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【続報】和解?ー日立金属事件(中国訴訟)

以下の記事で紹介した日立金属の事件ですが、

その後、ある中国の大学教授の講演を聞く機会があり、その先生が、上記事件は、和解したようだ、とお話されていました。

早速、調べてみたのですが、公開裁判データからは、上記の事実を確認することはできず、私が事実としてお話しできるのは以上の部分だけ、つまり、「本件は和解で終結したとの情報が中国にある」、ということだけで、和解の内容も分かりません。

上記記事でも書きましたように、本件は、一審判決後(判決内容は上記記事に張り付けています)、上訴されたことが確認されており(中国は二審が終審で、本事件の場合は、最高人民法院の知識産権法廷の管轄となります。)、2021年11月に開廷審理が行われたことまでは分かっていました。
コロナ期を挟んだとはいえ、通常であれば昨年には判決が出ていておかしくない状態であり、もし判決でないなら、普通に考えたら和解、ということなのかと思ってはいたところです。

少し話がそれるのですが、中国の公開裁判データには、判決以外にも、(全てではないですが)和解で終結した事件も公開されているケースがあり、具体的な和解内容まで開示されているケースもあって、驚きます。なお、和解内容は伏せて、当事者が和解した事実のみ記載された和解調書が公開されているケースもあります。
このため、私は、訴訟で和解を考える際には、くれぐれも、このような事態が生じないよう、裁判所に念押しして、不公開をお願いすることをお勧めしています。公開されたことが確認された場合、情報の削除を求めることもできると思いますが、公開されてしまってからでは遅い場合もありますので、やはり未然に防ぐことが望ましいと思います。

中国訴訟で和解を考える際には、ご注意下さい。


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