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ホームインスペクターのつぶやき1

「0、耐震」
A、地盤調査と地盤改良
令和6年元旦の地震で、新築の住宅が高台の敷地から転がり落ちている映像や、鉄筋コンクリート造の7階建の建物が積み木のように横に倒れたショッキングな姿が写し出されていました。
被災された方には心よりお見舞い申し上げます。

地震と地盤の関係は切ってもきれない関係である事がわかります。

2000年以降の最近の新築住宅では、ほとんどが住宅着工前に地盤調査を実施します。2000年より前の住宅では地盤調査を実施していないケースが多いように思います。

我が家は地盤調査を実施して、強固な地盤であったので、地震に対して安心だ。とか適切な地盤改良を行なっているので安心だとか思っていないでしょうか?
これから新築を建てようとしている人でも地盤調査を実施しているし、耐震等級3の住宅だから絶対に大丈夫だと信じ込んでいないでしょうか?

住宅で行なっている地盤調査(スクリューウエイト貫入試験やボーリング試験)とは建物の重さを支えられるかどうかを判定するものであり、地震で耐えられるかどうかを判定するものではありません。
長い間に地盤沈下して家が傾いたり、建物にひび割れが起きたりする事を防ぐには地盤調査は有効ですが、地震に対しては判断できません。

このような調査に対して、「微動地盤探査」というものがあります。
海の波、川の流れ、自動車の動きなどの常時発生している人間には感じない微動を使い、地盤の揺れ具合を判定する診断方法です。
具体的には「表層地盤増幅率」「共振(卓越周期)」「S波速度構造」という数値で表されます。
その中で「表層地盤増幅率」は1.0とか1.5、2.0のような倍率であらわされ、地盤の揺れやすさを表します。同じ震度5弱の揺れでも1.0では震度5弱でも表層地震増幅率が2.0の地盤では震度6強になったりするという事です。
「共振(卓越周期)」とは地盤には周期の特徴があり、最も強く特徴が出ている周期を卓越周期といいます。その地盤上に建っている建物が持っている固有周期と、地盤の卓越周期が一致すると「共振」という揺れが大きくなる現象が発生します。


微動地盤探査は食パン一斤程度の大きさの器具4台で1時間程度計測するだけで、手軽に計測できます。


微動地盤探査機


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