見出し画像

物欲

朝食後皿を洗っていたら、食器乾燥機の蓋の調子がまた悪くなった。
悪くなったのは昨日今日の事ではない。
もう何年も前に、蓋の一部が破損しているのを騙し騙し使っているのだ。

そもそもこの食器乾燥機の蓋の部分は、仕様に問題があると思う。
三つの蓋パーツをスライドさせて開閉するのだけれど、最も手前の蓋を開けた時に、真ん中の蓋がストンっと勢いよく後ろに落ちる。
これの前に同じ構造の別のメーカーの製品を使っていた。
ストッパーのようなものがあったのかは確認していないけれど、落ちてしまうようなことはなかった。
手前の蓋を開けた時に、もう片方の手で真ん中の蓋を持って下ろしてやればいい事なのだけれど、どう考えても面倒くさくないですか?

後ろ側の、蓋と本体が重なるところの位置関係を把握しずらいので、そろりそろり下ろしてもやっぱり最後に音を立てて閉まる。
朝昼晩、食器を入れる時と取り出す時の最低六回、ストンストンと派手な音を立てて落ち、挙句一部破損した。
破損して、三つのパーツの重なりがうまく噛み合わなくなったので、ちょっと油断すると蓋が閉まらない、開かないということが起きる。

これの調子が悪くなるたびに、食器洗い乾燥機を買おうと思う。
食器乾燥機を新調するのは無駄に思い、今更置き型の食器洗い乾燥機を買うのも無駄に思う。
私はどちらも欲しくない。
欲しいのはビルトイン式の食器洗い乾燥機が装備されているシステムキッチンなのである。

かくして、ぶっ壊れた食器乾燥機を騙しながら使い続けている。
蓋は壊れた箇所から破損が広がりつつある。
今朝も少し傷が広がった。
欠けた蓋の一部が床に落ちていた。
ボロボロである。
笑いが込み上げてくる。

よくよく眺めて、蓋閉まらなくていいんじゃね?ということに気づいた。
半開きの蓋にタオルやら布巾をかぶせておけば、庫内の温度が上がり乾燥する。
センサーなどないから、隙間があっても温度が上がることはない。
温風式なので布が燃えるほどの熱でもない。

しばらくはこれで行こう。
なあに、最終的には布巾で拭けば良いことなのだから。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?