見出し画像

yield体験記 〜平和という感覚の伝授〜

古武術の達人でもある友人の馬渕海さんが施術家になるんだという話を聞いてちょうど私もモビリティケアのトレーナー資格を目指しているタイミングだったので、相互交流ということで、yieldという手法の施術を受けてきました。

感想としては、言語化難易度の非常に高い、ビックリするような内容でした。

何がすごいかというと、何をされているのかということが、受けただけでは理性では殆ど理解できないというところが凄いです。

何より、施術の殆どの時間を寝てしまっていました・・・

そして、それは、だから分からんのじゃという突っ込みのネタではなくて、施術の意図として、深く休息して欲しいという心持ちで行われているとのこと。そのため、寝てもらうことも歓迎で、寝ている状態ではこうするという指導もあり、実際9割以上の人が寝てしまうということでした。

私の中での結論から言ってしまうと、この施術は、『平和という感覚を伝授してもらう儀式』です。

分かる人には分かるかどうかも分からない表現ですが、この感覚は結構とてつもないです。

一旦やってもらったことを書き並べます。

最初には、T&Fという経絡を用いた施術で呼吸を整えてもらいました。寝ているだけでエネルギー調整をしてくれて呼吸が深くなるというこれはこれで不思議な施術でした。

そこから次に、yieldのワークが始まるのですが、自分は寝ている状態のまま、施術者が、部屋の色々なところに立って、何処が良いですか?と聞かれます。正直、最初は頭に?マークでます。

私が取り組んでいるモビリティケアでは、体の声を聞くことは行いますが、これは動いた結果をどう感じるかということを探ってもらいます。

結構それでも分からないことがあるのですが、このyieldのワークでは、全く自分が動かない状態で、結構離れた施術者の立ち位置の変化だけで、何処をどう感じるのかと問われるという質問を受けつつ、戸惑いながら、試行錯誤して自分の感覚を探っていきます。

何となくそこが良いかもというところを伝えて、そうこうしていくうちに(もう記憶なし・・・)寝てしまいます。

そこから先はなんとなくカラフルな夢を見たことを覚えています・・・

最後に意識が戻って来ると、足を上げてと声をかけられて、足裏の距骨という足の荷重のキーポイントになる骨や、大腿骨の重さを腰に乗せるワークなどを、非常に優しい感覚で行ってくれて終了でした。

寝ている間は、傍から軽く手を添えてくれたり、あるいは施術台に敷いたシーツ越しに少し身体を触ったりということをされていたりするようです。寝ていたのでそうされている自覚はないです。

終わった後は、よく寝られたあという感覚ですが、寝起きな状態なので、一体何が起きたのか、キョトンな状態になります。

石井さん、反応が良いです。寝ている間もいい感じで動いたりしていましたと言われました。

はあ、そうですか。キョトンです。

施術前に聞かせてもらった話は、細胞がそのまま地面に落とされてしまったら終わりですが、寒天の培地に置いておくと、増殖していきます。人の感覚も同じで、細胞みたいに分裂していけますみたいな説明を受けた記憶が微かにあります。

これも全く意味が分かりませんでした。キョトンです。

分からなすぎて、一体これはなんなのかしばらく話を聞いていると、闘病されていたときに、ロルフィングを受けたご縁でこのyieldのワークを受け、その時まで人嫌いだった自分が、ワークを受けて寝ている人を見て、人が愛おしいと思うことが出来るようになったと聞きました。

ああそれなら、うちのひたすらやかましい子供たちが寝ていると静かだから愛おしいと思えるという感覚を重ねて(多分相当以上違うと思いますが・・・)ちょっとだけ話がわかるかもしれない感覚になってきました。

関連するかもしれない話として、私も初めて聞いたのですが、副交感神経には、お腹側のものと、背中側のものの二種類があり、そのうちお腹側のものは、人の社会性に繋がるものなのだそうです。

そしてyield開発者の方の説明はそれはそれであるらしいのですが、馬渕海さん自身、人や神経系のある動物の感覚は、周りの人に伝播していくと感じているということで、実際やっていることは、施術者が平和で居られれば、それを受けている人も平和で安心した感覚になれて、安心して寝られるようになるということでした。

触れ合える動物園で試されたところ、アルパカと羊を寝させるという荒技にも成功したそうで(飼育員の人にバレたら怒られます。バレないでしょうけど)これは神経系のある生き物であれば使えるのではと分かったということでした。

また、元々この技術ができたきっかけは、物理的に触って施術出来ないという人を対象に何か出来ないかと考えられた際に考案されたものだということで、だからひたすら触らないんだということに納得できました。

それでいて、恐らくオンラインだと相当難しいんじゃないかという気もする不思議な施術です。

ここまで来て私の中でのこの施術は、

『ひたすら平和な感覚を伝授する儀式』

と命名することが出来て、自分の体感と非常に合致しました。

昨今、コロナ傘下で社会のあり方が激変しているさなか、私自身もそうですが、ヨガや瞑想の–ワークショップが流行っていたりしますが、そこで求められているのって、最終的には、個人レベルでも組織レベルでも、一つには、内なる平和の感覚なのではないかと思っていたりします。

私の中で馬渕海さんから受けたyieldのワークは、触らないというような切り口から始まり、周辺のことを極力削ぎ落とし、そこに「平和で安らげる感覚」だけを直球を投げ込むようなイメージの施術でした。

yieldの開発者や人に伝えたら怒られるかもしれませんが、ただ施術いていただいた馬渕海さんからは、こう表現しても優しいので否定はされず、「だからこそ、ごく普通の生活をしている人たちに受けてもらいたいと思っています」ということでした。

実は、施術者自身、古武術の深い愛好家で、古武術のマニアックなイベントを主催されているイベンターでもあり、私と多分近い性格傾向を持っているかなり我が道を行くタイプの人でもあり、今までの人生の中で、平和上等と路上に落書きをして怒られるくらいの?、あんまり平和な生き方をしている人ではないと思っています。(私の勝手な妄想含みます)そして、だからこそのギャップが、このyieldで展開される世界観への深い共感と、古武術や自身の闘病生活などを経ていった中で、この境地の施術(アルパカも眠らせられる・・・)に到達しているのだろうと推察(妄想)しています。

内容が、あまりにマニアック過ぎて私は、いろいろな施術にある程度触れてきたことがありますが、ここまで自分自身の体感的な理解と言語化に苦しむ施術もあまりなく、そういった意味で、マニアックに人間探究をしている人たちに是非面白いよとお勧めしたいとは思うのですが、町内会のご近所さんに世間話でオススメできるかというと、やられている手法がマニアックで、先進的すぎて説明に苦しむというものなのですが、もとい、本当に面白かったので、人間探究と『平和』という感覚を体感するということにピンと来るかもしれないと思う人には、是非一度体験されてみることをお勧めします。

(参考)馬渕海さんのブログ Resonance Blue

https://resonance4192.blogspot.com/?m=1


編集後記:表題写真は、『あっ!』という道路標識を初めて見てビックリした文責者の記念です。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?