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不甲斐ないまま51歳。コツコツ出来ることをやれ。

祖父を思い、 祖母を思う。
父を思い、 母を 思う。

まだ子供だと言うのに、そろばん たった1つを武器に、 自分の身を売り 家族を助け、 ひたすら 働き、 祖母と結婚し、 すぐ 兵隊に取られ、 長年 捕虜を やってきた 祖父。

まだ10代で、 兄弟姉妹を連れ、 家を 追い出され、 貧民窟で 裁縫 1本で 兄弟姉妹を育てた 祖母。
祖父 の子供である父を、 防空壕 の 中で産み、 闇市で 働きながら 育て、 祖父を待ち続けた 祖母。

焼け野原の中、 家族で木炭を掘る仕事から始め、 そうやって父を育てた 祖父母。

学生時代、 ヤクザに監禁されて 組に入れと言われ、 女をあてがわれ 暴力を振るわれ、 組は絶対入らないと、 女に手をつけず、 暴力にも負けず、 ヤクザが 根負けして 解放するまで、 苦労した両親のために 粘り倒しに 倒した 父。

家もないほど貧乏で、 丁稚に行った 兄弟姉妹の 助けで 小学校中学校高校と行けて、 父と結婚してからも 働きに働いて その恩を返し た母。
生まれた 長女の私はといえば 問題児のあげく 統合失調症にまでなり、 苦労して苦労して 介護して 貯金を 何度も入院する私 に 使い、 挙句の果ては 私の子供まで 引き取り、 父に息子を任せ、 たびたび 上京しては 私の世話をし 金を使い、 そこ まで したのに 私のせいで鬱になり、 生き地獄ばかり見てきた母。

がむしゃらに働いて、 ただがむしゃらに働いた 父。
私が死んだ生きるだ 自殺未遂を繰り返すたびに 泣く 母を見て、 時には怒り、 時には私を励まし、 時には母に代わって 私の介護をしに 上京してくれた 父。

最後まで私を守ってくれた この両親。

私の犠牲者でもある この両親。

私は生まれて生きてきて、 祖父 や 祖母、 父や母、 その 地獄や 破滅や そこから何度でも 一歩 ずつ 立ち上がる気概や、 そういったものを寸分も知らず、 51歳になった。

苦労知らずのお嬢ちゃんもいいところである。

私はあまりに恵まれすぎていて、 地獄も破滅も知らない。

苦労 という苦労も知らない。

私が言うところの貧乏というものは、 結局は飯が食えているし、 何より安くたって 住む アパートがあったし、 何を持って貧乏と言うのか、 我ながら ちゃんちゃらおかしい。

みんなみたいに 贅沢ができない、 それは自分の力量不足。

ボビーに贅沢をさせてあげられない、 それも自分の力量不足。

小さな息子に あんなに おもちゃだお菓子だ遠慮させた、 それも自分の力量不足。

甘ったれの甘ちゃんもいいところ。

自分なりに必死で頑張ってきたような つもりがあったが、 結局は親に尻拭い してもらったり、 ホビーの献身的な努力があったり。

仕事だって、 SM 雑誌に 文章書いてた頃から、 挿絵を書いてた頃から、 編集長には恵まれ 担当さんには恵まれ、 AV 女優 だったり 風俗 だったり ホステスだったり、 そんな時も、 監督さんや スタッフの皆様 や 周りのみんなに恵まれ、 風俗でもお客さんはいい方ばかり、 ホステス時代も ママや マスター やお客さんに恵まれ。

結局は なんだかんだ言って、 自殺未遂 だ 首を切った、 歩道橋から飛び降りた、 周りの迷惑を考えず、 感情に走ってばかり、 そしてそれをことごとく 許してもらい。

一体何をやらかしてんだか。

頭がおかしくなったって、 友達には 恵まれ、 仕事では待ってもらい、 読者の皆様にも待ってもらい、 遅筆遅筆遅筆、 もう自分では本当に、 統合失調症だということを 免罪符にしているんではないか? そんな罪 の意識 ばかり。

だいたいにして、 家の中で 引きこもって 仕事してて 統合失調症のくそもねえだろ、 あんま関係ねえだろ、 そんな自問自答の繰り返し。

努力も足りない 苦労も 知らない、 本当に力量が足りない。

金がない 金がない、 貧乏神は自分自身。
つまりは己の能力不足。

あれだけ苦労人の、祖父母 に全く申し訳が立たない。

あれだけ苦労人の、 両親に全く申し訳が立たない。

祖父母のしてきた 苦労、 両親の してきた 苦労、 その人生で何度もあった 生き地獄も どんな 破滅 も、 そこから這い上がるだけの ど根性も、 私は 経験したことがなく、 小さく縮こまって 本当に小さく 小さく、 スケールの小さな人生を のらりくらりと歩んでいるだけ。

草葉の陰の祖父母や、 老いた両親に、 何がしかの恩返しがしたい、 せめて両親に、 楽な老後を送らせてあげたい、 そんな夢ばかり見ているが、 私の人生のスケールの小ささ ときたら、 お恥ずかしい限りである。

私の稼ぎのなさ ときたら、 祖父母 にも 両親にも、 恥ずかしくて恥ずかしくて、 何の言葉も出ないのである。

自分は自分と 努力して、 祖父母のように なれずとも、 両親のようになれずとも、 とにかく コツコツ積み重ねて、 両親が生きているうちに せめて、 友人たちのように、 自分の親に対して できる限りのことを、 何がしか 恩返しがしたいと、 恥ずかしい気持ちで生きている。

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