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🔴いつも大安吉日30 〜山の暮らし〜

【山の暮らし】

杉の葉っぱをひとつかみ

喫茶店を営むおばちゃんが定期的に届けてくれる割り箸もひとつかみ

細かくナタで割ったやわらかい木をのせていく

「ぎゅっ」と押さえ込まずに
「ふわっ」とのせていく

マッチを擦っていちばん下の杉っぱに火をつける

火が上の木に移ればだんだん薪を太くする

ぽかぽかあったまる
ゆれる火もやっぱりいい
パチパチはぜる音もまたいい


火のある暮らし
またはじまる

ありがたやありがたや

すべて運んで掃除もおわった

ちいさいときから1度も玄関に鍵をかける暮らしをしたことがなかったぼく
仮住まいのアパートの鍵もまたそうだった

最後に玄関を拭いて外に出て扉を閉める
最後の最後にはじめて鍵をかける


台風のあとから約半年間
やっぱりもう愛着も思い出もあって、なんかさみしさもあった

いろいろあったけどありがたい

昨日は同じがっこうに通う仲間の引越しもあった

引越し屋といえば、重い荷物をチームプレーで次々に運び出す屈強なイメージと、細かい荷物の仕分けや気配りの養生をこなす繊細さも必要だ

いろんな職業や、いろんな趣味や特技をもつ保護者仲間の中には筋肉を愛する人もいる
子守りもなんでも器用にこなす才色兼備なおかあさんもいる

われらマッスルクラブの出番だった
ぼくもその一員だ

引越しと筋肉は密接につながる

都会ならお金を払ってジムに通い、家に帰れば筋肉と減らしたお腹のためにメシを食う

こんな田舎の仲間内では、筋肉を鍛えながら相手も喜ばせて、たんぱく質を豊富に含むごはんまでいただくことがある

Win-Winよりもまだこっちよりだ

酷使した筋肉にキーマカレーが美味だった

マッスルクラブも仮住まいも
同じがっこうのつながりがあったから

佐久穂に来て1年が経った
すてきな仲間に囲まれている

ほんとにありがたい

自然のリズム

大日向にもどった

荷物がバラバラ置かれて落ち着かない部屋の、ストーブまわりだけは片付けた

薪を中に運び込んで
山の水を汲みに行って
ちゃぶ台と座布団を置いて


そして火をつける

土瓶をストーブの上に置いてぼくは腰をおろす


「ふぅー」

貼りかけの天井も味わいがある
穴のあいた障子から入ってくるつめたかった風も春の風になった

つくる暮らし
火のある暮らしをまたはじめよう

まずは水を引くことから
流れをイメージしてみる

台風で流された山の水を引く黒パイプを山に担いで転がしていく
おっきなワに束ねられた重いパイプ


こいつはひとりじゃきつそうだ
そのための声をかけた仲間は天気があやしいからとキャンセルになった

ひとつ90メートルある束が4本ある
つなぐための部材の用意
タンクもゆくゆくは欲しい

途中砂防ダムの工事がはじまる場所をどう迂回するか

とりあえず引くだけ引いちゃおと思ってた
しかし雨で作業はちょいときつい

沸いた土瓶の茶を飲みながら作戦をたてる

ぼくの手元にあるパイプはそこまで太くない
いちばん寒い時期だと凍結してハネる可能性がある

だからあったかくなる春まで待った

春になって仲間誘って黒パイ設置して
「じゃーやるよー」って取水口に黒パイ突っ込んで急いで家にもどってきて
黒パイの中の空気を吸ったり
黒パイをぶんぶん振ってみたりして

「ゴボッ」
「ゴボッゴボゴボーッ」って

大好きな「北の国から」みたいに「水が出たぞー」ってやりたかった

今日そうなるはずだったんだ

明るくなったころ外が何やら騒がしい
外に出てみる

景色は完全に真冬
しんしんと雪が降ってる


向こうの道を除雪車が「ガタガタ」いわせて走ってる


山の暮らしは自然のリズム
自然のリズムにゃ逆らえん
そんなときには火を焚こう
山水沸かして茶を飲もう
一服してりゃ気分落ちつき
落ちつきゃ道がみえてくる

しかし意外に積もってるな
お茶のんでたら道がどんどん見えなくなるぞ

雪かきすりゃ道はすぐあらわれる

あったかくなったり寒くなったり
みなさん体調どうですか

今日もすてきないい日を

ではぼくは行ってきます


五穀豊穣 
子孫繁栄 
大安吉日や さかいひろし

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