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2020 J2リーグ 第19節 水戸ホーリーホック VS レノファ山口 レビュー

ホーリーくん 見慣れてくると かわいいな

水戸の皆様、お久しぶりです。いや、初めましての方も多いと思います。私はいつもツエーゲン金沢のレビューを書いているタギリストと申します。なぜ私が水戸のレビューを書いているか、というのは過去の記事をお読みくださいませ。↓↓↓

ちなみに今年の水戸の試合は金沢戦を含めて3回レビューしておりますが、いかんせん過密日程の為、自分のクラブを追いかけるのがやっとになってしまい誠に申し訳なく思っています。

で、水戸のレビューを書くとしたら5連戦と5連戦の間に「やるなら今しかねぇ~」という事で書かせていただきます。まあ肩の力を抜いてご覧ください。

というか、水戸にとって山口はあまり相性の良くない相手なんですね。どこにでもいます、相性の悪い相手。金沢だと山雅とか大宮、北九州にも一度も勝っていません。おいおい、ちょっとそれ多すぎなんじぁねぇ?と勝手に青ざめておりますが・・・。今回は五連戦の最終戦という事と、かなり雨が強かったせいもあってか大味な試合となった気がします。

スタメン

んー、なんか違いますね。水戸は守備時5-3-2の攻撃時3-1-4-2のような陣形。安東くんがアンカーで前嶋・河野がWB。奥田・森も逆になってますね(-_-;)いい加減にせいよ、SofaScore。ちなみに前節から6人変更。ターンオーンバーって必要ですよね、うんうん。

山口は、多分合ってると思います。詳しくは試合開始の図をごらんください。

試合開始・プレー原則の見えぬ山口

山口の守備時は5バックが基本。しかしボールがファースト&ミドルサードにある時は強力なプレスに、ファイナルサードにボールが来た時はとりあえず横へならえで5バックになるのですが、いまいちどのタイミングで相手にアプローチするとかというのが見ていてもわからないくらい自由な守備、というべきなのでしょうか。一応、下の図のようにマンツーマンになっていたのかなと思います。(この時点で噛み合わせが悪い山口)

その6分32秒のシーンでも、躊躇なく前からプレッシャーに行き細川くんが思いっきりロングボールを出してヘナンさんがヘディングして後ろへそらす、ヘニキさんが前にヘディングするとそこに奥田くんが現れてピンチになる、というドタバタ劇。

連戦続きで修正する暇もないといった感じなのでしょうか。未だアウェー未勝利の山口。霜田さんがこのまま終わらない事を信じたい・・・。

山口の攻撃の面では、9分50秒の田中のパウロさんからのさすがのアーリークロスを受けた浮田くんのシュートや、田中の陸くんからのパスを裏ぬけして受けた村田くんがクロスを入れた15分32秒からのシーンなど確かに良いシーンも見られましたが、やはり守備になるとぐちゃぐちゃ。水戸のFW山口くんの苛立つ顔が見て取れます(いつもそんな顔な気もする)。

そして水戸先制点となるPKを得るシーンとなるのですが、ハーフスペースがガボッと空いていて使わずにはいられない状態。

奥田くんが進入した時も、ヘニキさんがいたにも関わらず対応が遅れ、池上くんが後ろから奥田くんにスライディングしてしまう。

山口は菊池光将くんの負傷欠場の影響も大きいですが、眞鍋くんが簡単に釣られて前に出てしまって空いたところを使われました。池上くんの奥田くんに対する位置取りも、ボランチの守備に慣れていないんだろうな~という感じ。

という訳で、水戸のFW山口くんがPKを決め難なく先制。

山口はすぐ後の20分26秒のシーンでもヘニキさんが不用意に奥田くんにアプローチに行って、最終ラインに戻ってくると眞鍋くんがヘニキさんのいるべき場所を埋めてるもんだからハーフスペースがガラ空きで、先ほどと同じように使われてしまうという、信じられないデジャヴュに遭遇。

他にも田中のパウロくんがマイナスのクロスを思いっきり出すと水戸の奥田くんの足元にスッと収まり、そのままカウンターへ。5対3で山口の数的優位のはずが奥田くんを捕まえきれず、しかもヘナンさんが水戸FW中山くんに簡単に裏を取られて、倒さないと止められずイエローカードを貰います。

