フリーランスでなかなか稼げないと感じた時に思い出してほしいこと

1．ライフワークとライスワーク

やりたいことがあってフリーランスになる人は多いと思います。

私もそのフリーランスの一人ですが、そうした道を志した人に共通して待ち受ける壁があります。

それは「やりたいことで稼げるとは限らない」ということです。

YouTubeのキャッチコピー、「好きなことで、生きていく」は魅力的ですが、

フリーランスになってもなかなかそううまくはいかないのが現実だと思います。

ライフワークとライスワークという概念があります。

ライフワークとは自分が一生をかけてずっと続けていきたい仕事のこと、

ライスワークとは、必ずしもやりたい仕事というわけではないけれど、生活費を稼ぐために必要な仕事のことです。

ライフワークとライスワークが一致することが理想的な状態に思われますので、

多くの人はライフワークで稼ごうと頑張りますが、なかなかうまくいかないために別の仕事をライスワークとすることで、

まだまだ稼げないライフワークを維持するために生活費を稼ぐという状況になりがちだと思います。

「ライフワークとライスワークを一致させよう」と言っているようなYouTubeのキャッチコピーは、それが故に魅力的に映るのでしょうね。

2．自分のライフワークは本質をついているか

一方で、生活費を稼げるような仕事へと昇華させるためには、基本的にはその仕事が多くの人に役に立つものである必要があると思います。

私はオンライン診療専門の医療を拡げようとフリーランスの医師として頑張っており、これをライフワークとしていきたいわけですが、

このコロナ禍においてもなかなか利用される患者さんの数はなかなか増えてきません。

それというのも、おそらくは多くの方の選択肢の中に「オンライン診療を受ける」というものがないからではないかと思います。

オンライン診療はまだまだ一部の人が利用する少し特殊な診療スタイル。この状況である限り、私がこの仕事で食べていくことは難しそうで、

どうしても他の病院でアルバイトの業務を行うライスワークは外せそうにはありません。

ここで思うのは、「自分の仕事はいつかは多くの人の心をつかむのかどうか」です。

そもそも少数の人にしか価値を提供できない仕事なのであれば、いつまで経っても自分の仕事でライフワークとライスワークを一致させることはできません。

しかし生きていれば状況は変わります。オンライン診療もいつかはメジャーな存在になっていくかもしれません。

この時に大切なのは、今の仕事が本質をついているかどうかだと私は思います。

もしも仕事が与える価値が本質的なものであれば、それはまだ時代が追いついていないだけで、

時代が変われば、多くの人に受け入れられるものに変わっていく可能性があります。

逆に言えば、その時代の変化が訪れるまで根気よく続けておかなければならないということです。

その意味で、もしも自分の仕事が本質をついていると思うのであれば、

「これで生活費を稼ごうとあまり思わない方がよい」と私は思います。

なぜならばまだ時代が追いついていないのに、無理に今の時代の価値観に合わせにかかってしまうと、

せっかく本質をついていたのに、そこから本質がずれてしまって、

いつの間にかやりたくもないことをやっていることにつながりかねないからです。

3．あせらず、ゆっくり、じっくりと

ライスワークがやめられないことを残念だったり詳しく感じることはあるかもしれませんが、

フリーランスになってまで選んだ自分の仕事に自信があるのならば、あせらず続けていればよいと私は思っています。

その時間も実は人生の糧となっているはずですし、

ぶれずに自分の仕事の価値を守り続けて、それが多くの人に受け入れられる日が来るのだとすれば、とても嬉しいではないですか。

その日が来るのを楽しみに、自分の価値を高めながら成長していきたいですね。