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イジメと亡霊

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著者:令和寛 絵:しめさば
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記事一覧

イジメと亡霊②

朝、2週間に1回は必ず虐められてた時の夢を見る。今日はその日だった。殴られたり…とかではなく、ただ部活をしてる夢。

でも、それを見るたび当時がよっぽど辛かったんだなと思い起こされる。
今日もおそらく、楽しくはない、ただ、虐められてた頃に比べれば、マシだ。暴言も暴力もない平和な世界だから…。
強いて言えば、劣等感くらいだ。孤独でない人たちと比べて…。

列車に揺られ、携帯の画面をただ眺める。
同じ

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イジメと亡霊③

日が木の葉の隙間からこの岩を射すように、何かが僕の心の闇の中に、射すような。

見とれながら僕はかおりさんに問いかける。
「この岩が、どうかしたの?」

岩からは草や木のように情緒が感じられないが、
時流を感じさせる力を感じさせて、
でもそれだけではなく、目に見えない何かがこの岩には感じられる。

「しみじみとした、美しさは目に見えないものだなって…」

ひとみさんの発言は、どこか世間離れしていて

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イジメと亡霊  (1.2)

イジメと亡霊 (1.2)

著者: 令和寛 絵:しめさば

1.理不尽な足跡

イジメを受けたのは2年前。だけど…
イジメ後遺症はまだ消えていない。

人を見れば、何か悪口を言われてる心持ちがして。人間がただただ怖い。そんな状態で友達もできるわけもなく…誰からも理解されれない世界で、僕は孤独だった。

逃げてはいけないけど、理不尽極まりなかった。
青春なんて無縁。イジメを受けたあげく、得てしてイジメをした側や、見て見ぬ振りを

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