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サッカー留学にエージェントは、もういらない。

中田英寿のイタリアセリエAへ移籍。それに続いて多くの日本人トッププレイヤーが海外のチームに移籍し始めた時から約20年。今日では本当に多くのプロサッカー選手が海外でプレーをしています。そしてそれはプロ選手だけでなく、いわゆるセミプロやアマチュアと呼ばれるようなサッカー選手も活躍の場を海外に移すようになりました。
私たちの年代は幼い頃から黄金世代と呼ばれる選手たちの海外での活躍を目にしてきたし、中学や高校の頃にはリーガやプレミアリーグがテレビで見れるようになっていたので海外サッカーへの憧れは誰しもが抱いていたんではないでしょうか。そしてそれと同時に海外への距離感(心理的)もかなり縮まっていた世代だと思います。かく言う私も海外への憧れを捨てきれずに海外でサッカーをしている一人です。

そんな私が自身の経験も踏まえて今回伝えたい事は、海外でサッカーをするのにエージェントは必要ないという事です。語弊がないように初めに言っておきますが、私の主張は必ずしも必要ではないという事です。正直エージェントという仕事に詳しくないですが、プロの世界にはエージェントが大切な役割を果たしている事は理解しています。クラブや選手にとってお互いを熟知している存在は重要な役割を果たします。
しかし私のようなアマチュアサッカー選手に果たして本当に必要なのでしょうか。私自身はじめはそうでしたが海外でサッカーしたいと考えている方々、こんな風に考えてないでしょうか。「チームを紹介してもらう為にエージェントを利用する必要がある」そして「コーディネート費を含め海外でサッカーをするにはお金がかかる」と考えている人は多いと思います。今回はそんな人たちにもう一つの選択肢を与えたいと思いこの記事を書くことにしました。


なぜエージェントが必要なのか


まずエージェントは必要ないとかいう前に、エージェントという仕事について軽く考えてみましょう。プロ選手のエージェントについては正直複雑そうで分からないのでアマチュア選手の国内から海外に挑戦する初めの段階について考えていきたいと思います。
はじめになぜエージェント仕事が生まれたのか。今ほどインターネットが発達していない時代、右も左も分からないような状態で異国の地に飛び込んだ人の「違った環境でプレーできる機会を提供しよう」そんな想いから生まれた仕事なのではないでしょうか(個人の推測です)。したがって一言で言うならば「チームと選手の仲介ビジネス」です。選手が欲しいチームと、チームを探している選手のお互いのニーズを解消する事がエージェントの仕事になると思います。

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ではここでその仕事にはどのようなものが含まれているのでしょうか。まずはそれぞれの立場のニーズについて。
チーム側のニーズ
①いい選手が欲しい
→これはプロアマチュア問わず、どのカテゴリーのチームも求めている事でしょう。
②欲しい選手が欲しい
→これはチームスポーツならではですが、チームには補いたいポイントがあります。サッカーで言うなればウィークポイントとなっているポジションの補強、ケガ人による補強等です。

選手側のニーズ
③プレーできる環境が欲しい
→なるべく高いレベルでプレーしたい。なるべく高い給料を得たい。
④情報が欲しい
→チームやリーグの構成、その国に生活するにあたり有益な情報。
⑤契約交渉等、語学面のカバー
→初めての選手には複雑な交渉や、言葉の壁を解消してもらう
⑥権利が欲しい
→チームでトライアウトを受けるための権利が欲しい。

したがって主に仕事は3つに分けられると思います。
1情報を渡す
2交渉、契約等のサポート
3権利の提供

これらがエージェントという仕事の必要な理由になると思います。(アマチュア選手のサッカー留学等にはよく語学学校等の手配も含まれていますが、今回はそこは無視して考えていきます)
ここで押さえておくべきポイントはエージェントという仕事はインターネットが今ほど発達する以前に生まれた仕事という事です。どういうことかというと、以前は現地の情報は現地の人にしか良く分かりませんでした。だからこそ、現地の人が海をまたがってチームと人を繋げる事に価値があったのです。だからこそ情報というモノ自体に価値があったのです。しかし今は誰もが情報を発信できる時代です。

仮説

ここで私はひとつの仮説を立てました。

「今の時代、これは自分でもできるんじゃないか?」

その理由は以下の通りです。

なぜエージェントは必要ないのか

1(①②③④)の情報についてですがこれだけ情報が溢れている時代インターネット等を利用すればいくらでも情報は収集できます。チームのホームページにいけば問い合わせる事も出来るし、既に所属していた選手等にコンタクトを取りたい場合にはFacebook等でだいたい連絡を取る事が出来ます。(もちろん返信が返ってこない事も多くあります)ただひとつ問題を挙げるとするならば情報を探すことも大変という事です。私自身苦労しましたが、私たちの多くはまだまだ調べる技術が足りません。情報はあるのですが、その情報を上手く捕まえる事が出来ません。それに加えて時間もかかります。したがって、エージェントにかかるコストには調べる技術と時間の短縮が含まれているのかもしれません。
そして選手・チームの情報についてですがアマチュアサッカーにおいてはそこまでこまめにやり取りされていないのが現実なのではないでしょうか。選手はCVとPVをエージェントに送り、エージェントはそれをチームに渡す。細かい事は実際にプレーを見てから決める。正直ネット等で調べて発見したエージェント会社の人が僕らのようなアマチュアサッカー選手のプレーを理解している事はほとんどありません。なので本来ここにはコストはかかっていないしかけるべきでもないと思います。

