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頻尿でお困りの方に考えてもらいたいこと

何度もトイレに行くという「頻尿」と呼ばれる症状があります。

こういう症状に悩まされる患者さんは、日々の生活の中で小さなストレスがかかり続けている状況があり、

専門家のいる病院で診てもらって一刻も早く解決してもらいたいと願うのが当然の流れだと思います。

しかしながら、そう考える前にこの「何度もトイレに行きたくなる」という症状にはどういう意味があるのかということを考えてみることを私はおすすめしています。


さて、おしっこはなぜ出るのでしょうか。

水分のバランスを保つため、身体の中で栄養として消費され不要となった老廃物を排出するため、身体の中でのミネラルの濃度を一定に保つため・・・などなど、様々な役割があると言われていますが、

いずれにしても必要があっておしっこが出ていると考えるべきでしょう。

もとはと言えば、決してむやみに身体を困らせようとして現れている現象ではないということを確認してほしいと思います。

ではその必要があって起こっている「排尿」という現象の回数が増えているとすればそれはなぜなのでしょうか。

それは、「回数を増やさなければバランスを保てなくなっているから」ではないでしょうか。

なぜ回数を増やさなければバランスを保てなくなっているのかについてはいくつか可能性が考えられます。

例えば、「水分を摂り過ぎているから」。

水分が多すぎると身体の中が水浸しになってしまうので、それを出そうとして尿が出るという流れがあります。

あるいは、「ミネラルが少なくなっているから」。

塩分などのミネラルは常に一定の濃度を保つように身体の中の様々なシステムで調整されています。

少ないミネラルでも濃度を一定に保つには溶媒に当たる水分を減らす必要があります。濃度を保とうと溶媒を減らすために尿が出ている可能性もあります。

そしてもう一つは「毒物・老廃物が過剰になっているから」。

「排尿」は身体に不必要な物質、あるいは不必要となった物質を体外へ出すための重要な排泄経路の一つです。

何かしらの原因で身体に不必要な物質が溜まりすぎているのであれば、それを排除するために「排尿」システムが頑張っている可能性もあるでしょう。


こうしたことは何も医療の専門家でなくとも、想像しやすい内容ではないかと思います。

でもそれを素人が想像したからといってどうなんだと思われるかもしれませんが、ここからが重要な話です。

先程の「水が多すぎる」「ミネラルが足りない」「毒物が過剰」という発想がありさえすれば、見直すことができる生活行動があり、

それに気づくことができる最も有利な立場にあるのは他ならぬ患者さん自身です。

例えば、「毒物が過剰」という発想があれば、普段からコーヒーを常飲していることが頻尿の原因であることに気づける可能性があります。

なぜならばコーヒーの中に含まれるカフェインは軽度の興奮剤であり、言わば毒物の範疇に入りうる薬です。

コーヒーを水代わりに飲んでいる人であれば、その中の有毒成分を一生懸命排出しようと「排尿」システムが過剰に働いている可能性が否定できません。

ところがこれをその人がコーヒーを水代わりに常飲していることを知らない赤の他人でしかない医者が気づくのには、患者自身が気づくよりもハードルがあります。

「身体に悪いものを摂取し続けていませんか?」という質問をしても、当然「コーヒーの常飲」という回答は出てきません。なぜならば、身体に悪いと思ってコーヒーを飲んでいる人はほとんどいないからです。

しかし「頻尿は毒物過剰の適応反応」という頭があれば、コーヒーの常飲がもしかしたら身体に悪いのかもしれないという発想に行き着く可能性が出てきます。

「コーヒーくらいすぐれた医者ならすぐに問診で聞き出せるはずだ」と思う人もいるかもしれませんが、毒物はコーヒーだけとは限りません。

今回はたまたまコーヒーの例を出しましたが、例えばサプリメントの添加物などが原因であれば、それをピンポイントに聴かない限り、医者側が患者の実情を把握することは不可能です。

しかも病院で一人にかけられる診療時間は忙しい病院ほど数分程度、長くても十分程度です。

その中でコーヒーやサプリメントなどの毒物の可能性を探る時間は限られています。その結果、多くの病院でなされることは「頻尿を抑える薬」を処方されることです。

これらの薬は前述の「頻尿」が起こる原因を全く解決していないので、表面上頻尿が収まったとしてもその効果は一時的で、次第に薬では抑えきれない時期が来ることは不可避です。

そもそも患者側に「そんなにコーヒーは飲んでいません」と答えられたらアウトですし、

コーヒーが大好きな人なら「それを止めるように言われたくない」という気持ちから真実とは異なる修飾した情報を医者に伝える可能性もあります。

そういう意味で、患者さんが解決行動へ近づくための最も有利な立場にあると私は考えているのです。


このように考えていくと、「頻尿」を解決するために大事なことは専門的な知識云々というよりも、

「コーヒーは健康的」だとか「サプリメントは身体に必要」などと考える固定的な価値観の方が問題であるように思えてきます。

身体がなぜそのような現象を起こしているのかという原点に立ち返れば、

それらの常識を疑って、生活行動を見直すきっかけになることもあるのではないでしょうか。

ちなみに頻尿は頻尿でも、排尿時に痛みを伴っていたり、発熱を伴う場合はばい菌などが原因で感染症が関わっている可能性が濃厚です。

そのようなゆっくりと考える余裕がない時は病院に頼ってよいと思いますが、

長いこと付き合っている症状で、少し余裕を持って考えることができる場合は、その現象がなぜ起こっているのかについて考えてみると、

その症状を根本的に治す生活行動の改善につなげることができるかもしれません。

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