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【懲りずに】2023 J3 順位予想&展望

J1、J2と開幕して盛り上がっていますが、3月になりJ3も開幕することを忘れてはいけません。

昨年は新参者いわきが1年目で制覇し、2位にも藤枝が初昇格を決めた。失礼ながら、J3の中でもあまり知られていないような選手がどちらのクラブも主力を担い昇格に導いた。

その一方で、2021年シーズンはJ2を戦った相模原、北九州、愛媛、松本は1つも1年でのJ2復帰はならなかった(終盤にまで昇格争いに絡んだのも松本だけ)。さらには、元日本代表やJリーグの実力者を集め下馬評の高かった岐阜や相模原は下位に沈んだ。一昨年はJ2であと一歩で残留を逃したものの、健闘したと言える相模原がJ3の最下位に沈んだことは全く予想できなかった。そのぐらい、無名の選手が多いからと言って侮れないクラブは多いし、ネームバリューだけではもう勝てないリーグになってきているということだ。
今季はJFLから奈良クラブとFC大阪の2つの近畿地方のクラブが昇格。また、昇格条件を満たすクラブがあればJ3⇔JFLの入れ替え戦も実施される可能性もあるだけに、下位クラブも油断禁物。さらなる激しいリーグになることが予想される。

それを踏まえたJ3の順位予想がこちらです。

それでは、各クラブの展望とキーマンをあげていく。

ヴァンラーレ八戸

昨年10位/予想順位19位
キーマン:⑮佐久間太一(FW)

「昇格請負人」こと石崎信弘新監督を迎え、過去最高成績を目指す。DFは若手のレンタル中心の補強を、中盤には長年チームを支える新井山祥智を中心にJ3の実力者を、FWには長野で主力を担った宮本拓弥や、千葉の期待の若手佐久間太一をレンタルで獲得するなど、ピンポイントに戦力は揃っている。昨シーズンも度々見せたJ2経験クラブを倒してきた意外性を実力に替え、石崎新監督に初のJ2昇格の経験をもたらすことができるか。

いわてグルージャ盛岡

昨年22位(J2)/予想順位9位
キーマン:⑧弓削翼(MF)

初のJ2は開幕戦勝利や、J1昇格を決めた横浜FCをアウェイで0-3で倒す驚きも提供したが、最下位で一年での降格となってしまった。
J2昇格をもたらした秋田豊前監督はクラブの社長となり、長年わかりやすい解説に定評のあった松原良香新監督を招聘し一年でのJ2復帰を狙う。昇格を支えたベテラン選手の契約満了も少なくなく、メンバーは入れ替わったものの、テクニシャンの中村充孝や期待の若手ボランチ弓削翼などが残留したのは朗報だ。また長崎でJ1昇格を経験した田代真一、そして久々のJリーグ復帰となった元日本代表の水野晃樹など経験豊富な選手も多いのも楽しみだ。

福島ユナイテッドFC

昨年11位/予想順位12位
キーマン:㊿古林将太(FW)
昨シーズンは序盤は堅守を武器に上位争いに顔を出していたが、徐々に下降し中位に落ち着いてしまった。諸岡裕人(秋田へ)や橋本陸(相模原へ)といった主力の流出も痛手。それでも昨シーズン以上の成績の積み上げを目標に2年目となる服部年宏監督体制のもと、年間通して上位争いをしたいところであり、そのポテンシャルは十分と言える。宮崎智彦(岡山から)や古林将太(湘南から)といったJ1経験者のベテランの加入はプラスで楽しみな存在。

Y.S.C.C.横浜

昨年16位/予想順位18位
キーマン:㉚小島秀仁(MF)

無名の若手選手が多いイメージだったが、例年になく各カテゴリーでの実力者の補強に動いた印象。プラチナ世代で名を馳せたボランチの小島秀仁(千葉から)やかつて横浜FCで主力だった中里崇宏(鈴鹿から)などのゲームメーカータイプを加えた中盤や、鹿児島や八戸で実力のある萱沼優聖(八戸から)といったストライカーの補強にも成功した。昨シーズン途中に就任した女子サッカーで実績のある星川敬監督のもと、意外な旋風を巻き起こすかもしれない。

SC相模原

昨年18位/予想順位7位
キーマン:⑭安藤翼(MF)

