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現状維持バイアス #77

The only constant is change

って、表現があります。

変化こそ唯一不変なものである

という意味だと理解しています。

欧米の企業は「前年と同じことをするときに説明が必要」で、日本の企業は「前年と違うことをするときに説明が必要」と聞いたことがあります。

欧米企業のことはよく分かりませんが、日本企業のところは、自身の経験でも、理解できるところがあります。

つまり、「変わることが当たり前」の欧米企業と、「変わらないことが当たり前」の日本企業という感じでしょうか。

この世界時価総額ランキングは、ネットでもいろいろなところで紹介されているので、今更感はありますが、上記の環境変化に対する企業の姿勢の違いをよく表していると感じていますので、改めて紹介します。

         出典:STARTUP DB編集部_2022.01.26

世界時価総額は、1989年時点ではNTTが他を大きく引き離してトップとなっており、トップ5を日本企業が独占しています。
上位50社中32社は日本企業が占めており、日本企業の中では金融機関が17社もランクインしています。バブル時の日本の状況をよく表していると思います。

2022年時点では上位は米GAFAを含むIT企業と中国IT企業が大部分を占める結果となっています。
日本企業は31位にトヨタ自動車のみがランクインしている状況です。

この約30年の間に日本企業の世界における立ち位置は大きく変化しました。また、トップ10にランクインする企業の業種も金融業からIT・通信業に変化しました。

2022年時点でトップのAppleの時価総額は、1989年時点でトップのNTTの2倍近くになっていることから、世界的には時価総額も大幅に成長していることが分かります。

この時価総額の変化の間、日本経済全体もほとんど成長しておらず、平均賃金も上がっていないことが指摘されています。

世界は大きく成長しているのに、日本は現状で満足している状況が伺えます。

                                    出典:THE SANKEI NEWS_2019/3/31
   出典:DIAMOND online_ダイヤモンド編集部 竹田孝洋

現在の円安も様々な要因はあるにせよ、相対的に日本の通貨が弱くなっていることは間違いなさそうです。世界の日本を見る目が大きく変わって来たのではないかと危惧します。

その大きな要因の一つが前述の世界の産業構造の変化、技術革新等の環境変化に対する日本企業の姿勢や、もっと言えば、政治・行政を含めた日本全体の環境変化に対する姿勢にあるように感じます。

そこには「現状維持バイアス」が働き、過去の成功体験に拘り、「茹でガエル」状態になっている日本企業および日本の姿を指摘することができるかもしれません。

したがって今後は、

・環境は当然に変化するものだということを受け入れ、コンフォート状態から抜け出し、それへの対応を怠らない
・陳腐化する過去の成功体験は潔く捨てる
・「現状維持バイアス」を助長しやすい古い世代から、変化を受け入れやすい新しい世代への新陳代謝を積極的に行う

ということなどを意識することが必要に思います。

※現状維持バイアス(status quo bias)とは変化や未知のものを避けて現状維持を望む心理作用のことをいいます。 現状から未経験のものへの変化を「安定の損失」と認識し、現在の状況に固執してしまうというものです。

出典・参考:


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