【日記】本当に怖い家庭の医学
頭が痛い。
首と後頭部の境界線のやや上くらいが痛い。
数日前は眼球の裏が痛かった。
眼球裏の痛みといえば、世界三大激痛と名高い群発頭痛と同じ症状だ。
重症になると『悪魔にフォークで目を抉られるような痛み』と形容されるらしいが、そこまでじゃない。
興味本位の5歳児に木の棒でツンツンされるくらいの痛みだ。
頭痛に伴いがちなめまいや吐き気といった症状は皆無だし、仕事の能率が下がるくらいで全然我慢できる。
…でも死ぬかも。
僕は常々、ちょっとした痛みや違和感を覚えるだけで死神の影を見てしまう。
死ぬのが怖いというより、
死の兆候を見逃すのが悔しいのだ。
謎解きゲームで、全問正解を確信しながら解答を提出したけど隠し謎を見逃してて
「本当にそれで良かったのでしょうか…?」
って言われる、あのゾワゾワ感みたいな。
死んだ後のリザルトで
「あの時、頭痛してましたよね?あれ伏線です。あそこで病院行ってたら生存でした」
とか言われたらそれこそ死んでも死にきれない。
そう、人生とは
「迫り来る病魔からの脱出」
(プレイ人数:1人/80年程度)
なのだ。
…そんな妄想はどうでもいい。
僕がどう思ったとて、わずかな不調に心乱されている現状は事実なのだ。
僕のこの「すぐ死ぬ観念」。
こうなった原因に一つ心当たりがある。
小さい頃「本当は怖い家庭の医学」を狂ったように見ていたからだ。
あれは本当に怖かった。
特に再現VTRが。
幸せな家族の一人に突如として降りかかる病魔。
ちょっとした違和感から始まり、
徐々に病状が進行してついには…みたいな描写はヘタなホラーより怖かった。
おかげで僕はぐっすり寝ている両親を見るにつけ不安になって、死んでないか確認するほどのトラウマを負ったのである。
思い返せばあの番組、あまりに演出が悪趣味だったな。
悪魔がどデカい注射器抱えてる像とか並べられてたし、『大変なことになりますよぉ〜〜』とか言って恐怖を煽るしさ。
それが問題視されてかは知らんが、数年後には真っ白なスタジオで前向きな医療知識を提供する番組にリニューアルされていた。
不思議なことに、リニューアル以降一回もこの番組を見た覚えがない。
結局、トガったものを丸くしても魅力を失うだけということなのだろう。
皮肉なものだ。
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