実力者を集めたが屈辱の最下位に終わり、ベテランの契約満了をはじめ多くの選手入れ替えがあった今オフ。大学生やJリーグ以下のカテゴリーからの補強もあったが、なんと言っても地元出身の戸田和幸新監督の手腕に期待が高まる。解説者として人気を博した男の初の監督の舞台だが、若く生まれ変わったチームをどのように躍進させるか。ここ数年のリーグ傾向としても未知の若手の活躍は著しい。大きな可能性を秘めた上位争いをするチームになってほしい。

松本山雅FC

昨年4位/予想順位2位
キーマン:⑮菊井悠介(MF)

1年でのJ2復帰に失敗し、名波浩監督→霜田正浩監督に交代。2年連続の失敗は許されない今シーズンは「山雅らしくない」攻撃的なサッカーに舵を切る。時間はかかりそうだが、山口などではまったときの爆発力を見せてきた霜田監督の攻撃サッカーは昨年決定力不足で落とした試合も多かったチームの勝点増につなげたい。
得点源の横山歩夢は鳥栖へ移籍したが、昨シーズンは住田将や菊井悠介といったルーキーの躍進もあった。今シーズンも7人のルーキーが加入し、育成クラブとしての面目を保ち、層を厚くしたい。

AC長野パルセイロ

昨年8位/予想順位10位
キーマン:⑦大野佑哉(DF)

2年目を迎える若き熱血指揮官・シュタルフ悠紀リヒャルト監督のもと、虎視眈々と上位を狙う。
各ポジションごとに柱となり得る的確な補強を敢行し、DFには同じ県のライバル松本から大野佑哉を獲得。昨年シーズン通してレギュラーを務めた男はディフェンスリーダーとしても期待。MFは愛媛で実績十分の快速アタッカー、近藤貴司を迎え、チームのストロングポイントのアタッカーを手厚くした。FWにはかつてYS横浜でシュタルフ監督の元で15得点を記録した進昂平(愛媛から)を獲得。昨シーズンチーム得点王の山本大貴らとともに得点源としてチームを引っ張りたい。
昨シーズンは藤枝が昇格し、J3初年度から昇格できていないクラブも数えるほどになった。今季こそ悲願の昇格へ手をかけられるか。

カターレ富山

昨年6位/予想順位4位
キーマン:⑧松岡大智(FW)

ここ数年は安定して上位争いに顔を出せるようになり、悲願のJ2復帰への足がかりはつかめている。
攻守一体のサッカーがコンセプト。補強は岩手から4年ぶりの復帰となる脇本晃成や、長野からトライアウトを経て獲得した坪川潤之など、運動量やボール奪取に優れたメンバーを揃えた。2列目からFWにかけてはかつてのJ3得点王の川西翔太や、昨年アシストを量産した松岡大智ら主力も多く残留したのも大きい。
ピッチ外ではYKKの胸スポンサー復帰など明るい話題もあった。例年見られる中盤戦〜終盤戦にかけた失速を断ち切り、残すは結果で応える番だ。

アスルクラロ沼津

昨年15位/予想順位20位
キーマン:㉓津久井匠海(FW)

昨年クラブワーストの15位に沈んだクラブは、監督初挑戦となる中山雅史新監督を迎えた。中山監督には攻守一体を高めたハードワークのできるチームと、昨年までコーチを務めていた磐田の2021年のJ2優勝時のような得点力の向上が期待される。
昨年の主力の流出は少なかったのは好材料で、補強は得点力不足に泣いた前線に大卒二人、若手の育成レンタル二人を加えた。中盤には東京Vや相模原での経験豊富なボランチの持井響太を獲得。チーム全体で昨年の悔しさをバネにJ3で旋風を巻き起こしたい。

FC岐阜

昨年14位/予想順位11位
キーマン:⑪藤岡浩介(FW)

昨シーズンオフの大型補強も終わってみれば14位と屈辱にまみれた。カタールW杯でコーチを務め、若手育成にも長けた上野優作新監督を迎え、昨年の経験豊富なベテランの路線から若手育成方針へシフトチェンジしJ2復帰を狙う。今シーズン獲得した大卒選手は7人というところからもその意気込みは伝わる。かつては古橋亨梧(セルティック)をブレイクさせたクラブのさらなる新星の出現にも期待だ。
ベテラン選手では宇賀神友弥、柏木陽介、田中順也といった元日本代表経験のある選手は健在の他、浮田健誠(相模原から)、田口裕也(鳥取から)といった他クラブで実績のある前線の補強が際立つ。それでも最大の補強は昨シーズンJ3得点ランキング2位の藤岡浩介が残留したことだろう。宮崎、岐阜で得点を量産してきたストライカーの3年連続の爆発は昇格へ必須となってくる。

