ビタミンC

ビタミンCは、水溶性ビタミンの一つで、16世紀から18世紀にかけての大航海時代に、新鮮な野菜や果物の摂取量が極端に少なかった船員たちの間で流行した、壊血病を予防する成分として、オレンジ果汁から発見されました。

 多くの哺乳動物では、体内でブドウ糖からビタミンCを合成することができますが、人の他、モルモットなどの一部の動物は、合成に必要な酵素がなくビタミンCを合成できないため、食事からビタミンCを摂取しなければなりません。ビタミンCの化学名は、アスコルビン酸で、生体内では通常還元型のL-アスコルビン酸または酸化型のL-デヒドロアスコルビン酸の形で存在しています。

ヒトはビタミンCを体内で作れないため、成人では1日の推奨量が100㎎(2020年版食事摂取基準)と設定されています。また、通常の食事による過剰摂取の報告はないため、耐容上限量は定められていません
しかし、ビタミンCの摂取量と吸収や体外排泄を総合的に考えると、通常の食品から摂取することを基本とし、通常の食品以外の食品から1,000㎎/日以上の量のビタミンCを摂取することは推奨できないとされています。

ビタミンCが不足すると壊血病、皮下出血、骨形成不全、貧血になるおそれがあります。

 ビタミンCは水溶性ビタミンであり、余剰分は尿と一緒に排出されるため過剰症はないとされてきました。しかし、近年、ビタミンCの過剰摂取により、虚血状態により組織や細胞中の酸素濃度が低下した場合には、活性酸素を産生し、細胞死を引き起こす可能性が示唆されています3)。まだはっきりした結論は出ていませんが、サプリメントなどを利用する際は注意しましょう。

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