【詩】夏休みだった空
田んぼを通るあぜ道の空には積乱雲
その雲の中には龍の形をした稲妻が走って
城が浮かんでいると想像しながら歩いて帰る
ひまわり畑の向こう側
林の上に広がる夏空を集団で流れる積雲
ひまわりの迷路を抜け出していっしょに浮かんでいたい
夕日が終わり夜を迎える空に真っ黒な乱層雲
今日の夜空を奪って深夜とは違ったどす黒い夜をおろす
遠くの山の上で稲妻が無邪気に輝き走って
悪意のない力から遠ざかるように車を走らせて
見上げる夜空に巻層雲
スーパームーンはぼんやりとして
やわらかく明かりを伸ばしてこころを包む
いつも歩く砂利の音が心地よくきこえる
巻雲が出てくるころ夏休みとともに去っていく
想像の空はどんどん高くなって
虫の声が残暑の夜に新たな物語を呼び込んでくる
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