【活動報告】うつ病で離職中の方を対象に「就労に向けたオンライン当事者会vol.1」を開催しました
僕は、うつ病の当事者に向けて、療養や仕事復帰に関する情報発信活動をしているたぐと申します。
先日、うつ病で離職中の方を対象に「就労」をテーマにしたオンライン当事者会を開催したので、その方法や内容・様子についてご報告します。
「就労に向けた当事者会」を開催した理由・経緯
僕は、うつ病がきっかけで会社を退職し、その後フリーランスとして仕事復帰しました。当時は、病気の影響からかどうしても会社で働く気持ちになれず、それで個人で働く道を選んだんです。けれども、僕のまわりには、個人で働くためにサポートしてくれる人が全くいなかったので、フリーランスに転身するのがとても大変でした。そうした経験から、「個人で働くための就労支援があったらいいのに」と思うようになったんです。
いま現在は、フリーのwebライターとして生計を立てられるようになりました。そこで、当事者をサポートするために、「就労」をテーマに当事者会を開催することにしたんです。
当事者会を開催した方法
当事者会を開催した方法は、以下の通りです。
■目的:
①うつ病を治療しながらフリーランスとして働いた体験を伝える
②体調不良になった時のことを中心に、会社・個人で働くメリット・デメリットを伝える
③①②を通して、参加者が仕事復帰するにあたり、働き方の選択肢を増やせるようになる
■日時:2022年12月3日(土) 20~21時
■場所:オンライン(パソコン・スマホでGoogle Meet(ビデオ会議アプリ)を使用)
■参加費:無料(パワーポイントの資料13スライド分を含む)
■参加者:1名(りょうさん)
当事者会の内容・様子
当事者会は、パソコンの画面でスライドを共有し、次の順に実体験をレクチャーさせていただきました。
■当事者会でレクチャーしたこと
・うつ病を発症してから退職するまでの経緯
・退職後、「フリーランス」の働き方を選んだ理由
・フリーランスとしてはじめて請け負った仕事
・会社組織・個人で働くことのメリット・デメリット
・うつ病の当事者として感じたフリーランスの働きにくさ、働きやすさ
・フリーランスを検討するにあたり知っておくべきこと
・収入が増えることを見据えて、頭に入れておくべき税金や保険の話
■当事者会で使用した資料(一部紹介)
当日は、主催者と参加者で簡単に自己紹介し、スライドを見ていただきながら実体験をレクチャーしました。
レクチャーの途中に体調面や仕事復帰に関する悩みも共有できるなど、主催者としては和やかな雰囲気のなかで当事者会を進められたと感じています。
参加者の感想
・実際にフリーランスとして働いている方の話を聞けて、個人で働くことが身近に感じられた。
・個人で働くにしてもどのように進めていけば良いのか悩んでいたけれど、実際の話を聞けて、フリーランスとしても働けるイメージが湧いた。
・個人でできる仕事をやってみようと思えた。
・web関連の仕事をやっていたので、フリーランスとして働くなら、それに関連する仕事を個人でやっていけたらと思った。
「就労に向けた当事者会」をやってみて
僕は、仕事復帰するにあたり、「体調を崩さず長く働ける」のであればどのような働き方でも構わないと考えています。ただ、現状の医療・就労支援は、おそらく一般企業で働くためのサポートをしてくれても、個人で働くことを同じようにサポートしてくれません。“個人で働くほうがいまの自分には合っていそう”と感じても、今後の働き方としてそれを選択肢に入れるのは難しいのです。
当事者会をやってみて思ったのは、「ロールモデル」になるような人がいれば、フリーランスも仕事復帰の選択肢に十分なりうるということです。実際に、りょうさんからは「個人で働くことが身近に感じられた」「フリーランスとしても働けるイメージが湧いた」「個人でできる仕事をやってみようと思えた」といった言葉が聞かれました。
会社組織で働くか、個人で働くかはご本人の自由ですが、働き方を教えてもらったりサポートしてもらったりできなければ、そもそも仕事復帰の方法としてフリーランスを選択肢に挙げるのは難しいでしょう。当事者の選択肢を狭めないためには、個人で働く方法をイメージしてもらう機会も積極的につくっていくべきではないかと思いました。
今後について
今後も、うつ病の当事者を対象に「就労」をテーマにした当事者会を検討しています。開催する場合は、ツイッターやnoteで告知する、または個人的にツイッターのDMで参加を募るといった方法を考えています。
できる限り、就労に役立てる機会を作れればと思っていますので、今後ともよろしくお願いします。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?