FC大阪

昨年2位(JFL)/予想順位17位
キーマン:⑪久保吏久斗(FW)

Jリーグ初参戦。JFLで2位かつ、ホーム無敗という好成績を手土産に初年度へ挑む。昨年まで積み上げてきたサッカースタイルは「奪取速攻」。八戸などで監督経験のある志垣良新監督はそこの積み上げをベースにさらなるパワーアップしたチーム作りで上位進出を目論む。主力選手が軒並み残留したこともプラスに働きそうだ。
補強はJFLで得点を積み上げた利根瑠偉(ヴェルスパ大分から)やンダウ・ターラ(FCマルヤス岡崎から)といった選手から、いわきから古川大悟といったJリーグでの経験もある選手を獲得した。特にホームでの強さといった点がどのくらいJリーグで通用するのか未知な部分は多いが、失うものなく上位を狙いたい。

奈良クラブ

昨年1位(JFL)/予想順位14位
キーマン:㉙浅川隼人(FW)
奈良県から悲願のJリーグクラブの誕生。33歳のスペイン人指揮官フリアン監督のもと、Jリーグでも旋風を巻き起こす可能性は十分だ。メインはボールを主体的に握るサッカーになるものの、相手の戦いにあわせて守りを固めていくサッカーに柔軟に対応することができるのも強みだ。
前線には昨シーズンのJFL得点王で、YS横浜や熊本での経験も豊富な浅川隼人が軸。FWの本職の選手は2名と少数だが、昨シーズンも中盤の選手もコンスタントに点を取れているため大きな心配はなさそう。また岐阜や相模原で活躍した中島賢星を補強で加えたことも大きい。昨シーズンのいわきの大躍進に続くことができるか。

ガイナーレ鳥取

昨年12位/予想順位15位
キーマン:⑱富樫佑太(FW)

J3所属後なかなか上位争いができないシーズンが続いているが、キン・ジョンソン監督の攻撃サッカーを知る選手やJ3でコンスタントに結果を残してきた選手を揃えた。
田口裕也(岐阜へ)や石川大地(熊本へ)といった得点源は抜けたものの、琉球でキン監督の元でJ3優勝経験のある富樫佑太(岐阜から)や、讃岐でFWの軸となっていた重松健太郎を獲得。またアタッカーとしては鹿児島でキン監督の元でプレーした牛之濵拓や、富樫同様琉球でプレーした田中恵太なども獲得。昨シーズンも優れていたチームの得点力を磨き、少しでも上位に絡みたい。

カマタマーレ讃岐

昨年17位/予想順位16位
キーマン:⑦江口直生(MF)

J3降格後は下位に沈み続ける苦しいシーズンが続いており、オフの流出は16名。米山篤志新監督を迎えた今シーズンの補強はDFに両サイドをこなせて意外性のある得点力も高い金井貢史(琉球から)、水戸からアタッカーの森勇人など、若手のレンタルも多かった中でチームの中心となれる選手も加入。そしてなんと言っても視野が広くセットプレーのキッカーとしても優れた江口直生(秋田から)の加入が大きい。2020年の秋田のJ3制覇に大きく貢献した男のアシスト量産に期待大。

愛媛FC

昨年7位/予想順位6位
初のJ3でのシーズンとなったが序盤でつまづき、結局昇格争いにはほぼ絡めず苦しいシーズンを味わった。主な補強にはDFに清水や仙台でJ1経験のある平岡康裕、中盤には甲府や水戸で攻撃の中心選手だった曽根田穣、前線には水戸や群馬でプレーした深堀隼平を加えた。
森脇良太、松田力、徳重健太らベテランは健在だが、J2にいた頃のような若手の成長をもっと見たいクラブの一つでもある。攻撃の中心だった小原基樹(水戸へ)の流出は痛いが、穴を埋める新星の出現も昇格への鍵を握る。

