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L is B(Life is Blog) #4 飛躍&世界へチャレンジ編(SF、カナダ、シンガポール)

さて、今回はTwitterアプリ「Feel on!」の飛躍と世界への挑戦について書きたいと思います。少し長文ですがお付き合い下さい。(2011年5月頃から2012年6月末頃までの話)

Feel on ! ローンチ成功!
社会不安が増大していた3.11直後の4月8日、LisB最初のサービス「Feel on!for Twitter」をリリースしました。
リリース直後、従来存在していなかったTwitterをイラスト化するという異色のアプリは、色々なメディアから注目いただき記事化され、1週間で7万ダウンロードを記録します。(当時のスマホ普及率から考えると脅威の数字だったと思っています)

「感情」を伝えるTwitterクライアント「Feel on!」(IT media)
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/1104/08/news109.html
TwitterのTLをマンガにするアプリ「Feel on!」--独自の解析エンジンで(cnet)    https://japan.cnet.com/article/35001439/

このアプリはインストールすると、Feel on!使い始めました!とTweetされる仕組みを入れており、Twitterのフォロワー同士でどんどんバズっていきました。

Feel on ! のキャラ、シモン君のファンも現れ、手作りの作品を送って下さったり、シモン君のTwitterアカウントに大喜利mentionを仕掛けてきたり、独自の遊び方を考えて楽しむユーザーが増えていきました。

ファンの方から送っていただいた手作りグッズ

当時、特許申請でお世話になった慶応大学SFC松倉先生のご紹介で学生にシモン君アカウントの担当を依頼、中の人として活躍してもらいました。
また、タレントさんにも使っていただけるようになり、Twitterの盛り上がりと共にFeel on !ユーザーが増えていきました。

当初 iOSのみのサービスでしたが、Webブラウザ、Androidと各種プラットフォームにも対応しながら自分たちが面白いと思う機能や語彙を考えては実装していきました。

例えば、1タップTweetという機能もその一つです。
この機能は、文字入力を省力化しワンタップでTweet出来る画期的な機能でした。

あと、iPhoneを横に振ると「なんでやねん!」というTweetと共にツッコミイラストが勝手に投稿される隠しコマンド機能を実装しました。

無論、隠しコマンドなのでユーザーには内緒です(笑)

この機能、当時ユーザーだった小川菜摘さん(ダウンタウンの浜ちゃんの奥さん)が若手芸人から「姉さん、なんでそんな古い突っ込みをしてるの?」とTweetされてて、「私はそんなTweetしていない!」という会話がなされ、勝手に投稿してしまう悪ノリ機能を反省しました(笑)
(おそらくFeel on!を立ち上げながら鞄の中等にiPhoneを詰め込んだ時にTweetされたと推測w)

 なんでやねんTweet

テレビで紹介され急成長!

さらに当時Twitterフォロワーが70万人を超えていた元AKB48の篠田麻里子さんがFeel on !を利用しており、前田敦子さんや大島優子さんのイラストはあるのに私のイラストが無かったとTweetされたので急遽、篠田さんのイラストを追加したところ、ご自身のアプリ紹介番組で取り上げていただきました。


その効果は絶大で、Feel on ! はデビュー直後から奇抜さとキャラのかわいさ、感情解析テクノロジー等が評価され35万ダウンロードまで一気に伸びていきました。

放送直後に10倍以上の伸びを記録

海外進出へ!

そんな折、San Franciscoのコンサル会社btrax社の方から連絡が入ります。なんでも日本のスタートアップを集めて現地のGeekの前でピッチコンテストをやるんだけど出ませんか?と・・・立ち上げたばかりの無名のスタートアップに海外からのオファーがあるなんて!!

最初は新手の詐欺か何か?と思って警戒していたのですが、日本国内だけに留まるのではなく、世界に飛び出していきたい!という思いが沸々と湧いてきて、絶対成功してみせる!!という根拠のない自信に突き動かされて、二つ返事でこのオファーを受けることにしました。

ちなみにこのパペットもFeel on!ユーザーのファンの方が送ってくださいました。
この時とても熱心に誘って下さったのは今をときめくG社のT社長でした。彼は当時btraxで働いておられました。)

そこからはアメリカ人にこの面白さがどうしたら伝わるか?Jobsのプレゼン動画を何度も観ては構成を練り直し英語の原稿を作り、猛練習を繰り返しました。また、当時もう一人SFCからインターンで来てくれていたMeiちゃんの発音がきれいだったので、原稿を読んでもらい、録音し何度も繰り返し聴き練習しました。原稿を空で言えるまで、正の字でカウントしながら実に200回以上繰り返しました。(僕はよくプレゼンがうまいと褒めていただきますが、こう見えて割と練習の虫です。)

で、いざ本番!


