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2023年2月からオンラインショップ価格を改定します

どこもかしこも値上げラッシュです。どうにかこうにかやりくりしてきましたが、ウチもとうとう値上げせざるを得ない状況になりました。今日はその辺を絡めつつコーヒー価格のことでも書いてみましょう。あ、お久し振りです。

オンラインショップのトップには以下のお知らせをさせていただきました。

諸般の事情により2023年2月から商品価格・内容量を順次変更させていただきます。ご迷惑をおかけしますがご承知のほどよろしくお願いします。

価格改定のお知らせ

先に言ってしまうとステルス値上げです。公言してステルスも何もあったもんじゃないでしょうがステルス値上げをします。つまり価格はそのままで内容量を減らすことにしました。
開店以来「生豆250g」という販売単位を意地になって貫いてきたものの、いつだって少ない量で販売してほしいという要望との戦いでした。また、一括表示という法律的な表記ルールでも、実際に入っている量、つまり内容量を表記することになっており生豆時の重量は認められていません。
そこで考えに考え抜いた結果、1袋の内容量を焙煎豆で160gと結論付けました。なぜ160gなのか。
一番大きな理由として昨今のコーヒー1杯抽出するときの使用量が8g、10g、16gの方がほとんどであること。抽出量によって当然使用量は変わります。しかし、抽出量はバラバラなのに使用量はだいたいこの3通りのようです。それであればこの3つの数字の公倍数を内容量とするべきかなぁ、と。あのコーヒーが5-6g残るの困りません?
そしてもう一つの大きな理由が配送料の上昇です。コーヒーだけでなく原油も労働単価も上がっています。この先、配送料の値上げは避けられないでしょう。そのために配達コストの安いネコポスやゆうパケットなどのポストイン形態の配達方法に完全移行しておく必要があります。ポストインですから厚みのない形態にしなければいけません。現在使用しているアロマブレスパッケージであっても厚みの出ない内容量が160gでした。
スリムパッケージがあるからいじゃないかと思われるかもしれませんが、こちらは在庫限りで使用を取りやめます。ちょっと前にアンケートを取ったところ、店主のこだわりでもあるチャック付きの袋を半数以上の方が必要としてくださっています。袋も一本化してコストを吸収していかないといけません。他にもいろいろ理由があるのですがこの辺にしておきましょう。
実は既に店頭では11月から改定を実施しております。店頭にお越しの方々はこの記事を読んで「また上がるのか」と思われたでしょうが、店頭の変更はありません。ご安心ください。オンラインショップが店頭と同じになりますよ、ということです。

で、なんだっけ。コーヒー価格のことでしたね。一般的にコーヒーは先物相場品です。毎日価格が変わるものです。それに加えて船で持ってくるので原油価格の影響もあります。更にはドル建てのため為替も影響してくる。ここまでよろしいでしょうか。

ICO複合指標価格

2022年にブラジルで霜害が発生したことは大きなニュースになりました。コーヒー栽培について説明しちゃうととんでもなく長くなるので割愛しますが農作物に霜が降りたらどうなるかはたやすく想像できるかと思います。そのためコーヒー相場は一気に高騰してしまいました。
ブラジルだけ霜が降りたのに何故、と思ったアナタは鋭い。そうなんです、ブラジルのコーヒー生産量は世界の生産量の約35%程度の量になります。そのためコーヒー相場=ブラジルコーヒーの相場と言っても良いぐらい影響を及ぼします。
コーヒー同様、原油もコロナ禍以後は順調(?)に高騰しております。為替も何十年振りに円安になったことは記憶に新しいニュースでしょう。更に付け加えればコーヒーを運ぶコンテナが不足し、コンテナ代が高騰したこともあります。これら全てが噛み合ってほしくないけど噛み合ってしまって、コーヒー屋がコーヒーを買う価格が高くなる一方だったのです。
コーヒーを売り買いする商売はコーヒー屋だけでなく、投機筋と呼ばれる先物取引をしている人たちもコーヒーを売り買いしています。こういう状況になると、この人たちが介入してくることになり、本来の値動きではない動き方をします。年が明けて2023年はブラジルが豊作「だろう」という見解が出て、コーヒー相場自体は落ち着き始めました。おそらく大半の投機筋の人たちもポジションを手放したと思われます。
ついでに言うと、生産者サイドは作ったモノを高く売りたい。当たり前のことですよね。彼らは彼らで相場をチェックしつつ、売りに出す量を調整して高い値段で売ろうとします。

認証在庫

その結果、認証在庫と呼ばれる世界中の販売できるコーヒーの在庫数が減ってしまうこともありました。現在はだいぶ回復してきているようですが。コモディティは数的な量だけで判断されるので、数年前に収穫されたモノがこれから出荷される可能性は大いにあるでしょうね。
これらの価格の話はスタンダードとかコモディティと呼ばれるコーヒーの一般品の話です。スペシャリティコーヒー以上のモノになると、取引された時点の相場の価格が適用されます。基本、年一回の収穫品であるコーヒーは本来であれば、売りに出された時の価格で買わないといけないことになります。つまりナントカ農園とかトレーサビリティが取れているモノは、その時の価格で買わないといけないということですね。
結論として今年販売するコーヒーは高い値段で仕入れざるをえなかったモノになるということです。

せっかくなので2023年1月の【今月の珈琲・10%OFF】も紹介しておきましょう。今月はコロンビア ラ・ルイサ農園 マラゴジッペ RAです。このコーヒーはひょんなことから安く買うことができました。あまり詳しくは書けないのですが、そんなこともあるということで。
マラゴジッペはご存知の方も多いと思います。ティピカの突然変異でできた、やたらデカい粒の栽培品種。大粒なのに繊細な味を持ち、コロンビアらしいマイルドでふわっと感じる甘味の良いコーヒーでしょう。好きだなぁ、こういう味のコーヒー。
このコーヒーを生産しているラ・ルイサ農園はなかなか有名な農園でして、輸入元商社のインスタで紹介されていました。

コーヒー栽培に適した標高の高い山間って感じがしますよね。山間と言いながらなかなか管理された農園だということがわかります。こういった環境で作られたこのコーヒーが納得の味が出ていると感じます。
残念なことに再入荷は絶望的(普通には高くて買えない笑)なコーヒーなことに加え、今月の珈琲が終了し残った分を全て売って欲しいというオファーが来ているため1月で終了になります。と、書いたのですが、このペースだと今月中に完売が見えてきたため、オンラインショップでの販売は終了とさせていただきました。

そんなことになってしまったので2月の【今月の珈琲・10%OFF】は早々と公表します。

52票も集まれば立派な投票結果になりうると判断してドミニカ アルフレド・ディアス農園 プリンセサワイニーで決定しました。強いワインフレーバーとまでは言い難いものの、芳醇なフレーバーでとても香りの良いコーヒーです。どちらかというと生豆からワインの香りを感じます。そのフレーバーを活かす焙煎をすると味がイマイチな気がしています。ここは思い切ってワインフレーバーを軽視した焙煎をしてみました。コーヒーとして美味しく飲めるような仕上がりにしてあります。2月になったらこちらに商品リンクを貼ります。

久し振りの更新ということもあって張り切って長々と書いてみました。ここまで読んでる方がどのぐらいおられるかわかりませんが今年もたぐち珈琲豆店をよろしくお願い申し上げます。




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