見出し画像

THE BATMAN #76

コミックヒーローで一番好きなのがバットマンです。
スーパーパワーを持たず、生身の人間として悪に立ち向かう姿がリアリティがあって好きなのです。

バットマンのムービーシリーズといえば、クリストファー・ノーラン監督の「ダークナイト」3部作が有名ですが、その中でも2作目の『ダークナイト』(2008年)は、個人的なバットマンシリーズのNO.1で、本作の撮影終了後に亡くなったヒース・レジャーが演じた宿敵「ジョーカー」の狂気は、まさに秀逸ものでした。この3部作では、クリスチャン・ベールがバットマン/ブルース・ウェインを演じています。
本作は一般的にも非常に評価が高く、アカデミー賞8部門にノミネートされ、音響編集賞と助演男優賞(ヒース・レジャー)を受賞しています。

次に好きなのが、ジャック・ニコルソンがジョーカーを演じ、マイケル・キートンがバットマン/ブルース・ウェインを演じた1989年の『バットマン』(ティム・バートン監督)です。ヒース・レジャーのジョーカーを観るまでは、このジャック・ニコルソンのジョーカーが最恐でした。この映画でバットマンをきちんと知ったかもしれません。

そして、本題ですが、2022年版のバットマンムービー、『THE BATMAN』を鑑賞しました。『ダークナイト』(2008年)と甲乙付け難いくらい気に入りました。

製作費2億ドル規模の大作で、上演時間は約3時間。90分の映画がちょうどいいと感じる人にとっては、長過ぎる時間ですが、展開が目まぐるしく、全く長さは気になりませんでした。

内容は、これまでのバットマンとは異なり、ダーク感満載です。ほとんどのシーンが雨と暗闇のゴッサム・シティとなっており、一言で言うなら、「猟奇殺人の謎解きサスペンス・ホラー」と言った印象です。

映画のタッチがデヴィッド・フィンチャー監督の『セブン』(1995年)や猟奇殺人映画の金字塔『ソウ』(2004年)に似ており、どちらの映画も好きなのでとても面白かったです。

原作のバットマンは、探偵として活躍するということなので、本作のバットマンの謎解きの展開は、原作のコンセプトに近いのかもしれません。

サイコパスの悪役と心に闇を抱えるバットマン/ブルース・ウェインとの関係性も良く描かれていたと思います。黒すぎる内容と上映時間を踏まえると、万人受けを狙っていない、なかなか挑戦的な映画だと思います。

まさに「THE BATMAN」。

ヒーローというより、心を病んだ悩める一人の青年を描いた映画という感じです。
ニルヴァーナの1991年曲「Something In The Way」が効果的に使われていて、静けさと不穏さ漂わせた本作品の雰囲気をより醸し出していました。

ちなみに、ロバート・パティンソン演じるバットマン/ブルース・ウェインですが、マスク越しのバットマンとしては、歴代のバットマンの中で見た目が一番カッコよかったです。
あと、「ペンギン」を演じるコリン・ファレルの特殊メイクも見ものだと思います。

このシリーズも3部作になるようです。次回作へのいろいろな伏線も随所に散りばめられているので、ぜひ、エンドロールの最後まで席を立たず観て欲しいと思います。

【タイトル】
 THE BATMAN(2022年)
  監督 マット・リーヴス
  出演 ロバート・パティンソン
     ゾーイ・クラヴィッツ
     ポール・ダノ
     ジェフリー・ライト
     ジョン・タトゥーロ
     ピーター・サースガード
     アンディ・サーキス
     コリン・ファレル


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?