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数珠繋ぎハンドメイド『燻製』

自家製の燻製器とそれで作ったベーコンです。
時々こうして燻してるのですが、別に前から燻製が好きだったわけではありませんでした。
そもそものキッカケは、部屋の片隅に放置していた貰い物の一斗缶です。

元々乾パンが詰まっていたもので、上から蓋をするタイプで当時はガラクタか何かを入れていました。
そんな感じの扱いなので、チラチラと視線に入る度に「邪魔だなぁ」と思ったりして。
使い道を模索しているうちに思いついたのが、「燻製器にしよう」ということでした。

実際に作った燻製器の外観です。
出来た当初の写真は消してしまったので、インスタに挙げたストーリーから引っ張ってきました。

用意したのも食材を置く網と棒くらい。100均とホームセンターで買ったので、材料費は¥200ほど。留め具は家にあったネジなのでタダです。
市販のダンボール燻製器より安い。

写真を見た通り、メチャクチャ適当です。
肉を吊るす棒と二段分の網の留め具、それとチップの入り口にする穴を錐とニッパーで開ける。後は網を設置して終了。チップの入り口がアルミホイルで軽く塞ぎました。
あとは蓋に温度計をつけたくらいです。作業時間は30分ほどでしょうか。

燻製器を作ったのだから、燻製しないわけにはいきません。
最初はベーコンだろうと思い、バラ肉のブロックを買って下準備です。
水洗いしてぬめりを取ったら、全体をフォークで刺して塩と胡椒を塗り込む。塩の分量は肉の重さの2%です。
ラップとジップロックで空気に触れさせないようにして冷蔵庫に1週間寝かせ、その後塩を洗い落として乾燥。夏場だったので冷蔵庫に1日置いて、翌日いよいよ燻製です。
使ったのはスモークウッド。火をつければ煙が上がり続ける、線香みたいなものです。大きさは一本で石鹸3〜4個分ほどありますが。

初めて作ったベーコン、めっちゃ美味かったです。
これ以降、豚や鶏肉のほかにもポテチや卵を燻しては酒のツマミにしてました。
自分で食べるだけじゃなくて友人たちに振る舞うことも。
みんなが喜んでくれるのに気を良くして頻繁に作ってました。

ただ何度も使っていくうちに、愛用品とも呼べるこの燻製器にも不満が出てきます。
まず素材。薄いブリキ製なので外気温に影響されやすく、すぐに温度が上がったり下がったりして調整がすごく面倒。
冬が特に大変で、温度が中途半端だと雑菌が繁殖してしまうので、炭火やコンロでの調整が欠かせません。それもやりすぎると焦げます。

あとは構造。一度上蓋を開けると煙も熱も全て逃げるので、様子見がほぼできません。
使ってるうちに熱で変形してしまい蓋や網が取り出しにくくなったり、隙間ができてそこから煙が逃げてしまったり。

改良や買い替えを考えましたが、手間もお金もかかってない自家製燻製器。今更手を加えたり、既製品を買い替えようという気にはなれず。
使いづらいなと思いながら、それからもずっと使い続けていました。

踏ん切りがついたのは、いよいよ燻製器が限界を迎えた時でした。
錆びて歪んで、底には穴が開いています。隙間が広がり煙もどんどん逃げていく。
これはダメだとようやく決心して、燻製器の新調に動き始めました。

まずホームセンターに行って燻製器を下見。
値段は¥1000〜¥10000ほど。素材もダンボールやスチール製など様々。
一通り見て思ったのが、「高いな」ということ。
正直、どれを買っても満足できそうにありませんでした。
ダンボール製はたぶんすぐ壊れるだろうし、他のものも容量があまり変わらない。
使えば良いものかもしれないけど、どこか「キャンプやBBQのついで」という物な気がしてなりませんでした。

結論として燻製器は作ることにしました。一斗缶などを活用するのでなくイチからです。
今までの不満を全て解消する設計をして、材料の調達から製作まで全て自分でやりました。

設定した温度に達すると電源が落ちるサーモスタットと電気コンロ。
素材は杉板と角棒で、内側にベニヤを貼って外気温の影響を減らしています。
あとは扉を分けて、チップの補充や食材の出し入れ時に熱や煙が逃げづらい形に。
「こうだったら良いな」と思ったものを全て詰め込みました。

最終的にこんな大きさに。
並べてみると改めて実感しました。デカい。
容積は3倍くらいになりました。作っておいてなんですが、こんな大掛かりなものになるとは思ってなくて自分でビックリしてます。
ただ使い勝手は格段に良くなりました。肉もチーズも美味しく燻せてます。

しかしここで疑問が。もともとは一斗缶の活用法を考えた末の燻製器だったはず。
一斗缶がダメになったならそこで終わってもおかしくなかったのに、イチから作り直すという始末。
ちなみに一斗缶は今焚き火用として置いてます。試しで火を起こしてみたら、下に開けた空気孔が良い働きをして良く燃えました。
たぶん朽ち果てるまで使うと思います。

話が逸れましたが、いつからこれほど燻製に力を入れるようになったのか。
きっと、人に振る舞ったことが大きかったのだと思います。
自分だけで食べていたら、間違いなく飽きて終わっていたことでしょう。

一斗缶の活用法として燻製を始めて、上手くいったから人にも振る舞い、壊れるまで使い続けて最終的には完全自作。今、ベーコンにする肉を仕込んでます。

次はどうなるのでしょうね?いろいろと想像してますが、たぶんどれも外れるでしょう。
今のこの状態を、一斗缶が壊れるまではまるで想像していなかったのですから。

#燻製 、#自作燻製器、#ハンドメイド

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