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現代における交通安全の取り組み #1

一昔前(私が免許取得をした1980年代)の自動車教習所で教わった技術で、現代は全く無意味なことの代表に「ポンピングブレーキ」があります。
急制動の際、タイヤをロックさせることなく、最短距離で停止する技術ですが、無意味にブレーキのオンオフを繰り返すのは、逆に制動距離を伸ばすだけで、それを疑うこともなく信じていた人が多かったのには驚きます。
もともとポンピングブレーキは、フルブレーキ時にタイヤがロックしたらブレーキを少し緩め、タイヤが回転し始めたら再びブレーキを踏み込むという、レーシングドライバーが使用している高度な技術がベースにあるのです。

ABS(アンチロックブレーキシステム)
このシステムに関しては、多くの方がご存知だと思いますが、前項にて触れた「ポンピングブレーキ」を機械的に行うものです。簡単に言うと、急制動が必要とする場面において、ドライバーは目的の速度になるまでひたすらブレーキペダルを踏み続ければ、後は機械が勝手にブレーキオンオフを繰り返し、タイヤをロックさせることなく最短距離で減速出来るという優れものです。しかし、「ポンピングブレーキ」が頭から(体から)離れない人は、無意味なブレーキオンオフを繰り返してしまいます。あるいは、ABS作動時に起こる振動にビックリしてブレーキを緩めてしまうのです。(近年のABSは殆ど振動しませんが)

つまり、ABSはとても優れたシステムではあるが、効果的な使い方を知らないと宝の持ち腐れになってしまうのです。

参考までに、ABSが行うポンピングの回数は1秒間に約10回と言われてます。これだけ見ても、どんなに運転技術のあるドライバーでも、特殊なケースを除き、機械に頼った方が良いことが分かります。

【次回は横滑り防止装置】

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