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空を見上げて

世界空模様

「あぁ、日本の空はなんて美しいんだろう・・・」と安心して深呼吸できる。そして頬をなでる12月の風は冷たくて、そして心地良い。
今、深くそのように感じるのは、モンゴルとインドの空をみてきたから。

モンゴルの空と大地

冬のモンゴル

寒さを覚悟した瞬間!

11月6日、モンゴル、ウランバートル、チンギスハーン国際空港に到着した時、気温は零下11度!飛行機の窓から見る景色で、「寒っ!」と、まず自分の体に言い聞かせる。迎えに来てくれたモンゴル人の友人たちにとっては、これはまだ序の口らしい。1月、2月は零下30度も超えることもあるそうだ。私の滞在中の最低気温は零下20度だった。しかし室内には国の暖房網である温水暖房がどこにも24時間ずっと入っているので、とても暖かい。日本みたいにトイレやお風呂が寒いなんてことはない。ただ、ウランバートルの冬の大気汚染は、多くの人たちに呼吸器疾患など深刻な影響を及ぼしている。都市部のゲル(モンゴルの居住用テント)地区に住む人たちが暖をとるために石炭や牧、ごみまでなんでも燃やすことが原因の8割らしい。最近はこの石炭の質も変わってきたので、大気汚染も以前よりは少し改善してきたとモンゴルの友人は言っていた。
 モンゴルのもう一つの問題。それは渋滞。アジア各国で渋滞は大きな問題となっているが、ウランバートルの渋滞は、車の中で数時間軟禁状態になることを覚悟しなければならない。国民の時間をなんと無駄にしているんだろうと思う。この渋滞が軽減されたらモンゴルの生産性は格段に上がるのに、とモンゴルが大好きな私はとても残念に思う。モンゴル人皆もそう思っているが、その技術力がないと、友人は言っていた。


動かない車!

ウランバートルにいた5日間は、渋滞には悩まされたものの、大気汚染を感じることはなく、それよりもこの寒さのなかで人も家畜も、小さな鳥でさえ生きていることに、生物としての適応性とその逞しさを感じた。しかし、空を見上げることはなかった。九州生まれの私は、寒くて顔をマフラーで覆いながら、滑らないように足元だけをみて歩くのが精一杯だった。
 しかし、帰国のため空港へ向かう途中、ウランバートルに別れをと車の中で振り返る。見送ってくれたのは、市内の明らかなスモッグ!
やっぱりモンゴルは夏がいいな・・。

左奥、ウランバートルのスモッグが見える

夏のモンゴル

モンゴルの夏空は美しい!

今にも大空に向けて跳びそうなチンギスハーン像 
(馬の頭のところまで人も登れる)

 日本の夏の空は湿気が多いので水色だけれどもモンゴルの夏の空は、
これこそ蒼穹!
自然もおもいっきりその壮大さと美しさを見せてくれる。そして夜の星の美しさ。ぜひその目で見てほしい。
7月、モンゴルから空港へ向かっていた時の事、車の中で眠っていた私に
"Do you want to see a BIG rainbow?"とモンゴル人の友人。
見送ってくれたのは、なんともでっかい虹!
モンゴルに次ぎに行くときは、また見送ってくれるといいな・・・。

ゲル(モンゴルの家屋)から放射されたような虹

インドの空


ニューデリー空港

11月22日、私は、気温零下11度のモンゴルから1週間日本で過ごし、そして、気温25度のインド、ニューデリーへ。深刻な大気汚染で喉を傷めてしまった。世界で最も汚染された都市のランキング1位である。ちなみに上記のモンゴルは8位、東京は71位、大阪77位。
タクシーに乗るとドライバーは、エアコン付けず、窓を開ける。市中、ほとんどの人はマスクはつけていない。もちろんドライバーもマスクなし。「お願いだから窓閉めて~」と、マスクの上からハンカチで口と鼻をおさえて、メガネをかけて、顔全体をショールで覆う。風にまぎれたチリが肌に刺さるような感じさえする。こんな大気汚染の中でも生き物は順応していくのだろうか・・・・。知人のインド人は、「ニューデリーは人が住むところじゃないよぉ~」とも言っていたが、実際には約3300万人/14億人が住んでいる。コロナ禍では、インド北部からヒマラヤが見えたとも聞いたが今や、人々はコロナで休眠中だった経済を一気に取り戻そうと、躍起になっているように見える。
経済発展と国民の健康問題、どちらに焦点を当てるべきなのか自ずとわかっていると思うんだけどな・・・。

日本の空

 

青空に映える紅葉 これこそ、本当の”映える!”

 私は、週末は、お気に入りの場所を時間をかけて散歩することにしている。12月2日、今朝の空は殊の外、美しく感じた。頬を撫でる風は何とも心地いい。深い深呼吸を何度も繰り返し、インドの大気汚染にやられた私の肺を浄化した!
ニューデリーでは、太陽も月もぼおっ~と見えるから、空高く飛ぶ飛行機なんて地上からは見えないだろう。

飛行機雲に太陽の光が反射

 そして、風が水面をなぞる時に、太陽の光をうけてキラキラと輝く景色。
こんな風景を常に享受できることは本当にありがたいと、日常の貴重さに改めて感謝する。

カワセミもいる自然

さぁ、あなたも空を見上げてみませんか。思いっきり深呼吸して風を感じて!! いままでは見えなかった何か新しい世界が見えるかも!

最後まで読んでくださってありがとうございました!

おまけ

国境を越えた蝶の親戚かな・・・。

7月6日モンゴル ウランバートルから北に300Km セレンゲ県(ロシア国境付近)で撮影した蝶
11月25日、インド北東部、ビハール州ブッダガヤで撮影した蝶

どちらもとても美しかった。蝶には国境も戦争もないんだろうな・・・。


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