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青の世代

一人でいるよりはいいのか一人の方がマシなのか
ハァーとタメ息はつきたくはない
そういう気持ちでモヤモヤしている

男4人がバラバラに歩く
ガサガサと靴の底がアスファルトに擦れる音がする
外に出ると辺りは薄っすらと明るくなり始めている
ピヨピヨと鳥の鳴き声までは聞こえてこない

駐車場に停めた車にダラダラと向かう
朝方のこの時間ではまだ走っている車は少ない
たまに通り過ぎる音がするぐらい
駐車場にも少数の車しか停まっていない

車のドアを開閉する音がバタンバタンと続く
みんな座って体勢を整える
シートベルトは誰も締めない

何も話す事が無い
盛り上がりはとっくに通りすぎてこれからは落ちるしかない
ただタメ息だけは誰もつかない
その恐怖が一つでも始まるとみんなに伝染してしまうだろう

エンジンをかけると勝手にCDが流れ始める
J-POPの人気バンドの曲が
カラオケで散々さんざん歌った後なのでもう音楽にはうんざりしている感じ
もう十分に堪能たんのうした後
そんな俺達とは裏腹うらはらにバンドのボーカルは青すぎるメッセージを発し続ける
何処かに居場所が見つかるからとかなんとか
誰も聞いていないかもしれない

カラオケに長くいすぎたせいか体中の隅から隅まで汚れているような感じ
いわゆるオールで
タバコも吸い過ぎた
酒は飲んでいない
空っぽになった身体がカラカラにひび割れていく感じ
ハッキリ言って疲れた

それとなくCDの曲を飛ばす
11曲目辺り
ゆっくりと水が染み込むようなイントロが流れる
メロウなメロディーがそれに続く

「死ね」

後部座席の奴が叫ぶ

・・・

一瞬いっしゅん間があったけど俺は笑った
そいつも笑う
他の二人も笑った
まだ残っているのものがあったみたいに
こんな時にこそ笑うんだと確信するみたいに

俺はタバコに火をつけて窓を開けてからゆっくりと上向きに煙を吐いてみせる
朝方の空だという感じの空
まだ薄っすらと青白い感じ
色褪いろあせていて元々何も無いみたいに煙が馴染なじんで消えていくような

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