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寒さ対策②猪肉汁

私は昭和34年生まれの亥年。
関係ありませんが、猪肉が好きです。

今でこそジビエ料理が注目を集めていますが、かつて猪肉は臭いとか固いなどと敬遠する方が多かったように思います。

今から十五年ほど前に夫と連れ立って、ダム湖に沈む計画の山間の地域で開催されていたコスモス祭りに出かけました。

ダムを建設するために住民が転居した跡地を造成した広大な土地に、春はポピー、秋はコスモスを植えイベントを開催していました。
花畑の中でのモデル撮影会や、景品の当たるゲームもあったようです。
イベント会場にはテントが設営されていて、地元の特産品や地場野菜、民芸品などが販売されていました。
軽食を提供する店の中に猪蕎麦がありました。

なぜ猪蕎麦を食べたのか…
忘れましたが、おそらく、他のものは売り切れていたのだと思います。
はじめしぶしぶ、仕方なく口にしたのをありありと覚えています。
というのは、全く期待せず、半ば無理矢理、腹が空いているので背に腹は変えられず、やむなく一口食して、そのあまりの美味しさは大げさでなく、青天の霹靂だったからです。
私はガツガツと、欠食児童のように息もつかせぬほどの勢いで食べました。

後日、千と千尋の神隠しという映画で、豚に変身した父母が屋台のご馳走を貪るシーンに出会った時、あの日の自分ではなかったか?と恥入りました。

猪蕎麦は、いわゆる肉蕎麦の牛肉を猪肉にしたようなもので、かけ蕎麦に甘辛く煮た猪肉が乗せてあるだけのものです。
それが絶品でした。

美味しい、美味しい、と日頃は残す汁まで平らげました。
夫は今でもこの出来事を語り草にしています。

その後、イベントに出店していた蕎麦屋を探しましたがとうとう見つかりませんでした。
いろいろな蕎麦屋を訪ねましたが、猪肉蕎麦をメニューに置いている店にも出会っていません。

幻の猪蕎麦。

近頃は鳥獣被害を防止する目的で捕獲した鹿肉や猪肉を販売する自治体や店が増えてきたように思います。

島根県と広島県境あたりの道の駅で冷凍の猪肉を取り扱っているのを見つけました。
広島に出かけた際は必ず立ち寄り買って帰りましたが、コロナもあり、ここ三年くらい出かけておらず猪肉も遠ざかっていました。

このお正月に松江の熊野大社に初詣した(参拝客が長蛇の列なので実際にはもうでていない)さいに、駐車場の隣の商店に"猪肉あります"の張り紙を見つけたので買って帰りました。

猪肉が臭いと言われるのは、下処理のやり方によるもののようです。


スライスして冷凍で販売されている猪肉を解凍して調理していますが、臭いを感じたことはありません。
むしろ豚肉よりあっさりしており、食感は乳臭くない牛肉という感じです。
甘みがあり、煮込むと柔らかくなりますが、歯応えはしっかり残ります。
まあ部位によるかもしれませんが…

ウチではもっぱら具沢山猪汁を作ります。
大根、人参、白菜、牛蒡、里芋、蒟蒻、白葱、エノキダケと煮て、合わせ味噌で味付けします。
汁に甘味が出て実に美味しいです。
寒波襲来の週末、猪肉汁で暖まりました。

最後は濃い米味噌を少し足してうどんを煮込みます。

今日のお昼はこの特製 猪肉うどんです。
汁も余さずいただきます!


たまのアルバムはこのほかにもおもしろい歌がたくさんで、好きでしたね…





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