山口はサイドから攻めるにしろ右では陸・村田、左ではパウロ・浮田の2人での攻撃となってしまい、前半の中頃になるとワンパターンな攻撃になってしまいました。29分23秒のシーンでは、池上・佐藤の二人はあまり高い位置を取って攻撃に参加できないといった様子。あまりにも後ろの守備の脆さゆえに。

田中のパウロくんが無理矢理タッチライン際を突破しようとする。池上くんのサイドチェンジのパスが大きく外れる。去年の41節の福岡ー金沢戦で何をしてもうまくいかずに苛立った福岡の選手達が力任せにプレーしていましたが、それに酷似しているような振る舞いでした。

山口に付き合ってしまった

水戸はワンタッチでボールをつないで左サイドへ持っていき前嶋・森・奥田・山口で何度も崩しにかかるのですが、ボールが足につかず失う場面が何度か見られなかなか点が奪えず。

さらには39分56秒、またも細川くんからのロングフィードが山口最終ラインの裏へ出ます。細川くんからボールが出てから動いた中山くんに山口CB陣がついていけず、しかも山口GK吉満くんが飛び出してしまっており、中山くんが吉満くんを躱してシュートを打つが惜しくもポストへ。詰めていた水戸FW山口くんのシュートも戻った吉満くんが何とかブロック。

荒れる山口に付き合ってしまった水戸は追加点を奪えずに前半を終了。しかも相手より一つ多い二枚のイエローカードを貰ってしまいました。

秋葉さんが試合後コメントで言っていた「信頼だったり、絆というものを少しでも回復させる第一歩にしようという話を選手たちに散々しました。」という話。

残念ながら、その信頼を失ったとされるダービーマッチを僕はまだ見ていませんが、その決意があったならもう少し相手に付き合わず冷静に対処できたのかも知れません。

後半

水戸は安東OUT→平塚IN

山口は佐藤OUT→安在INでヘナンさんがボランチに入り4-4-2へ。浮田くんが1,5列目の位置取り。しかしこれが大外れ。システムを変えたってサイドが上がっているのにリスクマネジメントせずにカバーする選手がいなければどうしようもありません。

水戸のカウンターショー

いきなり山口の田中の陸くんが空けてしまったスペースに入り込んだ水戸の森くんが水戸の山口くんからパスを受けてドリブル、切り返してシュートを打ったところヘナンさんが何とかブロックする場面からスタート。

それから水戸の2点目が入るまでに3回程決定機がありましたが、その2点目も山口の守備がお粗末。なぜ水戸のファーストサードからの水戸ボールのスローインが始まったのに、山口のボランチの位置が水戸ゴール30M付近なのか・・・。ヘニキさんの位置取りもおかしく中山→前嶋→山口のパス交換で置き去りにされてしまう山口2CB。まるでショートカウンターをくらったかのような山口。

前嶋くんのパスも見事でしたし山口くんのシュートも簡単な角度ではありませんでしたが豪快に決めてくれました。

52分19秒くらいの水戸のカウンターも見事というか山口の守備が・・・。水戸ゴール前で山口のFW浮田くんがもらったパスを浮かせてしまい、ンドカさんがヘディングでボールをクリア。ボールを受けに戻ってきた山口くんが森くんへ。ヘナンさんと陸くんに囲まれながらも森くんが山口くんへボールを戻します。

それは良い。チャレンジしてボールを奪えなかったのは。というか森くんの判断が素晴らしかったです。しかし山口くんがボールを持ってから正面にいたヘナンさんが左側にいる中山くんに気を取られすぎて、完全に右側の守備を放棄しているように見える。しかも中山くんには眞鍋くんがマークについていました。それを見て山口くんがヘナンさんの右へ走っていた森くんにボールを渡します。鋭いミドルシュートはギリギリ枠を捉えませんでしたが、山口の守備はズタズタでした。

やっと動いた霜田さん

そこで山口の霜田監督は3枚の交代カードを切ります。パウロ・村田・イウリを下げ高井・森・小松をIN。守備の修正よりも攻撃のカードを切る。そこが霜田さんのポリシーなのでしょう。

