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君と。 2。

君の朝は非常に早い
そして君は、断続的に眠る
いつも嫌な夢ばかり見る君は
日曜日だけはニコニコとして
薄い笑みを浮かべて
なんとも穏やかに眠ってくれる
君の頬に柔らかく、何度も口づけし
君の髪を撫で
君の髪の毛の中に、私は鼻を埋める
皮膚と皮膚とを
隙間なくくっつけて
君の頭の中に
君の触覚の中に
君の嗅覚の中に
私は自分の汗ばむ、皮膚の感覚を伝え続ける
すると君は
どういうわけだか悪夢を見ない
気持ちよく
心地よく
穏やかな眠りに落ちてくれる
夜みたい
浅く、嫌な焦燥もなく
誰かに叩き起こされるような
嫌な焦燥もなく
日曜日の昼間だけは
深く深く
意識を深く落として
充実した眠りをしてくれる
私は、定期的に
布団からはみ出した君の皮膚や頭皮にくちづける
長い時間
君の皮膚や頭皮に唇やほっぺたを擦り付ける
起こさぬように柔らかく、柔らかく

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25歳 上の夫(令和5年、77歳。重篤な基礎疾患があります)と私との最後の「青春」の日々を綴ります。

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