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「くだらない」は悪くない

「くだらない」の後ろには肯定文がつけられる

先週、小泉今日子さんがバラエティを「くだらない」と言ったことが話題になっていた。賛否両論さまざまな意見があったが、わたしがまず感じたのは「くだらない」ものって悪くないよねということだ。

関西出身なので、小さい頃からテレビで大量のお笑い番組を見てきた。何しろ私の子どもの頃は、土曜日曜の午後は吉本新喜劇や漫才をはじめお笑い番組しかやっていなかったのだ。そのせいもあって、今でもバラエティ番組はよく見る。そして、そのとき思うのが「くだらないほどおもしろい」ということだ。

「くだらない」という言葉の後ろには、「けどいいよね」「からいいよね」「ほどいいよね」など、肯定的な言葉をくっつけられる。「くだらないよねー」と言いながら、気楽にハハハと大口開けて笑えるのがこの手の番組の真骨頂。「くだらない」は褒め言葉なのである。

これが、「つまらない」になると救いようがない。「つまらないからいいよね」とは絶対にならない。「つまらない」の後ろには肯定文がつけられないのだ。

私は小泉今日子さんの大ファンだ。「あなたに会えてよかった」をカラオケで何回歌ったことか。私は決して忘れない。”みなさんのおかげでした”でとんねるずのふたりと、全身黒タイツで楽しそうにモジモジくんをやっていたキョンキョンを!大好きだったなー、キョン2のモジモジくん。

80年代から90年代ブラウン管の中でずっとキラキラ輝いていた小泉さんは、バラエティ番組を「つまらない」ではなく「くだらない」と言ったのだ。私は、そこにはちょっとだけ愛があると思っている。そう思う。


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