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ストリートスナップを魅力的に撮るための9つのアイデア【作例とともに解説】

こんにちは。
今回は、ストリートフォトグラフィーの撮影方法に関するアイデアを紹介しようと思います。

僕は街中で撮影する写真が好きなのですが、ストリートスナップが特に好きで、いつもカメラを持ち歩いて街中でシャッターチャンスを探しています。

ストリートスナップは、同じ写真は二度と撮れません。つまりタイミングや偶然性などがすごく大きな要素になってくるので、自分が見た景色や過ごした時間の記録にもなりますし、そこに写真が上手い下手などの優劣があまりない気がするんですよね。

しかも特別な場所に行かなくても、何気ない近所の風景がすごく魅力的な瞬間になったりすることがあるので、誰でも工夫次第で魅力的な写真が撮れ、クリエイティビティが発揮されるような感じがするのもすごく好きな理由です。

今回は、僕がストリートスナップを撮るときに普段からよく取り入れている、魅力的な写真を撮るための方法やアイデアを作例とともに紹介しようと思います。

待つ

1つ目の撮影方法のアイデアは待つということです。待つというのは、時間が来るのを待ったり、人が来るのを待ったり、何かが起こるのを待ったりと様々なのですが、自分がイメージする瞬間が訪れたり、なにか面白いシチュエーションが起きるのを待つということです。

ストリートスナップと聞くと、街を常に練り歩いてその中で気になった瞬間を写真に収めるというイメージをする人も多いと思いますし、実際そういった面があると思います。

ただ実際やってみると、なかなか思い通りのシチュエーションが偶然訪れることはなかなかないですし、良い写真もそんなに撮れないものなんですよね。

なので、自分の中でいいなと思う状況や場面をイメージしておいて、その場所でタイミングを待って、例えば人が訪れたり、いい感じの陽が差し込んだりするのをひたすら待つということが重要になってきます。

京都の西陣地区の民家が並ぶストリートの写真。 ただ町並みを撮るだけだとつまらないなと感じたので、誰かが通るのをしばらく待っていたら、地元の方が自転車で走ってきたので撮影しました。被写体の真ん中に自転車が走っていると、写真自体の主題がはっきりして良いと思いました。
モロッコのエッサウィラという街のストリートで撮った写真。 良い路地を見つけたので、良い写真が撮れないかなと考えながらずっと待っていたときに、車と自転車がすれ違いそうなタイミングがあったので、その瞬間を逃さずに撮影しました。若干人に対してピントが甘いですが、それも味があっていいかなと思っています。

見下ろす

2つ目のアイデアは高い場所から見下ろしてみることです。

同じ高さの場所にいると魅力に気づかなかったような場所でも、高いところから俯瞰してみることで、面白い写真が撮れることが多いです。

高いところからだと見下ろしている場所の全体像がわかるので、新しい気づきがあります。近くに展望台や歩道橋やビルなどの高い場所があったら上ってみると面白い写真が撮れるかもしれないです。

この写真は撮影スポットとしても有名な大阪の梅田の歩道橋です。 この場所では、信号が変わった瞬間に信号待ちしていた人たちが一気に歩いていくのですが、雨の日に撮影すると大量の傘が移動していく様子を上から見ることができるので、迫力があって面白いと思います。
京都の鴨川を少し高い場所から眺めた写真です。 高いところから少し離れて、二人で歩いているのを見ていると、何となく遠くから見守っているような少しだけノスタルジックな気分になります。シンプルな風景の中で高いところから見下ろして撮影したことで主題がはっきりし、コンセプトがわかりやすい写真になりました。

見上げる

3つ目のアイデアは逆に見上げてみることです。

特に都会のビルの間や大きな建物の近くで上を見上げてみると、すごく迫力のある写真が撮れることがあります。電線などが密集している場所なども見上げて撮影してみると面白いかもしれないですね。

特に建築物などの写真を撮影するときは意識してみると面白いと思います。

インドのバラナシで撮影した写真です。 バラナシは道が迷路みたいになっているので、確かこのとき私は迷子になっていました。そのときにふと空を見たら建物の圧迫感が迫力あるなと思ったので撮影した写真です。狭い路地で高い建物を見上げると、光の差し込み具合もドラマチックに表現できる気がします。
京都の先斗町の路地で見上げた写真です。朝方の暗いダークグレーの空に、提灯のオレンジ色が映える写真になりました。電線の質感や屋根の前ボケなどがいい感じの質感を演出しています。

リフレクション

4つ目のアイデアは反射、リフレクションです。

雨上がりの水たまりや池などに映った景色を撮影すると、幻想的で美しい写真になります。普通に景色を見るよりも、反射している景色を見ると上下もしくは左右が反転していたりすることもあり、不思議で魅力的に映りますよね。

他には光沢のあるテーブルや車のボンネット、町中にある大きなガラス窓などもリフレクションを意識して撮影してみると面白い写真になります。

この写真は冬の京都の哲学の道沿いの水路です。 水路の両脇に木が植えられているので、桜や紅葉の季節に撮影したら華やかだったと思いますが、これはこれで空の青さがシンプルに際立ってきれいだと思います。普通に撮影したら葉っぱも散っていて味気ない景色だと思いますが、リフレクションを取り入れて撮影するとまた違った魅力が出ますよね。
ストリートというよりもカフェで撮影した写真。 コーヒーを淹れてくれているバリスタの目の前にガラスのテーブルがあったので、テーブル越しの姿も淹れたら面白いかもと思ってこんな感じで撮影しました。リフレクションポイントはいろんなところにあると思うので、意識的に探してみると面白いかもしれないですね。

