酔いにおい
「かわいい」「好きだよ」と夜の電話越しにあなたから言われて、酔ってるんだな、しか思わなくなってしまった。
最初の頃はその言葉がすごく嬉しくて、私も好きだよ、なんて言ってたな。
いつからありがとうと返すようになったんだろう。
いつから酔ってるんだなとしか思わなくなってしまったんだろう。
素面だと言えないだけ?本当に?
こういう思考に陥ってる時点で終わりなんだろうな。
素直に受け止められなくてごめんね。
それでも楽しい記憶を思い出して、今回は違うかもしれないと期待をしながら今夜も電話をする。
あなたはきっと、あのパソコンの明かりだけついてる良いにおいのする部屋で、ゲーミングチェアに座って、この電話にでるんでしょう。
「〇〇、すきだよ」
嗚呼、今日も電話越しに酔いにおいがする。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?