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評価するための基準と「モノサシ」

プロダクトデザイナーのスキルマップを考えてみたという記事を読み、感じたことと課題について書きました。

記事中では、能力(スキル)を以下のようにマッピングする方法を提案されていました。このようなアプローチは「自分は何者か」を明らかにする基準として非常に有用であると感じます。

図は記事より抜粋

自分も同様の考え方(マッピングまではしていませんが)で能力を捉え、能力をパッケージングしたものが肩書きとしてラベリングされていると考えています。

提案されたマッピングのアプローチは能力を可視化する手段として有効であると思いますが、レベルに課題が残されていると考えます。それは基準を測るモノサシが存在しないことです。

例えば、以下のような表現をWebデザイナーのポートフォリオで見ることがあります。

【Skills】
Photoshop:★★★★★
Illustrator:★★★★☆
HTML/CSS:★★★☆☆
JavaScript:★★☆☆☆

この方は、達人レベルにPhotoshopを極めていると解釈してよいのでしょうか?周辺にいる人との相対的な評価でしょうか?

人によってレベルごとのモノサシが異なり、基準が示されていなければ相対的に評価できず、結果として何の効力も発揮しない可視化方法となってしまいます。


過大評価・過小評価の罠

能力の低い人は自分を過大に評価し、能力の高い人は自分を過小に評価してしまう、ダニング・クルーガー効果という認知バイアスが働いてしまいます。

ダニング=クルーガー効果とは、能力の低い人物が自らの容姿や発言・行動などについて、実際よりも高い評価を行ってしまう優越の錯覚を生み出す認知バイアス。この現象は、人間が自分自身の不適格性を認識すること(メタ認知)ができないことによって生じる。

Wikipediaより抜粋

知識と経験が少ない初学者は「自分、結構デキるのでは!」と自分を高く評価し、知識と経験を積みはじめた人ほど「私なんてまだまだ…」と自分を低く評価してしまいます。何となく分かりますよね。

下記が図解されているものです。


モノサシを定義することで評価が統一され、比較可能になる

今回のスキルマップに対するモノサシを考えてみました。共通のモノサシがあることで測り方が統一され比較可能になります。

Lv1:その能力を一度でも使ったことがある
Lv2:その能力を発揮して仕事をしたことがある
Lv3:???
Lv4:その能力を業界トップレベルに発揮している
Lv5:その能力を牽引・発展に貢献している

5分くらいしか考えていないので、モノサシ自体は有効ではないと思うので参考例程度に捉えてください。ほとんどLv3,4になっちゃいそうですね…難しい。

参考として、優先順位を決めるICEフレームワークの項目にあるConfidence Level(信頼性・信憑性)はモノサシが定義されており人によって揺れづらい仕組みになっています。


おわりに

今回に限らず何らかの基準を設けるときは、モノサシがあるか?も一緒に考えてみると後から困らなくなります。

例えば目標設定をするとき、目標達成のモノサシを「◎, ○, △, ✕」ごとに定義しておくことで、終わったあとに「どう評価しようか?」と悩むことが無くなります。(昔の上司にマネージされた時に学びました)

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