小松くんは昨シーズン金沢にレンタルされて、五輪代表にも呼ばれていたにも関わらず、その後リーグ戦に使われないという不遇を過ごしたのですが、とても守備の意識・周囲を使う能力の高いストライカーです。

その直後に水戸の3点目が入ります。山口側に色々と問題はありましたが、イエローを貰っているヘニキさんがPAに入ってくる奥田くんを止められなかったのと、その奥田くんを止めようとアタックに行った眞鍋くんが中山くんを背後に置いてしまった事が一番の原因。今までの流れを見ていると、とにかくボールを狩りに行けと言われているとしか思えません。(もちろん後ろのサポートを信じてという事があるのでしょうが)

で、先ほどの3枚の交代で本来のバランスである4-4-2へと移行した山口。58分30秒あたりで、前線でターゲットとなる小松くんが池上くんへボールを頭で落とし、左サイドを駆け上がる山口の森くんへロングパス、森くんのクロスが弾かれコーナーキックを得ます。単純なのですが、この試合の中で無理に速さで抜き去ろうとしたり、無理に人数を掛けずに崩そうとしたりしていたので、確実に繋いでいくこのシーンで若干、水戸は嫌な感じを受けたのではないでしょうか。

山口はそのあとに森くんが再び得たコーナーキックを池上→森のショートコーナーでスタートさせPA角までドリブルで持ち込みフワッと浮かせたパスを高井くんがヘディングで合わせて一点を返します。その前のコーナーでも水戸GK松井くんの右側を狙っていたので、その辺が弱いというスカウティングをしていたのかもしれません。

その後も4-4-2とした事で近い位置でボールを出せる、またネガトラ時もボールホルダーへプレッシャーをかけられるようになった山口が2点目を奪い、試合の雲行きが怪しくなっていきました。

水戸ディフェンスが完全に抜かれた得点では無かったのですが、高井くんのヒールパスと高井くんにアタックにいったンドカさんの空けたスペースに、小松くんに上手く入り込まれてしまいました。

小松くんは今季初ゴール。パスコースを切りながらの素早いチェイシングは健在。これからのゴール量産も期待できますね。というか、山口で坊主頭の選手を見ると坪井さんを思い出してセンチメンタルになりますね。この時間は丁度水戸の運動量が落ちてきた頃でもありました。

目には目を、システム変更にはシステム変更を

水戸は73分に乾→山田と交代し山口と同じ4-4-2へ移行。その後すぐピットブルさんと松崎くんがIN、中山・山口がOUTでピットブル・奥田の2トップとなります。

ミラーゲームとなった事で、水戸が本来持つ質的優位性を随所で発揮し、山口に傾きかけていた流れを引き戻しました。山口は川井・森の右サイドからの攻撃に活路を見出そうとしていましたが、山田くんの高い危険察知能力や前嶋・森のパスカット&チェイシングで山口の右サイドを自由にさせませんでした。そして最後に森→住吉の交代で5-4-1へ。

試合の幕を下ろそうとしたところで山口の眞鍋くんのパスミスを奥田くんが見逃さず、ピットブルさんをオフサイドにかけようとした池上くんでしたがもっと後ろに眞鍋くんがいたというまさかのオチで、ダメ押しの4点目がは入りました。もしかしたら勝ち点1が手に出来るかもしれなかった場面で自滅するという、同じ試合で浮き沈みの激しかった山口。

試合終了

山口のほころびがかなり目立ったので、水戸のレビューっぽくなりませんでしたが、シュート29本(枠内11本)で4点、しかも相手が自滅した事を考えると秋葉さんの言う通りあと1~2点は欲しい試合でした。かなり山口が激しく当たってきましたし、そこをいなしてゲームを完全に支配出来るようにならなければいけなかったかと思います。セットプレーからの失点が少し多いのも気がかりです。

しかしやはり秋葉さんのサッカー、水戸のサッカーは若さが溢れ出てきて順位以上に勢いを感じ、より一層好きになりました。随所にしっかり見せ場も作りますしね。また出来る時を見つけてレビューしますので水戸の皆様、よろしくお願いします。

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