【詩】フルムーン3月
雪の白が広がる森の中
黒い紫が ポツポツ と姿を現すザゼンソウ
黒い紫のあたたかさが冬の残りをとかし
早起きの虫たちは 訪問する
フルムーンの明かりにきびしさは無くなって
ここちよい冷たさと
さわやかなあたたかさが
まざりあった まなざしで見つめている
ケモノたちが動き出すと
同盟を結んだカラスが
獲物を教えてくれる
あたたかさは平等に生命の機会を与え
あたたかさは平等に死の機会を与え
春の陽気に合わせてルーレットを回し
春の冷たさといっしょに踊りだす
死を蹴飛ばし
躍動する生命のおいしさ
したたる血がフルムーンに流れる
「ワームムーン」
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