現代における交通安全の取り組み #2
前回はABS(アンチロックブレーキ)を切り口に、安全デバイスに対する意識の向け方を書かせていただきました。
そして、今回は横滑り防止装置です。
ESC(横滑り防止装置) ※ESCはBOSCH社の製品名
横滑り防止装置はメーカーによって名称は異なりますが、目的はどれも同じになります。
ABS(アンチロック・ブレーキ・システム)とTCS(トラクション・コントロール・システム)の機能が統合。システムが横滑りの危険を検知すると、瞬時に適切な車輪にブレーキをかけ、必要に応じてエンジン出力をコントロールするして車を安定させるものです。
車の横滑りには様々なパターンがありますが、大きく分けると「アンダーステア」と「オーバーステア」があります。
(アンダーステア)
ハンドルを切っても曲がらずフロントから大きく外に膨らんでしまう現象。
(オーバーステア)
ハンドルを切った以上に曲がりフロントが内側に巻き込む現象。
アンダーステアはフロントタイヤから滑り始め、オーバーステアはリアタイヤから滑り始めるのです。これを、これまではカウンターステア(逆ハンドル)やアクセルコントロール等でドライバーが制御してきましたが、前回のポンピングブレーキ以上に難しい技術であるのです。
それゆえ、カーブ等で初めてこの現象が起きた時は、経験の無いドライバーにとってはすでに手遅れのことが多いのです。
私もかつては上記写真のように、ビニールシートに水と洗剤をまき、
スピン体験と回避方法を講習にてレクチャーしておりました。
しかし、これもABS同様、ESCの誕生により、機械任せにした方が良いケースが多くなりました。具体的には、ドライバーは車が滑った際は下手な技術を使うより、慌てずに自分が進みたい方向へハンドルを切りながら、スピードを落とせば良いのです。
※ ドライバーが横滑りを認知する前に装置が作動するケースが多い
前回からの話をまとめると、危険回避におけるポイントは
・減速が必要な時はしっかりとブレーキを踏み込む
・横滑り発生時には落ち着いて進みたい方向にハンドルを切る
以上となります。
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