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ストリートスナップに最適なレンズの選び方とおすすめの単焦点レンズ3選【作例とともに解説】

ライフワークの一部として、ストリートスナップを撮り続けています。
今までいろんなカメラやレンズを使って撮影をしてきましたが、ここ数年はSONYのミラーレス一眼をメイン機として使ってきました。

ここ一年ぐらいのストリートスナップは、RICOHのGRで撮ることが圧倒的に多いのですが、元々は一眼で撮影するのが好きです。特にズームの効かない単焦点レンズを一本だけ持ち出して撮ることが多いです。

レンズもカメラもツールでしかないので、どのレンズを使うかが写真の本質だとは思いません。
それでも長らく写真をやっていて思うのは、使っていて心地いい道具は確実にあるということです。
機能的なニーズを満たすボディや、愛着の湧くデザインのレンズはついつい無意識に持ち出してしまいますし、使っていると楽しい気分になります。道具のせいで写真を最大限楽しむことができないのは、もったいないなと思うのです。

今回は、僕が思うストリートスナップに最適なレンズの選び方と、SONY Eマウント用単焦点レンズのおすすめを三本、作例付きで紹介しようと思います。
あくまで僕の基準とおすすめレンズの紹介ですが、何かのヒントになれば嬉しいです。

ストリートスナップに使用するレンズの選び方

レンズを紹介する前に、まずは僕がストリートスナップを撮るためのレンズを選ぶ基準について解説します。
風景やポートレイトとなるとまた別の基準がありますが、個人的にストリートスナップを撮るためのレンズを選ぶ基準は三つあります。

1. 小さくて軽い

一つ目の基準は小さくて軽いこと。これはめちゃくちゃ大事です。

ストリートスナップをやっていると、やはりすぐにタイミングを逃さずに撮りたい場面が多いです。そのため基本的に常にカメラを右手に持ち、すぐに撮影できるような状態にしていることが大事だと思います。

その際に重いレンズだと手で持ち続けるのが疲れる上に、取り回しが遅くなって機動力が下がるので、軽くて小さいのはマスト条件です。これはズームレンズではなく単焦点レンズをおすすめする理由でもあります。

また、特に海外とかで撮影するときは、大きいレンズは周りの注目を集めてしまい自然な写真を撮ることができなくなってしまうことも多いです。そのため小さくて目立たないレンズを使うのは重要だと思います。

2. 描写力がそこそこ高い

二つ目の基準は、描写力が最高とは言わなくてもそこそこあることです。

最近は描写力が良いコンデジもたくさんあるので僕もよく使っていますが、やはり一眼レフやミラーレス一眼と比べると表現の幅は狭まります。特にダイナミックレンジの差は未だに大きいと感じます。
どうせ大きなカメラを持ち出すなら、描写力も良いレンズを使いたいと思いますよね。

性能が良いとされているSONYのG Masterレンズなどには高い描写力のレンズが多いのは確かですが、レンズ自体が重たいことが多いため、選択の際には注意が必要です。
描写力も求めつつ、そのせいで機動力や携帯性を犠牲にしないレンズを選ぶことが必要だと個人的には思います。

3. AFが速くて正確

三つ目の基準は、オートフォーカスのスピードが速く正確であることです。

ストリートスナップは一瞬のタイミングを逃さないことがモノを言う場面が多いので、撮影の際にすぐに被写体にピントを合わせる必要があります。
マニュアルフォーカスであわせても良いですが、難しい上に成功確率も下がるため、高い精度と速さのオートフォーカス性能を持ったレンズを選ぶことはとても大事だと思います。

オートフォーカスが飛び抜けて速いレンズを選ぶ必要はないと思いますが、ある程度速い方が撮影できる写真の幅も広がります。
そのため、ピント合わせがあまりにも遅いレンズや迷いやすいレンズはあまりおすすめできないと思います。

ストリートスナップにおすすめの単焦点レンズ

1. 中望遠レンズ:FE 85mm f/1.8 / SEL85F18

まず一つ目におすすめしたいのは、85mm f1.8の無印の単焦点レンズです。
85mmという焦点距離はストリートスナップにかなりおすすめだと思っていて、僕が個人的に一番好きでよく使ってきたレンズです。
少し圧縮された感じの絵づくりになるので、写真に迫力と雰囲気が出やすいんですよね。

もっと望遠域のレンズを使うとより圧縮効果は出るのですが、85mmより大きい焦点距離のレンズはレンズ自体が物理的に大きくなりがちで、軽さや携帯性を犠牲にしてしまうことが多いです。
またSONYからは85mmの焦点距離で、f値が1.4のより明るく描写力も高いG Masterレンズも展開されていますが、そのレンズは一回り以上大きい上に重くて携帯性が悪いです。
そのため持ち歩くこと自体がしんどくなってきて、ストリートスナップの楽しみが個人的に減る気がします。

このf1.8のレンズはSONYの無印レンズの中でも描写力が高いと思いますし、何より371gと軽いのでいつも持ち出したくなります。

85mmレンズの作例

85mmの焦点距離のレンズで撮影したことで、圧縮効果が出て被写体にフォーカスが当たりやすくなりました。暗い場所から明るい場所を撮影し、さらに近くにのれんを入れたことで遠近感が出たため、没入感を感じられる写真だと思います。
85mmレンズは遠くから風景を切り取ることで、このような海の立体感やリアルさを出しやすいです。少し遠くをぼーっと眺めているような感じの写真になりました。中望遠レンズだとメインの被写体にもフォーカスを当てやすいので、この写真のような構図もおすすめです。
85mmレンズを使うと、いろんな要素を一つの写真の中にギュッと詰め込んだ写真もバランス良く撮りやすい気がします。この写真は少し色づいた空と雲・ビルがある無駄な余白がない風景の中で、手前の歩いている人の存在感も出るように撮影しました。額縁に入れた絵のような雰囲気が出た気がします。

