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予測不可能な時代に磨きたい採用力を高める3つのポイント

#採用アドベントカレンダー11日目を担当する石黒(ishiguro1980)です。

株式会社未来で人事・採用に関する仕事をしています。
今回はキャスターさん(CASTER BIZ recruiting)の採用アドベントカレンダーの企画に参加をさせていただきます。

採用担当の方の中には、総務や人事業務などを兼務されている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

2020年を迎えた時にはこの1年がこんなに変化の年になるなんて想像もつきませんでしたよね。突然のリモートワーク、採用計画の計画の見直し、オンラインでの新入社員研修など・・・。

今年は本当に変化対応力を鍛える1年でした。
そしてこの変化はこれからも続くことを考えられます。
ですので、ぜひこれからの変化向けて書いていきます。

こんな方にぜひ読んでいただきたい
・最近、採用実務を担当するようになった方
・リモート環境での採用に悩んでいる方
・毎年のように変化している採用環境で結果を出したい方

さて、今回は採用や人事に関わる私たちが今一度考えておきたい、
「予測不可能な時代に磨きたい採用力」についてみていきたいと思います。

なぜこのテーマなのか

採用が毎年のように変化をしています。
採用スケジュールや景気に限らず、新たなメディアやリファラルといった新たな手法など、情報収集をしているだけで仕事が終わってしまいそうになります。

これだけ急激な変化をしている中で学生や求職者の考え方も大きく変化をしています。

会社に雇用されるということ前提だったものが、副業が当たり前、リモートで働きたいなど、私たちが過去の価値観にとらわれていては機会を逃すことになります。

そして、これが正解という答えのある時代ではなくなっています。

今年私自身が一番驚いた出来事は、ある企業がTikTokを活用してエントリーを集め、採用で成果を出すという実績を上げている事例は目からうろこが何枚落ちたことでしょうか。
10年前の価値観のままであれば、なぜTikTokが採用の入り口になるかということすら想像もつかないことです。

これから先もさらに予測不可能な時代(VUCA時代)になっていくことは明らかです。その中でも企業は存続し、採用活動してくのですから私たちはさらに採用力を磨いていく必要があります。

そのために大切な3つのポイントを紹介します。

ポイント1 共感と傾聴が採用での鍵となる

採用での共感というと「共感マッチング」など訴求で目にすることがあると思いますが、ここではコミュニケーションにおける「共感」になります。

「共感」という言葉との出会いがとても私にとってここ最近大きな気づきとなっています。

SNSの「いいね」機能ともは少し異なります。
「自分が大切にしていること」
「相手が大切にしていること」

のつながりを大切にしたコミュニケーションを実践することで対立が解決されます。

採用の中には対立ではないかもしれませんが、面接する人と面接される人、というように立場によるコミュニケーションが行われています。質問する人と質問される人、判断する人と判断される人のように互いに向かい合うもの同士になっています。

しかし、今年多くの採用担当の皆さんが経験したZoomなどのオンライン面接を通して、本当の意味でお互いを理解し合うということができたでしょうか。

画面越しの面接で何か伝わり気ないことを感じませんか。ここに「共感」というポイントを加えてみると大きな気づきを得ることができます。

具体的には何をするのか。
面接などの場面で、どうも双方で噛み合わないというシーンを思い出してください。候補者は何か一生懸命に伝えようとしてくれている。

しかし、そのポイントが聞き取れない。何を聞いてもズレたことしか言っていない。「これは自社にマッチしない」で終わらせないことはありませんか。

そこで共感によって相手に寄り添うことをします。「何をその人は大切にしていて、このような発言になっているのだろうか。」相手の心の声に耳を傾けみます。相手が何を伝えようとしているのかによく耳を傾けてください。

心で聴く。
傾聴といわれる手法の1つです。

採用の場面ではすでに多くの方が「相手の話にうなずいたり、目を合わせて聞く」実践しているのではないでしょうか。

さらに心で聴くという練習をしてみてほしいのです。言葉だけを聞いていると本質がわからないことも傾聴、心ので聴くことによって見えてくることがあります。

その中にある「大切にしていること」に寄り添ってみることです。

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「そこまでして採用をしなくてもいいのに」は今まではそれでよかったんです。

しかし、少子高齢化が人口オーナス期(※)を迎えている現代においては、採用できる労働人口も減少しています。

母集団を集め、面接でどんどん落としていくという時代ではなくなってきました。労働人口は限られています。今までの採用基準では見送っていた方も、必要な人材である可能性を模索して必要があります。

そのためにも「共感」と「傾聴」によって人と人とのつながりを大切にし、本質を見極めていくことが求められています。

※人口オーナス期とは・・・労働人口が減少して、「支える側」より「支えられる側」のほうが多くなってしまう社会構造。ハーバード大学 デービッド・ブルーム教授によって提唱されている。

こちらは共感コミュニーケーションに関する参考書籍です。

ポイント2 環境を理由するのではなく「主体的」な姿勢を持つこと

景気動向によって「売り手市場」「買い手市場」と表現されることがあります。

しかし、本当にそうなのでしょうか。

不景気になると、採用数が減ることで企業が有利になるという意味で「買い手市場」といわれます。でも、よく考えてみれば、不景気だからと言ってどの企業も採用を減らすわけではありません。そして積極採用する企業もあります。

「売り手市場」でも同様です。
景気が良い時にどこも採用を積極的になることで学生に有利になると言われます。この時も、すべての企業が採用に苦戦するするわけではありません。

