧州系のぶどうの栽培はまだ歴史が浅く、本場ヨーロッパや南米、北米、オセアニアなどにはまだまだ及ばない。原材料であるぶとうの絶対量が少ないため、ワイン価格は割高になる。価格で競争するよりも「日本らしい付加価値のあるワイン」を作ることが求められている。

小布施町に小布施ワイナリーという小さなワイナリーがある。小布施ワイナリーは、経営者の企業理念や生産に対する考え方がユニークで、今までの国内ワイナリーとは一線を画する。

例えば自社製のぶどうにこだわり、今もこつこつと畑を開墾をしている。それらをブルゴーニュのワイン畑のように区画に細かくわけ、単一畑のワインを醸造している。

また、マスメディアの取材は受け付けず、各種品評会にも参加しない。周囲の喧騒に踊らされず、長い目で自分の満足のいくワインを作ろうとしているのだろう。最近は減産を宣言をし、より高品質なものを目指そうとしている。

いくつかのワインを味わったが、その味はとても複雑、かつ繊細なものが多く、独自の世界観をもっている。このワイナリーは、これからもどんどんよくなっていくと思う。

長い目で見ると、日本のワインは少量で高品質なワインを自分のオリジナリティを出して作っていく「小布施ワイナリースタイル」が良いと思う。これからも応援していきたい。



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