FC今治

昨年5位/予想順位5位
キーマン:⑭中川風希(FW)
昨シーズンJ3にいい意味で驚きをもたらしたチームの1つであり、今シーズンもダークホースの呼び声が高い。多くの主力の残留と、待望の新スタジアム・里山スタジアムの完成と追い風も吹いている。
補強は2020年まで福岡で活躍したセランテスが正守護神候補。DFにはCBとSBをこなし、ロングスローという飛び道具も持つ二見宏志を長崎から獲得。J1経験を持つ男は若手の多いチームにとっても大きな補強だ。FWには今治でJリーグ6クラブ目の在籍となるドゥドゥを町田から獲得。意外にもJ3は初挑戦となるが、持ち味の飛び抜けた個の力はエース・中川風希らとともに脅威になるのは間違いない。

ギラヴァンツ北九州

昨年13位/予想順位13位
キーマン:⑥村松航太(DF)

J3降格1年目は下位が定位置となってしまう苦しいシーズンに。今季は若手育成を重点に上位を伺う。新監督には監督・コーチ経験ともに豊富な熱血漢・田坂和昭監督を招聘。
主な補強は、かつてJ2での躍進に貢献した守備の要・村松航太が長崎からレンタル移籍で復帰。若手も多いディフェンス陣に経験を注入する。攻撃陣では昨シーズン宮崎で14ゴールを挙げた岡田優希が面白い存在。得点力不足に泣かされた課題を埋めるにはピッタリの選手だろう。

テゲバジャーロ宮崎

昨年9位/予想順位8位
キーマン:③代健司(DF)

守備戦術に定評があり、昨シーズンはG大阪を残留に導いた松田浩新監督を迎えた。勝点をきっちりと計算できる監督の元でいよいよJ2昇格が現実的な目標となる。
補強の目玉は長崎時代に松田監督の元でプレーした山崎亮平を獲得。昨シーズンハットトリックも決めている男の実力はJ3屈指だ。更には福岡など複数クラブで活躍した力強さが魅力の石津大介(岐阜から)も加え、攻撃の層は厚くなった。
松田監督のサッカースタイルの強みとなるDFには代健司や西岡大志といった実力あるベテランが揃う。昨シーズン末の工藤壮人さんの逝去後に、一致団結し勝点を積み上げた勢いを今シーズンも持ち込み、工藤さんの気持ちも胸にJ2へ駆け上がりたい。

鹿児島ユナイテッドFC

昨年3位/予想順位1位
キーマン:⑨有田光希(FW)

昨年は年間通じて昇格争いに絡み、期待を裏切り続けた数年の鬱憤を晴らすシーズンになった。それでも最終盤に失速し昇格にあと一歩届かなかった悔しさをバネに2019年以来のJ2を狙う。
ストロングポイントとなる攻撃陣では昨シーズンキャリアハイの15ゴールを挙げた有田光希を筆頭に、YS横浜から迎え入れた河辺駿太郎や東京Vからレンタル→完全移籍に移行した端戸仁など豊富な顔ぶれが揃う。そしてなんと言ってもかつては鹿児島でJ3得点王を獲得し、大分、神戸などでも各カテゴリーで結果を残してきた藤本憲明の帰還はサポーターを歓喜させた。J2復帰へのラストピースとなる男はストライカーとしても、ムードメーカーとしても鹿児島を盛り上げる。
中盤も昨年8ゴールのロメロ・フランクや、7アシストの木村祐志など実力者がずらり。J3屈指の攻撃力が猛威を振るう。

FC琉球

昨年21位(J2)/予想順位3位
キーマン:⑧清武功暉(MF)

J2では昇格後は安定して中位以内をキープしていたが昨シーズンはシーズン前半からの不振を抜け出せず、まさかのJ3降格となってしまった。現役時代は甲府などで活躍した倉貫一毅新監督を迎え、リスタートのシーズンとなる。
選手の入れ替えは多かったものの、清武功暉、野田隆之介、阿部拓馬といった特に攻撃の主力が多く残留したことや、守護神のダニー・カルバハルや長身FWのサダム・スレイといったJ3では飛び抜けた個の力を持つ助っ人の残留も大きい。
新加入組では岩手でキャプテンも務めた牟田雄祐、海外経験もあるドリブラーの藤原志龍を徳島から、さらには開幕直前で移籍先を探していた元日本代表金崎夢生の加入も驚きだった。役者は揃ったため倉貫監督の戦術浸透が早ければ上位をひた走る可能性は十分だ。


以上になります。
これで全カテゴリーのJリーグが開幕しました。全てにおいて最後まで気の抜けない熱い戦いを期待しています!

順位予想は外すためにある。

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