つまり、景気や環境は理由にすることはできるけど、それを言い訳にせず成果を出しているライバルがいるということです。

名著「7つの習慣」に「関心の輪・影響の輪」という考え方があります。関心の輪とは景気や天気、他人や過去の失敗など自らで変えられないことをさします。影響の輪は仕事への取り組み方や自分の態度などをさします。関心の輪ばかりを気にしていると、自分でコントロールできないことに常にとらわれることになります。

例えば、今日の天気が悪かったから自分の気分も雨マークでは、主体的とは言えませんね。その反面、影響の輪をより大きくしていくことで、自分で変えることができる物事にエネルギーを使うことが可能になります。

「ライバルが採用力があるから自社では優秀な人材は採用できないから諦める」と環境を言い訳にしていては先に進みません。「今まで以上に行動をして、より自社の魅力を伝えていく」と主体的な行動に変容していきます。

どこにエネルギーを使うのか、そして自らの働きかけによることを大切にすることができます。

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また、同著に「反応と刺激の間にスペース」を置く、という考え方があります。

何からの外部刺激に対して、すぐ反応するのではなく、一瞬立ち止まって反応を選択するということです。
単純な反応というと、熱いお茶が入った湯呑みを持つと「熱い!」と反応しますね。これは本能的に危険を察知して手を離しているのですが、採用業務でも、このような反応的なことはありませんか?

採用シーズン後半に、最終選考手前まで進んでいるから突然の辞退連絡があったとします。ここで感情を丸出しで怒り狂うという採用担当と、辞退連絡は一瞬、うっとなるもののすぐに切り替えて次の応募者探しに切り替えるのとでは、その後の行動や成果も大きく変わっていきます。

なんでもすぐに反応するのではなく、一瞬その刺激に対して立ち止まり、冷静になってその後の行動を検討します。

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主体的な姿勢というのは常に前向きであるということだけではなく、環境や他者にコントロールされたり、他者依存や言い訳をばかりの行動することです。

景気の変化を完璧に予測することはできません。働く環境について半年後1年後すら見通すことは難しくなっています。

だからこそ、自分ができること、コントロールできることに注力することで、売り手市場や買い手市場などの変化でも一喜一憂せずに、成果を出し続けることができます。

「7つの習慣」は2020年に30周年を迎えていますが、読めば読むほど新たな気づきを発見します。


ポイント3 存在意義としてのパーパス(Purpose)に常に立ち戻ること

あなたの会社の存在意義はなんですか?

ミッション、ビジョン、バリューを明確化している企業が非常に多くあります。今改めて注目されている理由は、変化し続ける社会のおいて、立ち戻るところを定義することが企業の成長に限らず、個人の成長にもつながっていくからです。

そして、パーパスはそのさらに深掘りをした、「なぜ存在するのか」を明らかにするものです。


既存事業が急に変化を求められ、市場のルールすら変わってしまうことがあります。今までは、店内で食事をとることに価値をおいていたけど、テイクアウト主体のビジネスモデルに変わらざるを得ない状況になってしまった飲食事業の皆さんも多くいらっしゃったことと思います。「なぜこの飲食事業が存在するのか?」を深く考えていくと、食事を提供する以外の大切なパーパスが見えてくるかもしれません。

それが存在意義です。

既存事業に執着し、変化を拒めばビジネスそのものが成り立たなくなってしまう状況です。「会社は何のために存在し、私たちはなぜここで働くのか」について今一度見つめ直したいものです。

採用においてまず、自社のパーパスを理解することが必要です。これは採用担当者が自らの言葉で伝えることができることで学生や求職者にとっては企業の魅力、存在する目的がわかりやすくなります。

そして自身の仕事の意義を再定義できます。

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例えば、焼き芋を提供するというビジネスだったとして、焼き芋を販売することを目的とするのか、販売している地域に「ほっこり」と「温かさ」を提供するのが目的、とでは随分大きな違いがあります。

同じ商品を販売するのに、パーパスによって働く意味すら変わっていくのです。採用は企業や人生の未来に大きな影響を与える仕事です。

2020年10月号のDIAMONDハーバード・ビジネス・レビューでは「パーパス・ブランディング」の特集が組まれています。

Voicy「荒木博行のbook cafe」ではDHBR編集長大坪さんの対談も紹介されています。(Voicyってすごくおもしろいのでおすすめ!)

まとめ 自分自身への問いかけこそが採用力を高める

この3つのポイントはどれも自分自身への問いかけとつながっています。スキル向上も大切です。そして採用担当にとどまらず、1人のビジネスパーソンとして予測不可能な時代を生きる上では、自分の内面の成長も大切になってきます。

特に、共感というキーワードは採用に限らず、マネジメントや商品、事業開発においても非常に重要になってきています。数字でどれだけ理論立てても、心を動かすコミュニケーションがあらゆる場面で求められています。

採用力を高めるための努力は、人間としての成長に直結しています。

誰もが不安と緊張の連続だった2020年は、人と人とのつながりを再発見する1年でもありました。

オンラインの活用によって今まではコミュニケーションができなかった人との出会いも増え、採用においては地域や時間といった障壁が一気になくなってしまったことを実感しています。

採用に関わる私たちはどんな環境であろうとも人の幸せに貢献する仕事であることは変わりありません。とても意義のあることです。

2021年はもっと笑顔にあふれる世界を作って、一緒に最高の1年にしていきましょう。

明日は株式会社HRBrain 取締役VPoE 川田浩史さんです。

楽しみです!


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