規則性を見つける

5つ目のアイデアは規則性を見つけてみることです。

規則性とは、物の配置や色のパターンなどが一定のルールに従って並んでいる景色を見つけることなのですが、街中を歩いているといろんな物が規則的に並んでいます。

カフェのテーブルや、家具などの商品が並んでいる様子などは切り取り方次第では面白い写真になります。

規則的なパターンを一度見つけると次から次へとパターンを探したくなるので、楽しいです。

これは街を歩いているときに撮影した何気ないカフェの椅子とテーブルの写真です。 テーブルと椅子があるだけで、人も料理も映っていないという本当にシンプルな景色ですが、赤と青のコントラストがきれいで、交互に並んでいるのが規則的で面白いと思って撮影しました。
海外の海辺で撮影した船の写真です。 同じような船がいくつも連なっていたので、中望遠レンズを使ったら圧縮感のある写真が撮れそうと思ってシャッターを押しました。同じ物がいくつも規則的に並んでいると興味を引きます。

影を追いかける

6つ目のアイデアは影を追ってみることです。

朝や午後の影が長く出る時間帯に逆光で撮影をしてみると、すごくかっこいい写真を撮ることができます。
光と影のコントラストの高い写真を撮ることができるので、ドラマチックな雰囲気でエモーショナルな、どこか感性に訴えかける写真を撮ることができると思います。

影のある時間帯に高いところから撮影したマラケシュの町並み。 この写真は高いところから撮影しただけでなく、さらに午後の影が長く出る時間帯に撮影したので、ドラマチックな感じの写真になっています。影のある写真は逆光で撮影するのが個人的にはおすすめです。
ありふれたような道端のカフェスペースで撮影した写真。影が主題の写真になっています。 おそらくこの風景を曇りの日に撮影しても味気ない写真になると思いますが、影があることでコントラストも出て面白みが出ていると思います。

ローアングル

7つ目のアイデアはローアングルで撮影することです。ローアングルとは、地面スレスレの低い位置でカメラを構えて撮影することです。

ローアングルで撮影すると、地面の臨場感が出て迫力ある写真になることが多いのですが、それだけではなくローアングルで撮ると視点が変わって、まるで動物とか虫が見ているような視点で風景を捉えることができます。

狭い路地でローアングルで撮影した写真。 ローアングルで撮ったことで、普通の高さにカメラを構えて撮るよりも臨場感が出て迫力のある写真になったと思います。絞り値を開放気味で撮ったほうがボケの効果も出て遠近感が伝わる写真になりました。
海外で撮影した猫の写真。 完全にこれは猫と同じ目線で撮影していますね。このように、特に動物を撮るときは同じ目線で撮影してみると没入感が出るのでおすすめです。

あえて傾ける

8つ目のアイデアはカメラをあえて傾けて撮ることです。

写真は水平を保って撮影をするのが基本ですが、ストリートスナップではあえてカメラを斜めに傾けて撮影することで、臨場感や没入感が出て魅力的に映ることがあります。

傾けて撮影する場合は、標準域や望遠域のレンズよりも、広角レンズを使用してダイナミックに撮影する方が魅力的な写真になる場合が多いと思います。

この写真は24mmの広角レンズで撮影しました。 カメラを斜めに傾けて撮影することで町並みも広く構図の中に入れることができ、ダイナミックな印象の写真になっていると思います。路上で適当にシャッターを押した一枚なので、ピントも真ん中の人に合っていないですし若干ブラーが出ていますが、逆にそれも味になっているかと思います。
これはストリートフォトグラフィーと言うより風景写真に近い気もしますが、風景をバックに猿の親子を撮影した写真です。 カメラを斜めに傾けて、被写体の主題となる猿と夕日を対角線上に配置することで、広角の画角を目一杯使ったダイナミックな写真になっています。

スローシャッター

9つ目のアイデアはスローシャッターを使うことです。

スローシャッターを使うとあえてぶれた写真を撮ることができるので、面白い写真になります。人や物の動きを表現したい写真などを撮りたいときはおすすめです。

昼間にスローシャッターを使うと光を多く取り込みすぎて白飛びしてしまうので、昼間撮影するときはNDフィルターを付けて光量を抑える必要があるのですが、夜間はそのままスローシャッターで気軽に撮影できるので、日没後にスナップを撮るときはスローシャッターを試しやすいと思います。

南インドのとある村に、朝方にトゥクトゥクで向かったときにスローシャッターで撮影した写真です。 スローシャッターで撮影したことで、電灯の電気がゆらゆら流れている感じになっています。おそらく僕以外の人がこの写真を見ても何の写真なのかわからないと思いますが、個人的にはトゥクトゥクの荒っぽい運転や、朝方の空気感、本当に目的地に到着するのかといった若干の不安を感じていた思い出がすごく思い出されるので、気に入っています。
NDフィルターを使用してスローシャッターで撮影してみた写真。 シャッタースピードを長くすることで人の動きが出て、躍動感や喧騒感が感じられる写真になっていると思います。背景ははっきりと描写されている中で人物だけが動いていると、対比的な感じになって人の動きにフォーカスがあたるので目を引きます。


そんな感じで、今回はストリートフォトグラフィーの撮影方法について紹介しました。

慣れないうちは、人が見ている中でカメラを構えて道端で撮影するのが恥ずかしいこともあると思いますが、マナーを守った上で堂々とカメラを構えて写真を撮るのが良い写真を撮るポイントだと思います。あまり大きい一眼レフを出して撮るのが億劫な場合は、小さなコンパクトなカメラなどで撮るのが良いと思います。

またストリートスナップ専門のInstagramをやっていますので、もしご興味があれば覗いてみてください。
https://www.instagram.com/taichiaugust/

良いストリートフォトグラフィーライフを!

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