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亀の子束子が好きだ


私は亀の子束子が好きだ。

以前、亀の子束子というのは、シュロの繊維を束ねたブラシの総称だと思っていた。 
あのくるりと巻いた形状をしていれば亀の子束子なのだから、メーカーについて考えたこともなかった。

でも違った。

亀の子束子なら、例えば鍋底にこびり付いたカレールーをこそげ落とすときに、束子の表面にべっとり厚く塗りつけられてしまうなんてことはない。

亀の子束子なら、泥付き牛蒡の表面をこすったときに、牛蒡に細い傷がついてしまうなんてことはない。

亀の子束子なら、ザルを洗った後で網目にカスが残ってるなんてことはない。

亀の子束子なら、お肉を焼いた鉄のフライパンくらいなら、洗剤なしでもスッキリ洗い上がる。

亀の子束子なら、使い終わって水切りしたのに、なんかカビ臭いなんてことは絶対になかった。

水切れも、洗剤切れも、油切れもすこぶる良い。
いつまでもギトギトして、汚れを落とすために、汚れを落とした何倍の洗剤がいる、なんてことは全然ない。

これらクリアしていないのは、亀の子束子の形をした別ものだ。

形状が同じだから、使ってみなければ見た目じゃわからないと思っていた。 

今はわかる。

亀の子束子は横から見ると、シュロの縄をかけてある。
ビニールのような、プラスチックのような紐で巻いてあるのは、別のものです。 
(紐が巻き付けてないタイプの亀の子束子もあります) 

ブラシはほとんど亀の子束子を代用している。

洗濯で、襟や袖のしつこい汚れを落とすときに。
お風呂場のタイルを磨くのに。
玄関やポーチのセメントの汚れを落とすのに。
サッシの溝掃除に。  

水洗いできる敷物を夏の暑い日に外で洗う時も、亀の子束子を使います。
繊維に絡みついた髪の毛や猫の毛を掻き取ってくれます。

そして驚くべきことに、爪の間を洗うのにも亀の子束子を使っています。
固くて痛そうですが、そんなことはありません。
シャッシャッシャッシャッと、軽くブラッシングすれば良いのです。

台所で使い込んでシュロがチビてきたら洗濯に使い、屋外で使い、いよいよハゲてしまったら、それを洗った亀の子束子は再利用はできない、というものが出てくるまで待ちます。

最後に洗って廃棄します。
シュロを束ねている針金を取り除けば、燃えるゴミで出せます。
天然なので。

私は亀の子束子のヘビーユーザーです。

※棕櫚の画像は高梨さんよりお借りしました。
ありがとうございます♪


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