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日本の伝統的な包装をもっと知りたい

私はプラスチック関連の研究をしていたから、パッケージにどんな素材が使われているのか、ということに関して気付いたらけっこう敏感になっていたように思う。そこから転じて、日本の天然の素材を使った包装を良いなと思い、今はプラスチックどうこうという文脈は関係なく、純粋に日本の伝統的なパッケージに興味を持っているということに気づいた。例えば、木の板と経木を使っているお弁当だからと日本橋の老舗弁当屋「弁松」へ一人弁当を買いに行って話を聞きに行くくらい。

今日行った展示「包む-日本の伝統パッケージ」を観て、それに拍車がかかってしまったので思わず書き留める。


公開メモ

ここは、私が見ながらオンタイムでスマホにメモをしていった感想や気づきの羅列をそのままに。なのでただの公開メモ。自分はこんな視点で見ていたよ、といつか誰かと話せたら嬉しいという期待も込めて!

【素材別】
▼竹
・使う材料の細さで繊細さを出すなら木よりも竹の方が細工しやすそうで丈夫そう
・竹は皮の部分をつぎはぎのようにするため、糸や他の細い繊維状のもので縫い合わせることが多いようだ
・細くても強いかつ柔軟性や反発性があるためか、竹が1番立体性を兼ね備えた繊細さがある気がした。

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▼笹
・笹の茎の部分の汎用性をわかっていなかった。葉っぱの部分しか使われているのをイメージしていなかったけれど、太巻きを巻くときに使うようなミニ簾的なものは大体笹だったのか。
・祇園祭で配るちまき!!!家にある!!そういえば段々と作れる人がいなくなってきたと現地の人がおっしゃっていた。

▼紙
・表面に筆で描けるため、それまでの包装に比べて一気に絵柄や文字が細かく繊細になっている。
・色味は日本特有の淡い色も多く表現されるようになっている(土と対照的)。素材と表現できる色の関係性ってあまり考えたことなかった。
・色の違いだけでなく、真っさらに貼るか、シワシワにして貼るか、同じ紙でも異なる材質のものを半分ずつにするか、など紙であることでデザイン性にも簡単に幅が出せるようになってきた模様。
・包む部分はほんの一部分で、ひねった紙の余白の部分を大きく華やかに"見せる"という要素にも使っている。ひねりは包みの始まり
・防水の表面に塗るやつをもっと知りたい(柿渋など、その他)

▼木
・木の皮も使えるとは知らなかった。木の内側部分と皮の部分での使い分け理由はなんだろうか
・他と比較して木なら焼印を入れやすい・見えやすいからか、盛んに焼印が使われるようになっている


観察をしての全体の気づき

・口を封じるところは和紙で糊付けしている模様。それはどの素材でもそうしているみたい。(木、土)
・土になると一気に茶目っ気が出る。多分顔料や形に自由度が増すから。(天狗や獅子舞の獅子の頭の鮮やかな色、ひょっとこ、隠れ恵比寿様がいる、たぬきの間抜けな表情)
・包むだけでなく、例えば魚を包む藁で魚の尾びれを示していたり、本当に細かい表現が豊か
・「藁のつと」をはじめ多く共通しているのは、食べられる分だけ解いて食べられるようにする包み方が多いということ。
・俵の蓋と底になる丸い部分は、一部の地域では正月のお供えや流し雛に使われる→普段使うものが飾りである
・「いづめこ」は「飯詰籠」と書く。お櫃を保温しておく雨の籠だったが、乳児を入れてあやしたりら乳児を田仕事へ連れる時のベビーベッドとして使われていた→機能面からそうしていたわけだが、お米も子供と同じような感覚で大切にする、みたいな価値観もこういうところから影響を受けていたりするのだろうか。


今の私の琴線に触れた、留めておきたい語録


「それぞれのマテリアルの持ち味を的確にとらえ、それをできる限り損なわないように利用していること。ここらあたりに日本人独特の生活態度が表れているのではあるまいか」


「自然の厳しさに逆らわず、自然そのものから創意工夫を得た」


「日本人は昔食べることを"見る"と言った」


「包(つつみ)は必ずときほぐされ、形を崩し、大地に還るものだった」


感想


日本の伝統的なパッケージは、人の生活が自然と一緒に在ったからこそ生まれる想像性によって出来ていたことを理解した。繊細さ、使える美しさが日常的にあった日本人の心と技術に心を打たれた。自然と共にあってこそ生まれたり機能するものであるから、都会の中で考えていても限界があるし、日本人が持ち合わせていた美意識や感性も、自然の無い都会ではほぼ使われていない状態であるということを再認識。失われてほしくない素晴らしい技術や表現力、自然との関係性を続けるために、細々とでも良いから自分はどこで何が出来るのかを考えて動きたい。

私の周囲には、気になる分野や好きなトピックをとことん掘り下げて物理的にも動き回っている人が多いから、私も日本の伝統パッケージの職人さんのもとを訪ねて歩く旅はいつかしたい。

まずは本で情報を仕入れていこうと思う。

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