2(⑤)交渉においては恐らく選手が最も求めている事かもしれません。多くの選手は給料によって生活が左右されます。同じレベルの同じプレーが出来る選手が二人いたとして、給料が高くなるのは信頼できるエージェントに紹介された選手です。かけられる期待値に差が出ます。なので正直ここはエージェントにかけるべきコストだと思います。しかし語学面においては話せなかったら全く通用しないかといったらそうでもないと思います。大事な事は全てテキストで送ってもらうようにお願いをしたり、翻訳アプリ等を駆使すればなんとか潜り抜ける事も可能です。したがってここで必要なのは無礼を恐れない度胸と勇気です。これさえあればエージェントにコストかけずに済みます。

3(⑥)権利についてはおそらくどのチームもエージェントを通さないとトライアウトを受けられないという事はないと思います。現地にいって直接チームの練習に押しかけて、「参加させてくれ」とお願いして契約をした選手も意外と多くいます。サッカーは実力の世界です。サッカー界に限らず偉大な起業家たちもいきなり会社に出向いて直接社長にプレゼンをして就職をしたという話もよくあります。ここで大事なのは行動力です。それがあればエージェントにコストをかけずに済みます。

分かりにくくなってきてしまったのでここで一度整理しておきます。
エージェントを使うメリット
・チームを簡単に見つけられる
・調べる時間を減らす事が出来る
・現地での生活面のサポートやアドバイスをもらえる

エージェントを使うデメリット
・費用が高い
・責任を取れる範囲が狭くなる(文末にて説明)

一言で言うならば「手間を肩代わりしてもらう」事に多くのコストがかかっている事が分かります。こうやって考えてみると給料などの契約交渉以外はなんか自分でもやれそうな気がするっていうのが分かってもらえると思います。

方法

では実際にはどのような方法があるのでしょうか。

・直接コンタクトを取る
これが最もメジャーなやり方だと思います。ホームページからメールをする。Facebookからメッセンジャーで連絡を取る。国やチームのレベルによってはホームページにトライアウトの情報が載っていたりすることもあります。ただデメリットとしては返信がかえって来るとは限りません。むしろ自身の経験からすると帰ってくる方が少ないです。根気強さが大切です。

・オープントライアウト
Jリーグ等も行っているオープントライアウトにチャレンジしてアピールする方法です。デメリットとしてはライバルが多くいるのでその分難しさもあります。実力勝負です。

・プラットフォームの活用
就職活動を経験した私は、企業と求職者の距離が年々近づいている事に気が付きました。テクノロジーの発達によってプラットフォームが出来て、学生と企業が直接コンタクトを取れるようになっています。ひと昔は主流だったマイナビやリクナビも今は古いといわれるようなスピード感で年々変化しているようです。そこでサッカーにも同じようなものは存在しないのかと調べてみたところ、ありました。

dreamstock
https://dreamstock.co.jp/
wyscout
https://wyscout.com/
http://hudl.jp/toptheme/hudl-wyscout-hudlnews
gloria
https://www.gloria.app/
tonsser
https://tonsser.com/

私もまだ活用していないので詳しくわかりませんが、たくさんありました。気になる方は調べてみてください。私も調べます。。

・知人からの紹介
どちらかというと既に現地にいる方よりの方法かもしれません。チームに精通している知人からチームを紹介していただき練習やトライアウトを受けにく流れです。エージェント業に似ていますが知人という事でご厚意でつないでもらう事が多いみたいです。チームにとっても知っている人からの紹介は有益な事だと思います。

・突撃
最終手段にして最もインパクトを残せる方法です。チームの練習やクラブハウスの情報を入手し直接乗り込む方法です。チームからしたら無礼者でしかないのでお勧めは出来ませんが、インパクトは抜群です。そしてこの方法で契約をする選手がいる事も事実です。チームの立場になって考えてみたらそんないきなりきた選手は「面白そう」と思いますしそんな選手がすごくいい選手だったらチームにとってありがたい話である事も間違いないです。

他にもまだまだあると思いますが私が思いつくのはこのくらいです。しかしこれらの方法を全て試せばエージェントを利用せずとも海外でサッカーする事が出来そうな気がしてこないでしょうか。

以上が私がエージェントを利用しなくても良いと思う理由と、利用せずに海外のチームに入るための方法です。最後にもう一度だけ念を押しておきますが、今回のケースは私のようなアマチュア選手が海外サッカーに挑戦するケースを想定しています。

今回の本田圭佑選手のボタフォゴ移籍でも分かるようにトップレベルの選手の移籍にはお金だけに限っても相当のものが動きますが、その他の事も多く影響してきます。レベルが高くなるにつれて対処すべき問題の量も増えてきます。これらの事のに対処するためにもエージェントという仕事は欠かせないことが分かります。

最後に

今回のブログを通じて私が伝えたい事は選手がやれることはまだまだたくさんあるという事です。つまり私は選手の考え方を変えたいのです。「エージェントに高いお金を払ったが失敗をした」なんて話はたくさん聞きますが、正直それは自己責任だと思います。私も海外でサッカーするにはエージェントにチームを紹介してもらう事が必須だと思っていました。しかし、今回私はそこにお金をかけることなくニュージーランドのチームに入る事が出来ました。私たち選手の考え方は従来のやり方に固執したままなんだと、この一連の経験を通じて強く感じました。テクノロジーの発達により選手が選手自身でやれることは格段に増えました。今は英語の勉強もトレーニング方法などもYouTubeなどで無料で学ぶことが出来る時代です。つまり何にお金をかけるかが従来と今では変わってきています。
主体的に行動する事が求められる世の中になり、そして主体的に行動するための環境はどんどん充実してきています。そんな世の中にサッカー選手を適応しなくてはなりません。お金がないから海外サッカーを諦める時代は終わりました。だからもし海外サッカーに憧れがあるならば積極的にチャレンジしていきましょう!





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