2. 標準レンズ:FE 55mm F1.8 ZA / SEL55F18Z Sonnar T*

二つ目におすすめするのは、55mm f1.8のSonnarです。
55mmの焦点距離は若干望遠気味ですが、標準域の焦点距離なので汎用性が高く、かなり使いやすいレンズだと思います。

なんと言ってもこのレンズのメリットは軽くて小さいことです。
281gと、300gを切るほどの軽さなので、持ち歩くときに全くストレスが無く常にカメラを手に持ったまま歩くことができます。

小さいのに写りはすごく良く、撮影した写真の色味やボケの雰囲気にZeissレンズならではの癖が若干あり、それが良い味を出すんですよね。
最近は高性能なレンズがたくさんあり、それらも良いと思うのですが、そんな中でこのレンズのような個性的なレンズは個人的に使いたくなります。
またオートフォーカスが早く精度も良いので、とっさに何か撮影するときにもワークします。

55mmのレンズは、85mmのレンズよりも自分の目で見たような雰囲気を出しやすいので、より自然な印象の写真を撮ることができると思います。
最短撮影距離がちょっと長めなので、あまり被写体に寄れないのがデメリットではありますが、少し離れて俯瞰したような構図の写真を撮りたいときには特に重宝するレンズです。

55mmレンズの作例

この写真はかなり暗いシチュエーションで撮影しましたが、ある程度シャッタースピードを早くしたかったのでiso感度を上げたらノイズが多めになってしまいました。でも個人的には逆にそれが味になっていると思うので好きです。55mmの焦点距離のレンズは目で見た感じに近い画角の写真を撮影することができるので、現場感がリアルに伝わる写真だと個人的には思います。
この写真は夜に撮影したのですが、背景の解像度も上げたかったため、f値を少し高くしiso感度を上げて撮影しました。少し絞ったことで、背景の水の質感や写真の端っこの玉ボケもあまり歪むことなくきれいに表現できたと思います。55mm Sonnarのレンズは開放で撮りすぎると玉ボケが少し歪むことが多いです。それも雰囲気があって僕は好きなので開放で撮ることも多いのですが、ちょっと絞って撮影すると写真の印象がかなり変わって面白いです。
この写真は西日の時間帯に逆光で撮影しました。本当になんでもない景色を撮っただけなのですが、色味やボケの感じが個人的に好みです。55mm Sonnarは光が柔らかく表現できるレンズだと思うので、光の強い時間帯に撮影すると面白いかもしれないです。

3. 広角レンズ:FE 24mm F1.4 GM / SEL24F14GM

三つ目におすすめするのは、24mm f1.4のG Masterレンズです。
普通ストリートスナップと言えば、広角レンズよりも標準域に近い35mmの焦点距離の方がいいんじゃないの?と思う人もいるかも知れませんが、広角レンズを持っていると、ここぞというときにおもしろい写真を撮ることができます。

この24mmの広角レンズはf値が小さくて明るいレンズなので、風景や星空の写真を撮影するには申し分ないレンズです。でもそれだけではなく、最短撮影距離が短くて被写体に寄れるレンズなので、撮影方法次第で迫力ある写真が撮れます。

広角レンズを使うと背景も画角に収まるので、シチュエーションや現場の空気感をリアルに伝えることができます。そういった情報は、標準域や望遠域のレンズだけを使っていてもなかなか伝えづらいと思うので、広角レンズはごまかしがあまり効かないレンズですが、その分撮りがいがあっておもしろいなと思います。

ただ24mmは、日常的に使うにはやはり画角が広すぎて何が主題かがわかりにくくなりがちなので、ちょっと扱いが難しい焦点距離だと思います。
そのため撮りたい写真をある程度具体的にイメージしてから使うと、いい感じに撮影ができるんじゃないかなと思います。

24mmレンズの作例

この写真は外国の道端で適当に撮りました。こんな感じで被写体に近寄って撮影すると、後ろの風景も入れつつ手前の被写体も迫力ある感じで撮影ができます。まさにストリートスナップっぽい写真で良いですよね。
この写真も外国で撮影しました。24mmの焦点距離のレンズは、風景の全体像をきちんと捉えることができるので、被写体の状況が正確に伝わる写真を撮ることができます。下手すると何の面白みもない写真になってしまうので注意が必要ですが、ストリートスナップにおいては写真から感じられる現場感は重要な要素だと思うので、難しさも含めて24mmは個人的に面白い焦点距離だと思います。
この写真も24mmで撮りました。被写体に近い位置から画角を最大限に使って撮影することで、広角レンズならではの迫力ある写真が撮れました。広角レンズを使ってインパクトのある写真を撮るためには、やはり被写体に一歩近づいて踏み込んだ撮影をすることが必要なので、そのあたりがいろんな意味で難易度高めですが、面白いポイントでもあると思います。

まとめ

そんな感じで、今回はストリートスナップにおすすめの単焦点レンズについて紹介しました!

最近はコンパクトデジタルカメラばかり使っていましたが、今年はミラーレス一眼と単焦点レンズを使ったストリートスナップももっと積極的に撮影したいと思い、このような記事を書いてみました。
一応、細々とストリートスナップのInstagramもやっているので、興味がありましたら下記リンク先の写真も参考にしてみてください。

▼ストリートスナップのInstagram
https://www.instagram.com/taichiaugust/

良いストリートフォトグラフィーライフを!

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