結果は、お陰様でAudience vote (観客投票)で優勝!全体の半分近く(46%)得票し、優勝しました!

プレゼンが終わった後の拍手喝采と共に、僕の前に海外投資家を中心に名刺交換の列がずらっと並びます。表彰のため司会者に呼ばれましたが、ステージに戻ることが出来ず、同行してくれた城戸さんが代わりに挨拶してくれました。(写真)

その後、IVSのローンチパッドでも3位に入賞するなど、2011年〜12年前半は、出場するピッチイベントで表彰されないことが無かったくらいFeel on ! は各方面で高い評価をいただきました。そしてこの年のシンガポールテレコムが選ぶ「アジアのトップアプリ50」にも選ばれました。

SFで高い評価を得たため、英語化して海外で勝負していこうと決心し、英語版の感情解析エンジンの開発に取り組み始めます。
ちょうどそのタイミングでカナダのケベック州にあるUQAM(ケベック州立大学モントリオール校)でカナダ人にフランス語で日本語を教える授業をしている溝江先生と知り合います。先生に会うためモントリオールまで飛び、UQAMで授業を受けさせてもらい、意気投合。LisBカナダ研究所を設立することになりました。

      カナダ研究所の看板(現在は本社にあります)

Feel on!は言葉(日本語)を入力するとそれに合うイラストが表示されるので日本語を覚える練習にもなります。この仕組みは日本語を学ぶ外国人の教材にもなるかも・・?ということで先生にはFeel on !を使った授業をしていただきました。(写真)

授業で利用した学生達の評判も良く、英語版エンジンの開発をボランティアで手伝ってくれる学生も現れました。溝江先生と先生の助手をしてくださった郷田さんというモントリオール在住の方を中心に英語版感情解析エンジン(SEE)の開発が進んでいきます。日本語と異なり英語特有の文化を加味しながら2011年9月から半年以上地道な作業が続いていきます。

そして翌年2012年6月、シンガポールで行われていたアジア最大のテックイベント【エシュロン2012】で英語版Feel on !をリリースしました!

こちらもリリース直後から大きな反響をいただき、英語メディアでも多数取り上げてもらいました。

登場直後に東南アジア中心に各国で話題となり、インドネシアでは全アプリランキングで3位に!

2011年4月にリリースしたFeel on !は、国内のみならず、アジアを中心とした海外でも幅広く活用されるTwitterアプリとして華々しくデビューすることが出来ました。

この時はとにかくユーザーグロース!100万人超えまで一気にスケールさせることだけを考え、日々アイデアを出し、ブレストし、ユーザービリティテストを繰り返し、使いやすさや楽しさの追求をしていました。

        新機能ユーザービリティテストの様子

描いたイラストは2000枚を超え、登録語彙も数万語を超えていたと思います。ただひたすらユーザーに楽しんで使ってもらいたい!という一心で取り組んでいました。他のTwitterアプリがやっていない、独自のアイデアをどんどん形にしていきました。

感情解析エンジンのサービス化

この頃、Twitterアプリだけではなく感情解析エンジンSEEを使ってTweetを解析する新しいサービスをリリースしました。
Twitter上で登場する2つのキーワードがプラスの感情かマイナスの感情かどちらの感情でTweetされてるか?を数値化して、この瞬間どちらが好感度が高いかを競う【Feel on !バトル】という新サービスです。

Internet watch
Twitterでキーワード好感度対決「Feel on Battle!」
https://internet.watch.impress.co.jp/docs/news/496436.html

Twitter上の好感度調査がアーケードゲームっぽいUIかつ、バトル形式で出来るという珍しさでメディアにも取り上げていただきましたが、需要が無かったからか直ぐお蔵入りに・・・ww(3ヶ月くらいでサービス終了)

とにかく面白いと思ったモノを企画・開発・リリースし改良を繰り返す、そんな日々を送っていました。

会社設立からわずか1年半で多くのユーザーを抱えるブランドを作ることが出来たのも、当時面白がって使ってくれたユーザーや応援して下さった投資家、メンター、メディアの方々、友人、知人、協力して下さったパートナーそして当時9名の社員と家族のお陰でした。

振りかえると、進みたい方向に行こうとアクションを起こすとそれを応援してくれたり、協力してくれる方々が最高のタイミングで現れるという、奇跡の連続が起こっていて、まさにLife is Beautiful!な毎日を送っていました。

ここまでで4000文字を超えてしまいました。。。乱文かつ長文にお付き合いいただきありがとうございました。

次回はTwitterアプリ「Feel on ! 」最終回。 祭りの終焉編(Pivotに至るまで)について書こうと思います!次回は挫折と気づきを得るお話しです。

※このブログはL is Bの社長である僕が日々考えていること、思っていること等々を不定期で徒然なるままに書いていこうと思っています。

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