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『君よ!』

『君よ!』

カーテンから 柔らかな日差し
ただ すこやかに眠る君
「 気持ちいいか?」と 声かける
「ああ 気持ちいい」と 返す君
不安も 悪夢も 懸念も
そんな一切から放たれて
ただ気持ちよく すやすやと
昼寝する 君を見ている
私それだけで 夢も希望も
人生のあらゆるものが
君が 心地よく あるだけで
全ての願いは 叶うんです

「 数値が 全てではない。
現に私が生きている」
病患う友の  力強い一言よ
毎日が 日曜日 みたいで
君と 二人だけの日みたいで
笑いながらちょっかいかける
涙見せるな 私

君よ! 今この瞬間をと
笑い合う時 重ね
君よ! 私の願いはただ
あなたの心地よさ

深い闇の中突き落とされる
夜ごと 君の戦う悪夢
日々 激しさを増してく
地獄絵図 さながらに
夢に叩き起こされて
一人居間の 車椅子
電子タバコ吸いながら
朝まで 君 何を思う

愛というのが 炎なら
地獄まで 焼き尽くすような
燃えて燃えて 消えぬような
果てしない野火になれ

君よ! 今この瞬間をと
笑い合う時 重ね
君よ! 私の願いはただ
あなたの心地よさ

日々 君の 変化する
小さく 小さく 変化する
体の状態に  くまなく目 を凝らしながら
まだ まだ生きられる
まだまだ 生きられる
笑顔を失うな
最後まで謳歌しろ

君よ! 今この瞬間をと
笑い合う時 重ね
君よ! 生き まくれ 時の限り
燃え盛る 火のように

君よ! 最後の最後まで
二人で手を つなぎ
君よ! 生きまくれ 時の限り
燃え盛る 火の ように

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25歳 上の夫(令和5年、77歳。重篤な基礎疾患があります)と私との最後の「青春」の日々を綴ります。

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